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日光を浴びると激しいかゆみがする。光線過敏症(日光アレルギー)とは?

2018.05.16

日光を浴びると激しいかゆみがする。光線過敏症(日光アレルギー)とは?


皆さんは「光線過敏症」をご存じでしょうか? 2017年のドラフト会議で指名を勝ち取った(『オリックス・バファローズ』の「育成1位」)稲富宏樹さんが過去に発症したことがある、として話題になりましたね。今回は、「日光アレルギー」と呼ばれることもある「光線過敏症」について解説します。

記事監修

土屋佳奈 先生


皮膚科医。東京医科大学卒業。東京女子医科大学で研修後、皮膚科学教室に入局。東京女子医大病院、JR東京総合病院勤務を経て、都内の美容クリニック、皮膚科クリニックに勤務。現在は、つちやファミリークリニック副院長として、皮膚科診療を行う。

女医+(じょいぷらす)所属。

■「光線過敏症」とは?

光線過敏症は、日光に当たることによって起こる皮膚疾患の総称です。普通なら問題ない程度の日光を浴びても、日光を浴びた皮膚に赤みや痒(かゆ)みが生じるなどの異常が現れます。ときには水疱(すいほう)ができたり、じんましんができたり、といった症状が見られることもあります。


光線過敏症はあくまでも総称ですので、アレルギー性のもの、代謝異常によるもの、遺伝性のものなど、原因によって疾患、症状も違ってきます。

●アレルギー性のもの

・日光じんましん

日光を浴びるとすぐに日光の当たった部分にじんましんが出る。日陰や屋内に入れば、30分程度で自然に消退する。


・光線過敏型薬疹

服用している薬が原因で日光を浴びると、日光の当たった部分に広く紅斑が現れる。日光に当たりやすい顔や首、デコルテや手の甲などが日焼けしやすくなったと感じたら、薬の可能性がある。


・光接触皮膚炎

薬剤※などが塗られた、もしくは貼られた皮膚に日光を浴びると、その部分が赤く腫れたり、ぶつぶつや水膨れが現れる。痛みや痒みを伴うことがある。


※非ステロイド系の抗炎症薬や日焼け止めに含まれる紫外線吸収薬であることが多い。


●代謝異常によるもの

・ポルフィリン症

小児期に発症することが多く、日光を浴びると、浴びた部分の皮膚に紅斑や腫れが現れる。またちくちく・ピリピリした痒みや痛みが生じることもある。


●遺伝性のもの

・色素性乾皮症

生まれて初めて外出した際、ほんの少し日光を浴びただけで、ひどい日焼けをすることで気づかれることが多い。そのまま日焼けを繰り返していると皮膚が乾燥し、しみがたくさんできてくる。この疾患の患者は皮膚がんの発症率が普通の人よりもはるかに高い。


●原因のよく分からないもの

・多形日光疹

日光を浴びると、日光の当たった部分に赤い痒みのある発疹が出る。女性、あまり外出しない人が多く発症するといわれる。


・種痘様水疱症

この疾患は幼少期に多く発症する。日光を浴びると、顔、耳、手の甲などに種痘に似た水疱や痂疲(かさぶた)ができる。

光線過敏症が「日光アレルギー」と呼ばれるのは、日光によって免疫システムの過剰反応である「アレルギ-反応」が引き起こされるからです。薬や化学物質を皮膚に塗る(たとえばローションや日焼け止めなど)ことで皮膚が日光に対して過敏になり、それがもとでアレルギー反応を起こすことがあります。


また、内服薬(飲み薬)・外用薬(塗り薬)が光線過敏症の原因となることも知られています。腎臓疾患や心臓疾患で治療を受けている患者に光線過敏症が多くなるのは、投与されている薬に含まれる化学物質が原因ではないかと推測されています。


日光と一口にいいますが、その中に含まれる光(紫外線・可視光線・赤外線)の中でも光線過敏症を多く引き起こしているのは紫外線(UV)といわれています。


紫外線は波長が短く、強いエネルギーを持っていて、生物の体により有害なのです。そのため、日光アレルギーは時に「紫外線アレルギー」といった呼び方がされます。

■光線過敏症は治るもの?

光線過敏症を発症しながらもプロ野球選手への道を諦めなかった高校生がいます。


上述の、稲富宏樹さんです。野球部のレギュラーとして活躍していた高校1年の5月に突然、光線過敏症を発症したそう。野球選手にとって光線過敏症は大ピンチでしたが、稲富さんは練習用のウエアをUVカット仕様に替えるなどの工夫をし、体質改善のためのさまざまな努力をしたようです。


その後、幸いなことに光線過敏症の症状は緩和され、現在はプロ野球選手として2018年の開幕に備えています。



稲富さんの例でも分かりますが、アレルギー疾患はその発症が誰にも予測できません。また根治の手段がないのも難しい点です。光線過敏症はあくまでも総称でありますが、アレルギー性のものだけではなく、代謝異常・遺伝性・原因不明のものを含めて、やはり難病なのです。


とはいえ、症状を緩和させることはできます。もし気になる症状があるのなら、一度きちんと医師の診断を受けるようにしましょう。


(高橋モータース@dcp)