検索
診察費と薬代の会計が別なのはどうして?「医薬分業」の仕組みとは?

2018.05.15

診察費と薬代の会計が別なのはどうして?「医薬分業」の仕組みとは?


病院での診察のあとは、処方箋(しょほうせん)を受け取り、それを持って薬局へ行き、薬を購入するという流れになりますね。この仕組みは1997年以降に一般的になったもので、「医薬分業」といいます。「一度で会計を済ませたい」「面倒くさい」と感じることがあるかもしれませんが、この仕組みにはメリットがあるのです。今回は「医薬分業」について解説します。

記事監修


笹倉渉 先生


麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、日本医師会認定産業医。『公立昭和病院』初期臨床研修医。『東京慈恵会医科大学附属病院』麻酔科・助教。『公益社団法人 北部地区医師会 北部地区医師会病院』麻酔科・科長を経て、現『MYメディカルクリニック』院長。


⇒『MYメディカルクリニック』公式サイト

http://mymc.jp/

■医薬分業のメリットとは?

ある年齢以上の人なら、診察を受けた同じ病院で「薬も」受け取った、という経験があるでしょう。しかし、現在では医師に診察を受けたらその病院では会計時に処方箋を受け取るだけで、薬は購入しないですね。


処方箋を持って薬局へ行き、処方箋どおりに調剤してもらった薬を購入します。患者からすると二度手間ですが、この「医薬分業」には以下のようなメリットがあるのです。

●自宅の近所、職場の近所というふうに患者が薬局を選べること

 (かかりつけの薬局をつくることができること)


●調剤を病院で待たなくてもいいこと


●処方箋があれば代理人でも薬を受け取れること


●処方箋により、患者自身が「服用している薬」について知ることが可能なこと


●薬の服用履歴がチェックできること


●医師のチェック・薬剤師のチェックと、処方された薬について二重の監視ができること


●薬の専門家である薬剤師から薬についての説明が受けられること

(患者に服薬指導することにより薬への理解・知識が深まる)


●医師の手元(病院)に薬の在庫がなくても処方できること


●病院での外来患者に対する調剤業務が軽減できること

(病院業務の省力化)

ほかに、医師(歯科医)と薬剤師が協力して患者に説明することで、患者の薬についての理解が深まり、効果的な服用が期待できる点なども挙げられます。


この医薬分業がどのくらい進んでいるかをチェックするための指標として「医薬分業率」があります。これは、


医薬分業率 = 薬局への処方箋枚数 / 外来処方件数 × 100


で計算されます。


『公益社団法人 日本薬剤師会』の集計によれば、2016年(平成28年)度(平成28年3月-平成29年2月)で「71.7%」に達しています。7割の人が処方箋を受け取り、調剤薬局で薬を購入しているわけです。


ちなみにこの医薬分業のルーツは、神聖ローマ帝国でフリードリヒ大王が1240年に定めた「薬剤師大憲章」にまでさかのぼるとされます。この大憲章では医師が薬局を持つことを禁じています。毒殺を恐れたフリードリヒ大王が主治医の調剤した薬を別の者にチェックさせたのが始まりだそうです。


⇒データ引用元:

・『厚生労働省』「医薬分業」

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/11-2/kousei-data/PDF/23010237.pdf


・『厚生労働省』「医薬分業の考え方と薬局の独立性確保」

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/discussion/150312/gidai2/item2-2-1.pdf


・『公益社団法人 日本薬剤師会』「医薬分業とは」

http://www.nichiyaku.or.jp/kokumin.php?global_menu=%E5%8C%BB%E8%96%AC%E5%88%86%E6%A5%AD%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6&side_menu=%E5%8C%BB%E8%96%AC%E5%88%86%E6%A5%AD%E3%81%A8%E3%81%AF&id=736


・『公益社団法人 日本薬剤師会』「医薬分業進捗状況」平成28年度集計

http://www.nichiyaku.or.jp/contents/bungyo/h28/s/28sukei.pdf

(高橋モータース@dcp)