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医療費の3割負担だけじゃない。健康保険の埋葬料(費)給付とは?

2018.05.24

医療費の3割負担だけじゃない。健康保険の埋葬料(費)給付とは?


日本は「皆保険制度」ですね。読者の皆さんも、なんらかの形で健康保険に加入していらっしゃるでしょう。健康保険があれば医療費の自己負担分が軽くなりますね。健康保険は、こうした療養費給付のほかにもさまざまな給付があります。今回はそのなかから、「埋葬料(費)の給付」について解説します。

記事監修


吹田朝子(すいた・ともこ) 先生


『一般社団法人 円流塾』代表理事。CFPR(R)認定者(ファイナンシャルプランナー)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、健康ファイナンシャルプランナー(R)。

一橋大学卒業後、生保会社の企画調査・主計部門を経て1994年より独立。著書多数。


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■健康保険の給付の中には……

健康保険に加入することで受けられる主な給付としては以下のようなものがあります。

1.療養の給付

2.入院時食事療養費・入院時生活療養費の給付

3.高額療養費の給付

4.訪問看護療養費の給付

5.傷病手当金の給付

6.出産育児一時金の給付

7.埋葬料(費)の給付

「1」は皆さんが一番多く利用しているものですね。診療にかかった医療費の7割が給付されるため、自己負担は3割で済みます(70歳以上の高齢者は年齢や所得に応じて7-9割給付・窓口で1-3割自己負担/75歳以上の後期高齢者医療制度では原則9割給付・一部現役並み所得者は7割給付・窓口で1-3割を自己負担)。


ほかにも「入院」や「出産」に対しても一定の給付を受けられるようになっています(給付条件があります)が、「7」の埋葬料(費)給付については知らなかったという人が多いのではないでしょうか?

■「埋葬料(費)」給付は「5万円」

この給付は被保険者が亡くなったときに行われ、厳密には「埋葬料」と「埋葬費」に分かれています。違いは以下になります(記事末の『全国健康保険協会』URLおよび支給申請書より引用)。


●埋葬料

被保険者が死亡したときは、埋葬を行った家族(被保険者に生計を維持されていた人であれば、被扶養者でなくてもかまいません。)に5万円の埋葬料が支給されます。また、被扶養者が亡くなったときは、被保険者に「家族埋葬料」として5万円が支給されます。


「埋葬料」は、死亡の事実またはその確認があれば支給されるもので、埋葬を行ったことは要件とされていません。仮埋葬や葬儀を行わない場合でも支給されます。


●埋葬費

死亡した被保険者に家族がいなくて、上記の埋葬料を受けられる人がいない場合は、埋葬を行った人に、埋葬料の額(5万円)の範囲内で、埋葬にかかった費用が埋葬費として支給されます。


「埋葬費」は、実際に埋葬を行った人に支給されるため、埋葬を行った事実が必要であり、埋葬を行った後でなければ埋葬費を請求することはできません。


また、実際に埋葬に要した費用は葬壇一式料のほか、霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶の謝礼などの実費額です。


お葬式などはともかくとして、死後の後始末になにがしかのお金がかかることは確かです。やはり、健康保険制度で「埋葬料(費)」の給付があるということを頭の隅に入れておくことは大切でしょう。

■死後の後始末に最低限かかるのは……

ちなみに死後の後始末として、遺体に関してだけであれば最低限、

  • 死亡届

  • 火葬許可証の取得

  • 火葬場での火葬

  • 遺骨の引き取り

を行う必要があります。


地方自治体に死亡届を出すには、医師の死亡診断書が必要です。これは自由診療扱いで、医療機関によって価格はまちまちです。平均で5,000円[税別]程度といわれますが、医療機関によっては1-3万円と高額になることもあるようです。


医師から死亡診断書を受け取ったら、死亡届を提出し、「死体火葬許可証」を受け取ります。これがないと火葬を行ってもらえません。


火葬の費用は地域・業者によって異なりますが、たとえば東京都の『臨海斎場』では、

  • 組織区住民(港区・品川区・目黒区・大田区・世田谷区)の場合

    12歳以上:4万円

  • 組織区外住民(上記5区以外)

    12歳以上:8万円


⇒データ出典:

『臨海斎場』「使用料・使用時間」

http://www.rinkaisaijo.or.jp/charge/

が「火葬料」です。ほかに大阪府にある『大阪市立鶴見斎場』の火葬料を見てみますと、

  • 大阪市民:1万円

  • 大阪市民外:6万円


⇒データ出典:

『大阪市立鶴見斎場』「大阪市立鶴見斎場 葬儀料金見積もり手続き窓口 鶴見斎場利用手順」

https://鶴見斎場.sougi-navi.jp/trm/

となっています。


火葬の費用をできるだけ安く抑えたければ、その地域にある公営の火葬場を利用するのが良いようです。


ただ、お葬式なしで遺体の火葬だけを行う場合でも、健康保険の埋葬料(費)の給付5万円だけでは賄えないことが多いと考えられます。ですので、死後の後始末のお金は余裕をもって準備しておいたほうがいいでしょう。

⇒データ引用元:

・『全国健康保険協会』「保険給付の種類」

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170


・『全国健康保険協会』「健康保険 被保険者 家族 埋葬料(費)支給申請書 記入の手引き」

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/g2/cat230/170701/22k_maisou_guide_170701.pdf


(高橋モータース@dcp)