検索
自由診療とは?「高額になってしまう」のはどうして?

2018.05.21

自由診療とは?「高額になってしまう」のはどうして?


「自由診療」という言葉をご存じでしょうか。たとえば、美容整形や歯科矯正、ホワイトニングなどを受ける際は、耳にすることがあるかもしれませんね。この「自由診療」とは、いったいどのようなものでしょうか?「費用がかかる」のはどうして?今回は「自由診療」について解説します。

記事監修


笹倉渉 先生


麻酔科標榜医、麻酔科認定医、麻酔科専門医、日本医師会認定産業医。『公立昭和病院』初期臨床研修医。『東京慈恵会医科大学附属病院』麻酔科・助教。『公益社団法人 北部地区医師会 北部地区医師会病院』麻酔科・科長を経て、現『MYメディカルクリニック』院長。


⇒『MYメディカルクリニック』公式サイト

http://mymc.jp/

■自由診療とは「保険外診療」のこと

日本は国民皆保険制度ですから、日本人全員が何らかの公的な医療保険に加入しています。企業に勤める人なら健康保険、自営業の人なら国民健康保険、公務員の人なら共済組合の被保険者になっていらっしゃるでしょう。


公的な医療保険に加入すれば、医療費の一部を負担することで必要な医療を受けられます。この公的保険が適用になる診療を「保険診療」といいます。


保険診療では、厚生労働省の認可する医薬品・治療法を用いて療養が行われます。また診療報酬が決まっており、医師が勝手に医療行為の対価を決めることはできません。


これに対して、公的保険「適用外」の診療を「自由診療」といいます。自由診療では、厚生労働省の認可していない医薬品・治療法を用いるため保険が適用されないのです。


保険適用外であるため、その対価は医師・医療機関によって自由に設定できます。また、あくまでも患者と医師の合意・契約によって行われることが基本になります(ただし医療法・医師法には従わなければなりません)。


また、保険診療と保険外診療の混合診療は厚生労働省が基本的に認めていません。これは、

  • 医療機関が患者に対して保険外の負担を求めることが一般化するのではないか

  • 安全性・有効性が確認されていない治療法が保険診療と一緒に実施されてしまうのではないか

などが危惧されるためです。


「保険診療」との併用が認められている療養は、

  • 評価療養

  • 選定療養

のふたつです。それぞれ以下のようなものがあります。


●評価療養

・先進医療

・医薬品、医療機器、再生医療等製品の治験に係る診療

・薬事法承認後で保険収載前の医薬品、医療機器、再生医療等製品の使用

・薬価基準収載医薬品の適応外使用

(用法・用量・効能・効果の一部変更の承認申請がなされたもの)

・保険適用医療機器、再生医療等製品の適応外使用

(使用目的・効能・効果等の一部変更の承認申請がなされたもの)


●選定療養

・特別の療養環境(差額ベッド)

・歯科の金合金等

・金属床総義歯

・予約診療

・時間外診療

・大病院の初診

・小児う触の指導管理

・大病院の再診

・180日以上の入院

・制限回数を超える医療行為


上記のような「評価療養」「選定療養」と保険診療を併用したものを「保険外併用療養」と呼びます。


たとえば入院した際に、環境の良い個室を選んだりすると「差額ベッド代」というのが発生しますが、これは上記の選定療養の中にありますね。この場合、


●保険外併用療養費

基礎的部分(入院基本料相当)+ 上乗せ部分(差額ベッド料)


となります。基礎的部分(入院基本料相当)は「保険外併用療養費として医療保険で給付」されますが、上乗せ部分(差額ベッド代)については患者から全額が料金徴収されるのです。

⇒データ出典:

『厚生労働省』「保険診療と保険外診療の併用について」

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/heiyou.html

■自由診療はお高いものが多い

自由診療には、まだ日本では一般的ではない最新の治療が受けられるといったメリットがありますが、「コスト」と「リスク」というふたつのデメリットがあります。


保険診療であれば患者の負担は「1-3割」で済みますが、自由診療の場合には医療費の全額を負担しなくてはなりません。


上記のとおり、保険外診療と保険診療の混合は認められていませんので、たとえ自由診療の中に保険が適用されるような診療があっても、その全額が患者負担です。


また患者の合意の下に行われますのでリスクは自分で負う必要があります。厚生労働省が認可していない医薬品・治療法を用いるわけですから、安全性・有効性についても「自己責任で受けてください」というわけです。



たとえば歯科で行われる「インプラント」もずいぶん一般的になりましたが、公的保険でカバーできるのはその一部分でしかありません。自由診療については「高くつくもの」と考えておくのが良いでしょう。


(高橋モータース@dcp)