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モモ、モロヘイヤ、タケノコ…。意外と知らない身の回りの食材の毒性

2018.05.01

モモ、モロヘイヤ、タケノコ…。意外と知らない身の回りの食材の毒性


「身近な食品に毒(成分)が含まれている」というのは、実は珍しいことではありません。たとえば非常にポピュラーな食材であるジャガイモには、ソラニンという毒性のある成分が芽の部分に含まれています。今回は、こうした身近な食べ物の毒性について紹介します。

記事監修



加藤智子先生


産婦人科医。浜松医科大学医学部医学科卒業、社会医療法人財団新和会八千代病院勤務。日本産科婦人科学会(専門医)、日本医師会(認定産業医)、日本抗加齢医学会(専門医)、NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会(更年期カウンセラー)、日本産婦人科内視鏡学会、日本女性心身医学会、検診マンモグラフィ読影認定医、日本気象予報士会東海支部(気象予報士)、食生活アドバイザー。女医+(じょいぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/111

■毒性のある身近な食べ物

●ジャガイモ⇒ソラニン

冒頭で挙げたジャガイモの「ソラニン」ですが、これはステロイドアルカロイドと呼ばれる有機化合物で、神経に作用する毒性を持ちます。多量に摂取すると頭痛や嘔吐(おうと)、下痢などの中毒症状を引き起こします。ただし成人の中毒量は約200~400mgと多いので、仮にジャガイモの芽を取り忘れても、中毒になるほど摂取することはほとんどないでしょう。


●モモ⇒アミグダリン

モモの種には「アミグダリン」という成分が含まれています。アミグダリンはそのままでは毒性がありませんが、加水分解されることで致死性の毒物であるシアン化水素が発生します。致死量は60mgといわれていますが、種に含まれるアミグダリンは少量のため、死亡するほど摂取することはまずないでしょう。ただ、できれば間違って食べないよう、モモの種は割らないようにしたいですね。


●モロヘイヤ⇒ストロファンチジン

栄養価の高い野菜として重宝されているモロヘイヤですが、果実には「ストロファンチジン」という非常に強い毒があります。ストロファンチジンを摂取すると、心不全を起こして死亡する恐れがあります。食用として流通しているのは葉だけなので触れる機会はありませんが、もし自家栽培している場合は注意しましょう。


●ギンナン⇒メトキシピリドキシン

秋になると出回るギンナンには「メトキシピリドキシン」という成分が含まれています。メトキシピリドキシンはビタミンB6に似た構造をしており、大量に摂取するとビタミンB6の働きを阻害し、ビタミンB6欠乏症になるといわれています。ビタミンB6欠乏症になると、けいれんなどの症状が起こります。


●フキ、フキノトウ⇒ペタシテニン

フキ、フキノトウには「ペタシテニン」という、有機化合物が含まれています。ペタシテニンには肝毒性があり、摂取すると肝機能が阻害されます。ゆでることで毒性が分解されるので、フキやフキノトウを食べる際は絶対に生では食べず、必ずゆでてあく抜きをしましょう。


●タケノコ⇒タキシフィリン

生のタケノコには「タキシフィリン」という物質が含まれています。タキシフィリンは青酸配糖体という青酸性の成分で、摂取すると呼吸困難などの症状を引き起こします。タキシフィリンはお湯でゆでることで毒性が分解しますから、こちらも必ずゆでましょう。


●白インゲン豆⇒レクチン

生の白インゲン豆には「レクチン」という物質が含まれています。加熱すれば非活性化するため、体に悪い影響は出ませんが、そのまま食べると嘔吐や下痢などの症状を引き起こします。白インゲン豆をそのまま食べることはまずないでしょうが、何かの拍子にパクッと食べるのは避けましょう。


●トマト⇒トマチン

トマトの果実や葉、茎には「トマチン」という物質が含まれています。トマチンを大量に摂取すると頭痛や吐き気、下痢などの中毒症状を起こします。青く未熟なトマトほど多く含まれ、一般に流通している完熟した果実にはほとんど含まれていません。ですので、完熟した果実を一般的な量食べるのであれば、中毒症状になることはまずないでしょう。



身近な食材にも、こうした毒性の成分が含まれています。どれも適切な調理法、そして一般的な量であれば中毒症状になることはないでしょう。ただ、生のフキや白インゲン豆を食べたりしないように、NGな食べ方だけは覚えておくといいですね。


(中田ボンベ@dcp)