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医療費の負担が軽くなる!組合健保の「付加給付」とは?

2018.05.14

医療費の負担が軽くなる!組合健保の「付加給付」とは?


公的医療保険は、必要な医療を比較的低い負担で受けるためにあります。企業に勤める人は「健康保険組合(組合健保)」か「全国健康保険協会(協会けんぽ)」のどちらかの被保険者でしょう。この「組合健保」の場合には、通常の内容にプラスして「付加給付」が受けられ、より負担が軽くなることがあるようです。今回は「付加給付」についてご紹介します。

記事監修


吹田朝子(すいた・ともこ) 先生


『一般社団法人 円流塾』代表理事。CFPR(R)認定者(ファイナンシャルプランナー)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、健康ファイナンシャルプランナー(R)。

一橋大学卒業後、生保会社の企画調査・主計部門を経て1994年より独立。著書多数。


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■「組合健保」と「協会けんぽ」

サラリーマンの場合は、会社に勤務すると、健康保険組合の「組合健保」か全国健康保険協会の「協会けんぽ」のどちらかの被保険者(保険の加入者のことです)になります。


「組合健保」は、一企業が設立する場合は、被保険者が常時700人以上、複数の会社が共同で設立する場合は、合計で常時3,000人以上が必要となるので、大企業またはそのグループ会社が中心となって自主的につくられた健康保険です。平成29年度には全国で1,398の健康保険組合があります。


一方の「協会けんぽ」は、中小企業等で働く人や家族を対象とした政府管掌健康保険で、従来は国(社会保険庁)が運営していましたが、2008年10月新たに設立された全国健康保険協会の運営となっています。


サラリーマンの人は自分の持っている保険証を確認してみてください。保険者として「健康保険組合」の名称か「全国健康保険協会」と記載されているはずです。

⇒データ出典:

・『健康保険組合連合会』「平成29年度健保組合予算早期集計結果の概要」

http://www.kenporen.com/include/press/2017/20170414.pdf

・「健康保険組合連合会」健康保険組合設立のメリット

http://www.kenporen.com/join-establishment/kumiai_setsuritsu/

・「全国健康保険協会」協会けんぽとは

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat710/sb7030/1787-1484

■「組合健保」のメリットのひとつは「付加給付」

組合健保のメリットのひとつは「付加給付」が得られることがある点です。付加給付というのは、健康保険法で定められている給付(これを「公的給付」といいます)以外に、健康保険組合が独自に給付するもののことです。


たとえば、誰でも利用できる「公的給付」に、1カ月の医療費が上限を超えたらその分は公的医療保険から支給されるという仕組み(高額療養費制度)があります。これを利用すると、1カ月に100万円の医療費がかかり、自己負担が30万円になった場合でも、そのうちの約21万円は健康保険から支給されます※。


つまり1カ月の医療費の上限がだいたい8万円※で、これを超えた分については健康保険で補填(ほてん)してもらえるわけです。しかし、「組合健保」の場合には、「医療費の自己負担の補助(一部負担還元金)や付加給付」として、1カ月の医療費の上限を数万円程度に抑えているところもあり、「協会けんぽ」と比べると自己負担がさらに少なく済むのです。


また、出産した場合の「出産育児一時金」に付加給付が行われることもあります。公的給付では42万円ですが、たとえばこれに数万円を加算してその分は組合健保の負担とするところもあります。


工場などを持ち、業務中にけがをする可能性が高い会社などの健康保険組合は特にそうですが、傷病手当金に付加給付を行う「傷病手当金付加金」制度を設けていることもあります。


公的給付では、傷病手当金は1日当たり「標準報酬月額の三分の二」、だいたい月額の給与を30日で割って2/3を掛けた金額です。しかし、これを「2/3」ではなく「80%」などとして、その差額分は組合健保で補填するといった制度も見られます。


このような付加給付制度の内容は、組合健保によって異なっています。公的給付は必ず行わなければなりませんが、それ以外の付加される部分についてはそれぞれの組合健保で独自に設定できるからです。


もし自分の健康保険証が健康保険組合のものであれば、付加給付にどのような制度があるのか確認してみると良いでしょう。


※69歳以下年収約370万円~770万円の場合です。


なお、協会けんぽと比べて付加給付があることで、組合健保のほうがお得と思われるかもしれません。しかし、実は健康保険組合数は減少傾向にあります。


健康保険組合連合会のデータによれば7割の組合が赤字に陥っており、給付内容を見直したり、組合を解散して協会けんぽに移行するといった動きもあります。日本の医療費の増加は健康保険組合をも苦しめているというわけです。


(高橋モータース@dcp)