ダイエット目的にウォーキングを毎日しているけれど、なかなかやせないし長続きしない……よく聞くお悩みです。やせたいけど目に見える効果がないと、モチベーションもなかなか続きません。


そこで、ダイエットパワーの高いウォーキング方法がないものか、アース鍼灸整骨院(千葉県市川市)院長で、パーソナルトレーナーとしても多くの人を指導している理学療法士、仲川豊基(なかがわとよき)さんにお話を聞きました。

取材協力・監修

仲川豊基氏


鍼灸師。理学療法士。パーソナルトレーナー。アース鍼灸整骨院院長。


アース鍼灸整骨院 千葉県市川市1-24-3パークテラス市川1F

http://earth-seikotsuin.com/

■おなかを鍛えるウォーキング法

「ウォーキングの最大のメリットは、誰でもすぐに手軽に行えることです」と話す仲川さんは、次のように続けます。


「しかし、ダイエットの観点からすると、ウォーキングはほかの運動に比べて運動効率が良くてもカロリー消費量が少ないため、劇的な減量や体型の変化が見られるわけではありません。


そこで、ウォーキングのメリットを生かしつつ、さらにダイエットにもなる『ドローイン・ウォーキング』をご紹介します。ドローインとは、『内側に引っ張る』という意味で、おなかの深層部の筋肉、インナーマッスルを鍛える技術です」と仲川さん。


これを取り入れることにより、美しいボディラインを作るだけではなく、運動による消費カロリーを増大させる可能性があります。仲川さんは、ドローインを加えた動作のカロリーについて、こう説明を続けます。


「散歩程度のウォーキングにドローインを取り入れると、消費カロリーは10分で10キロカロリーほど多くなると言われます。日々の生活で取り入れると、一日で大きな差が出ます。


しかも、インナーマッスルを鍛えると、何もしなくても一日で消費するカロリーである基礎代謝の量が増え、脂肪が燃焼しやすい体になり、さらに姿勢を安定させます」


では次に、「ドローイン・ウォーキング」の方法を仲川さんに教えてもらいましょう。説明は仲川さんによります。

■ドローイン・ウォーキングのポイント1:『キュッ』とへそ周りを締める

ドローインのポイントは、おなかを内側から引っ込めるイメージで、腹筋に軽く力を入れることにあります。


まず、少しウエストの小さいズボンを履くときのおなかをイメージしてください。「キュッ」とおへその周りを締めて、軽くおなかをへこませてからホックを留めるという経験はありませんか。その際に使う腹筋が、ドローインで使う筋肉と同じ、腹横筋(ふくおうきん)です。


これをドローインで力を入れる場所、また方法として覚えてください。

■ドローイン・ウォーキングのポイント2:骨盤の位置はニュートラルポジション

ドローイン・ウォーキングを正しく行うには、前後左右で適切な位置に骨盤を置くことが重要です。これをニュートラルポジションと言います。


正しい歩行や運動を行う上でとても重要で、ピィラティスではよく意識するポイントです。


ニュートラルポジションを見つけるには、かかと、お尻、けんこう骨を壁に着けて立ち、頭を壁から4センチ(±0.5センチ)ほど離します。このときの骨盤の位置がニュートラルポジションに近いと言えます。ウォーキング中も、骨盤の位置を意識しましょう。


■ドローイン・ウォーキングのポイント3:口をつぼめて息を長く吐く

ドローインのポイントを覚えたら、ウォーキングに挑戦です。いつものウォーキングにドローインを意識するだけなので、実に簡単です。


ただし、ここにドローインの難題があります。ドローインを知って、ウォーキングに取り入れようとした人の多くが、腹筋を締めながら歩こうとしても、その意識は数分しか持たないと言います。ドローインが続かない人は、おなかを引き締めてもすぐにその意識が薄れ、思い出したときにまたおなかに力を入れる……と、ウォーキングの動作とドローインが同時にできずに、結局面倒になってしまうのです。


その難題を解決するのは、ロングブレスをしながらのウォーキングです。


おへそ周りへの意識がドローインのコツですが、歩くときは、おへそではなく、呼吸に意識のポイントを変えます。口をつぼめて長く息を吐くロングブレスをすると、ドローイン・ウォーキングが簡単に意識できます。


口をつぼめると、吐く息を出し切るのに時間がかかります。このときに腹筋も意識すると、おなかがへこみやすくなります。ウォーキングの強度や肺の機能によって個人差はありますが、おおよそ10歩くらいで吐ききれる時間と強度で、息を吐き出しましょう。



最後に、ウォーキングと呼吸を合わせるコツについて、仲川さんはこうアドバイスします。


「歩き出す前にまず鼻から大きく息を吸います。口から吐き出すタイミングで最初の一歩を踏み出すといいでしょう。ウォーキングの初動とロングブレスを合わせると、歩行と呼吸のリズムが取りやすくなります。


通勤時や移動などいろいろな場面で、常にドローイン・ウォーキングを取り入れてください」



試しに筆者はまず、ロングブレスをせずに、おなかの筋肉だけを意識してウォーキングをしてみました。すると仲川さんが言うように、気づけば腹筋を使うことを忘れていました。次に、ロングブレスを取り入れて歩くと、30分間続けてもドローイン・ウォーキングが実践できました。


呼吸ひとつで、体への意識と動作のなじみかたがこんなにも変わるのかと驚きの体験でした。ぜひ試してみてください。


(取材・文 小山田淳一郎/ユンブル)