皮膚を何かに挟んだり、強く打ち付けてしまったときにできる「血豆」。治療するには「つぶしたほうがいい」という人もいますが、自分で行うと肌トラブルを招いてしまう可能性もあります。では、いったいどのような対処をしたらいいのでしょうか。今回は、「血豆ができたときの対処法」をご紹介します。
記事監修
桑原香織 先生
皮膚科医。東京医科大学卒業。同大学病院にて研修後、東京医科大学皮膚科学教室に入局。東京医科大学病院、東京医科大学八王子医療センターで経験を積み、その後は都内皮膚科クリニックに勤務。現在は、一般財団法人中小企業衛生管理協会霞ヶ関診療所の産業医として就労者の健康管理に携わっている。
女医+(じょいぷらす)所属。
▼霞ヶ関診療所
■血豆っていったい何?
血豆は、強い衝撃などによって体内の毛細血管が破れて出血し、その血が皮下にたまってできるものです。内出血の一種で、頭を強く打ったときにできる「こぶ」や、腕や足などを強く打ったときにできる「青あざ」と同じです。
■血豆ができたらどうすればいい?
外部からの衝撃により血豆ができてしまったら、まずは「冷やすこと」が大事です。冷やすことで患部の炎症を抑えたり、痛みを和らげることができます。手軽な方法としては、患部をタオルでくるんだアイスパックなどを使って冷やすことが挙げられます。
十分に冷やしたら、血豆がやぶれないように患部をガーゼなどで覆います。血豆が小さい場合は、そのまま自然に治るまで待ちます。血豆の大きさにもよりますが、数日で痛みも治まり、数週間ほどできれいに治るでしょう。
ただし、血豆が大きく、痛みがひどい場合は無理をせずに病院で診察を受けるべきです。
■自分でつぶさないほうがいいの?
医師の判断で血豆をつぶす処置をすることがありますが、自分で血豆をつぶすことは避けるべきです。消毒が不十分な状態で血を抜くと、皮下に雑菌などが入り込むことがあり、炎症を起こしたり、ひどくなると化膿(かのう)することもあります。
症状が悪化すると血豆が治っても痕が残ったりするため、血を抜く必要のある大きな血豆の場合には、必ず医師の診察を受けましょう。
■別の病気が原因で血豆ができることもある
血豆は口の中にもできることがあります。たとえば口の中の粘膜をかんでできたりします。しかし「かんだ覚えがないのに血豆ができている」場合は、何らかの病気が原因の恐れがあります。
口内に血豆ができる病気として挙げられるのが「悪性腫瘍」です。悪性腫瘍である場合は、血豆と違って自然治癒することはありません。もし長期間にわたり同じ位置に血豆ができている場合は、悪性腫瘍であることも考えられますので、早期に医師の診察を受けるべきです。
また、免疫機能の異常によって血小板が少なくなっている場合も、口の中に血豆ができやすくなります。頻繁に血豆ができるという場合も、速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。
血豆ができたら、血豆の大きさやそのときの痛みの具合によって病院に行く・行かないを決めるといいでしょう。もちろん、うっかり血豆ができてしまう事態にならないよう、普段から気を付けることも大事ですね。
(中田ボンベ@dcp)