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アナフィラキシーショックとは? 起こさないためにはどうしたらいい?

2018.05.02

アナフィラキシーショックとは? 起こさないためにはどうしたらいい?


何かの物質に重いアレルギーを持つことが分かっていれば、その物質(アレルゲン)を極力避けなければなりません。もし、アレルゲンに触れてしまい、急激にアレルギー反応を引き起こした場合には、生死に関わることもあります。今回は「アナフィラキシーショック」についてご紹介します。

記事監修

前山美千代 先生


専門は一般内科、漢方医学科。大阪医科大学医学部医学科卒業、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科在籍、みらい病院(一般内科・漢方医学科)勤務。認定内科医・日本抗加齢医学会専門医・日本医師会認定産業医として、気軽に実践できて、健康と美容に役立つ情報を発信しています。

女医+(じょいぷらす)所属。


▼みらい病院

http://eijukai.jp/

■アレルギーの種類とは?

アレルギーは、原因物質である抗原(これをアレルゲンと呼びます)が体内に侵入し、これを異物として排除しようとする人間の免疫システムが病的に働き、生体に不利に働く反応を指します。


アレルゲンは、最もよく知られている「スギ花粉」などの植物、「ニッケル」「コバルト」などの金属、食物では「卵」「小麦」「ピーナツ」など、実に多種多様です。


このアレルギーはその種類、起こり方で以下の4つに分けられます。


●I型アレルギー

「即時型アレルギー」「アナフィラキシー型」とも呼ばれます。

⇒アレルギー性鼻炎(花粉症)、気管支ぜんそく、じんましんなど


●II型アレルギー

「細胞障害型」とも呼ばれます。

⇒自己免疫性溶血性貧血、紫斑病など


●III型アレルギー

「免疫複合体型」とも呼ばれます。

関節リウマチ、血清病、全身性エリテマトーデスなど


●IV型アレルギー

「遅発型」とも呼ばれます。

アレルギー性接触皮膚炎、移植片対宿主病など


このように、それぞれアレルギーの種類によって疾患も異なります。今回ご紹介するのは、上記の「I型アレルギー」に分類される病気「アナフィラキシーショック」です。


I型アレルギーはアレルギー反応がすぐに現れることが特徴で、花粉症は最もよく知られるI型アレルギー疾患です。


※難しい話になってしまうのですが、作用因子で考えると上記の4つのアレルギーでは「原因となる抗体」が違います。I型アレルギーでは「IgE」、II型・III型アレルギーでは「IgG」「IgM」、IV型アレルギーでは「感作T細胞」が原因となります。

■アナフィラキシーショックってどういう状態?

「アナフィラキシーショック」は、アレルゲン等の侵入により、複数臓器にアレルギー反応が起こり、生命に危機を与えうる過敏反応です。血漿(けっしょう)成分が拡張した血管から漏れ出し、

  • 呼吸困難

  • むくみ

  • じんましん

といった症状が急に現れます。早い場合は数分で、発症3時間以内が症状のピークです。食物、薬剤などのアレルゲンとの接触が原因となりますが、有名な例では「ハチの毒によるショック症状」もこのアナフィラキシーショックです。


急激なショック症状となり、呼吸困難から死に至ることもあります。回数を重ねるごとに重篤となります。そのため症状が現れたら迅速な対応が必要となります。治療が遅れると命に関わるのです。

■アナフィラキシーショックを起こさないためには?

アナフィラキシーショックを起こさないためには、アレルゲンとの接触を避けることです。また重篤なアレルギーを持つ人は、ショック症状に見舞われたときのために「エピペン®」を携帯しておくべきでしょう。


エピペン®は、強いアナフィラキシーが起こった時に患者が応急処置をするための自己注射薬で、アドレナリンはアナフィラキシーに対する緊急治療用の医薬品です。成分はアドレナリン(エピネフリン)で、

  • 気管支を広げる

  • 心筋収縮力を上昇させて心臓の動きを助ける

働きをしますので、ショック症状からの回復に役立つのです。


稀に、アレルギーが明確にある子供に、理解不足からアレルゲンを含む食物を食べさせようとする人がいますが、これは絶対にいけません。成長につれてアレルギー体質が和らぐこともありますが、もし体質が治らないまま繰り返されると、悲劇的なことになる可能性があります。


厚生労働省が毎年行っている「人口動態調査」2016年(平成28年)によれば、この年アナフィラキシーショックで亡くなった人は、男性11人、女性8人の計19人となっています。

⇒データ出典:

『e-Stat』「人口動態調査 2016年」「(1)ICD-10コード A~T」

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&tstat=000001028897&cycle=7&year=20160&month=0&tclass1=000001053058&tclass2=000001053061&tclass3=000001053073&tclass4=000001053082&result_back=1&second2=1


※アナフィラキシーショックのICD-10コードは「T78.2」

アレルギーが原因で亡くなるということもあるのです。たとえ「ちょっとアレルギーがあるだけ」でも、極力自分のアレルゲンとの接触は避けるようにしましょう。


(高橋モータース@dcp)