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「黄砂」っていったい何?人体に影響を及ぼすって本当?

2018.05.12

「黄砂」っていったい何?人体に影響を及ぼすって本当?


春になると、偏西風に乗って中国大陸から「黄砂」が飛んできます。黄砂は一般的な自然現象と理解されていましたが、近年では人体に有害な物質を含む環境問題と認識されることが多くなっています。今回はこの「黄砂」についてご紹介します。

記事監修



吉武姿子(よしたけ・しなこ)先生


専門は呼吸器内科、一般内科、訪問診療。特定医療法人共和会共和病院勤務。

九州大学理学部生物学科卒業後、鹿児島大学医学部卒業。熊本大学医学部付属病院、名古屋大学医学部付属病院などを経て、出産を機に現職。


▼ママ女医しなこのマイブランドなライフスタイルのつくり方

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■黄砂ってどんなもの?

日本における「黄砂」は主に九州や西日本で多く観測される現象です。中国大陸のタクラマカン砂漠・ゴビ砂漠・黄土高原といった乾燥地域の土壌・鉱物粒子が風で舞い上がり、偏西風に乗って日本列島にまで届き、浮遊・降下して起こります。黄砂は以下のような流れで中国大陸から日本列島に飛来します。日本に飛来する黄砂の粒子のほとんどは、0.5-5μm(マイクロメートル、mmの1/1,000)の大きさです。

1.低気圧による強風で粒子が舞い上がる

2.粒子の大きい砂ぼこりが地表に衝突し、細かい砂ぼこりを跳ね飛ばす

3.粒子の小さい砂ぼこりが高く舞い上がり砂ぼこりの雲を形成、上空を流れる偏西風に乗る

4.偏西風によって日本列島まで飛来、落下する

なお衛星画像やモデル計算により、黄砂は最終的に北米大陸まで到達することが明らかになっています。

●黄砂が人体に及ぼす影響

黄砂は上記のように非常に小さい粒子です。呼吸などで体内に入ると、以下のような悪影響を及ぼすとされています。

  • 呼吸器疾患

  • 結膜炎など、眼科の疾患

  • 心臓など、循環器系の疾患

  • アレルギーの症状

■黄砂の成分

日本国内で測定される黄砂の成分は以下のようなものです。

  • 石英

  • 長石

  • 緑泥石

  • カオリナイト

  • 炭酸カルシウム

  • 硫酸カルシウム

  • 硫酸アンモニウム

粒子の成分は、観測地点によっても変化します。黄砂は上空を移動しながら空気中に浮遊するさまざまな粒子を吸着し、化学反応を起こすため、成分が変化するのです。特に中国・韓国・日本などの工業地帯上空を通過した黄砂は、硫黄酸化物や窒素酸化物を吸着すると考えられています。また、細菌やカビなども吸着し、運ばれます。

■PM2.5との違いは?

黄砂と同じように大陸から飛来するとされる「PM2.5」という汚染物質があります。この「PM」は「Particulate Matter(粒子状物質)」の略で、2.5は粒子の大きさが2.5μm以下のものという意味です(ちなみに人間の髪の毛の直径が約70μmです)。粒子が非常に小さいため、発生源から遠く離れた場所にまで運ばれ、呼吸器系などへの悪影響を及ぼすと考えられています。


PM2.5の成分は炭素、硝酸塩、硫酸塩、金属類です。原因となる物質はばい煙を発生する施設、自動車や船舶といった人為的なものだけでなく、火山や植物からも発生します。PM2.5も黄砂も人体にとって有害なものですが、発生のプロセスは異なります。ただし、黄砂が大気中のPM2.5を吸着し、より毒性が強くなるということが考えられるのです。

■黄砂の対策は?

黄砂は上記のように人体に悪影響を及ぼしますので、以下のような方法でしっかり対策しましょう。


●眼鏡、マスク、帽子を着用する

外出時には眼鏡、マスク、帽子を着用し、なるべく体に接触させないようにしましょう。黄砂の粒子はスギ花粉よりも小さいため、花粉症用のマスクではあまり効果がありません。ウイルスやPM2.5をカットできるような、目の細かいマスクを選びましょう。


●外から帰ったら手洗い、うがいをする

いくらマスクでブロックしているといっても完全に防げるとは限りません。手洗い、うがいで流しましょう。眼鏡や帽子を着用していない人は、洗顔、洗髪をすると良いでしょう。


●洗濯物を外に干さない

天気の良い日は洗濯物を外に干したくなりますが、黄砂の時季は控えたほうがいいでしょう。せっかく洗濯した衣類が黄砂を吸着してしまいます。


●黄砂が付いたときの洗車

屋外に自家用車を置いていると、黄砂が積もってしまうことがあります。洗車の際は水を掛けて黄砂を洗い流しましょう。ブラシでこすってしまうと車体に傷がつきますので、気を付けましょう。



黄砂は昔からある現象ですが、近年は人体への悪影響が懸念されています。花粉やPM2.5と同時に飛来することもありますので、きちんと対策するよう心掛けてください。可能なら、風の強い日などは外出を控えたほうがいいかもしれませんね。


(藤野晶@dcp)