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美容外科で受けられる「多汗症・わきが治療」にはどんなものがあるの?

2018.05.17

美容外科で受けられる「多汗症・わきが治療」にはどんなものがあるの?


清潔にして、デオドランド剤や消臭剤を使ってもワキのにおいが気になる……という場合、医療機関での治療を検討することもあるでしょう。「多汗症・わきが」は皮膚科、形成外科のほか、美容外科(いわゆる美容クリニック)でも治療を受けられます。今回は「美容外科で受けられる多汗症・わきが治療」について解説します。

記事監修



矢加部文(やかべ・あや)先生


専門は形成外科、乳腺外科、美容外科、美容皮膚科。長崎大学医学部卒業後、長崎大学形成外科入局。長崎大学病院・長崎医療センター・福岡徳洲会病院で形成外科、ナグモクリニック福岡院勤務福岡大学形成外科 レーザー外来・美容医療担当、メディアージュクリニック勤務を経て、2016年形成外科・美容皮膚科 みやびクリニック 開院。


▼みやびクリニック

http://www.miyabiclinic.net/

■「多汗症」と「わきが」の原因は違う!?

人間の体には汗を出すための「汗腺」が2種類あります。


ひとつは「エクリン汗腺」といって、全身に広く分布しています。暑いときや運動したときに出る汗はエクリン汗腺から分泌されるもので、ほとんどが水分でさらさらしています。「多汗症」の人は、このエクリン汗腺(主にワキや手のひらや足の裏)から必要以上に汗が分泌されるのです。


もうひとつは「アポクリン汗腺」といって、ワキの下、乳輪、陰部、耳の穴の中などの特定の部位にある汗腺です。ここから分泌される汗は脂肪や鉄分、アンモニアなどを含んでおり、やや粘り気があるのが特徴です。アポクリン汗腺から分泌された汗、皮脂腺から分泌された皮脂が表皮に付いている雑菌に分解されると強いにおいを放ちます。ワキでこのにおいを放つ症状がいわゆる「わきが」です。


このように、多汗症とわきがは全く異なる症状ですが、美容外科などでは同じカテゴリーにまとめられている場合が多いです。治療法としては、以下のようなものがあります。

■ボトックス注射

「ボトックス」とは、「ボツリヌス菌」の毒素「ボツリヌストキシン」から抽出・生成した「ボツリヌストキシン製剤」のひとつです。この薬はアセチルコリンという神経伝達物質の放出をとめることで筋肉の収縮を抑えたり、汗の放出を抑える効果があります。「ボトックス注射」は、この薬剤を注入する施術です。


「ボトックス」はアメリカ『アラガン社』の商標ですから、一般名詞としては「ボツリヌストキシン製剤注射」などと呼ぶのが適切なのかもしれませんが、多くのクリニックでは「ボトックス注射」として、さまざまな目的の治療で使用しています。


多汗症・わきがの改善を目的とする場合、エクリン汗腺からの発汗を抑えるために使用します。エクリン汗腺の働きを抑えれば発汗が少なくなり多汗症の改善、さらに汗が減り細菌の繁殖を抑えアポクリン感染から分泌された汗が臭いに変わるのを抑えるためわきがの改善につながるといわれています。


●メリット

・メスを使わないため、傷痕が残りません。

・期間限定で汗や臭いを抑えたい人には最適です(重症でなければ十分な効果が期待できます)。

・治療の時間が短いです。

・ダウンタイム※がほとんど必要ありません。


●デメリット

・治療後も汗腺自体は残っており、効果は3-6カ月程度と一時的なものです。

・繰り返し治療すれば効果が長く続くようになりますが、汗腺自体がなくなるわけではなく体質が改善されるわけではありません。


●ダウンタイム

ダウンタイムはほとんど必要ありません。


●費用

費用は使用する薬剤の種類、量によって大きく変わります。ワキの治療の場合は1回の費用が3-15万円程度に設定してあることが多いです。

■ミラドライ

「ミラドライ」は皮膚の上からマイクロ波を照射し、その熱で汗腺を破壊する医療機器です。切開せずに多汗症・わきがの治療ができるのが特徴です。


●メリット

・メスを使わないため、傷痕が残りません。

・ダウンタイムが短いです。

・エクリン汗腺、アポクリン汗腺の両方に効果があります。

・破壊された汗腺は再生しないので、半永久的な効果が得られます。


●デメリット

・治療者の技術により効果の差がでます。

・適切な処置をしないと痛みが強くなることがあります。

・1回の治療で効果が少ない場合は数回の治療が必要なこともあります。


●ダウンタイム

ダウンタイムは1-2日程度です。


●費用

費用は1回30-50万円程度です。

■せん除法(反転せん除法)・皮弁法

ワキを切開して皮膚をひっくり返し、医師が肉眼で確認しながらエクリン腺とアポクリン汗腺を切除する手術です。重度の多汗症・わきが治療として行われ、根本的な治療になります。


●メリット

・エクリン腺とアポクリン汗腺を切除するので、確実な治療となります。

・半永久的な効果が得られるとされています。


●デメリット

・切開するため、ワキに線状の傷痕が残ります。

・最も確実な治療法ですが、汗腺を100%切除することは不可能です。

・ほかの治療に比べてダウンタイムが長くなります。


●ダウンタイム

術後は入院せずに帰宅できますが、2-3日は安静にし、施術の後1-2週間程度はワキを固定する必要があります。保険適用で手術を行う病院では1週間程度入院安静が必要なこともあります。


●費用

せん除法での治療は保険適用になる場合があります。保険適用の場合は両ワキ、3割負担で4万円程度です(入院費用は含みません)。自費治療では20-40万円程度になります。費用がかなり異なりますので、事前に必ず確認しましょう。


※手術を受けた後は痛みや腫れ、むくみといった症状が現れます。これらの症状が治まるまでの期間を「ダウンタイム」といいます。ダウンタイムは施術の方法や規模によって大きく異なります。また個人差があり、記載されている期間が過ぎれば必ず症状が治まるというものではありません。



汗やにおいに関する悩みは、男女を問わず根深いものです。もし体臭に悩んでいるなら、一度カウンセリングを受けてみるといいかもしれませね。


(藤野晶@dcp)