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「メラトニン」の働きとは?「睡眠ホルモン」と呼ばれるのはどうして?

2018.06.04

「メラトニン」の働きとは?「睡眠ホルモン」と呼ばれるのはどうして?


睡眠に深く関わるホルモンに「メラトニン」があります。メラトニンは脳内で分泌されるホルモンの一種で、「睡眠ホルモン」としても知られていますね。さて、このメラトニンは具体的にどのような働きをするかご存じでしょうか。今回は、「メラトニン」について解説します。

記事監修



渡辺宏行 先生


精神科医。信州大学医学部卒業後、横浜市立大学附属市民総合医療センターを経て医療法人福和会『南横浜さくらクリニック』勤務。日本精神神経学会、日本東洋医学会、医師+(いしぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/181

■夜眠くなるのはメラトニンの影響

メラトニンは脳内の「松果体(しょうかたい)」という部位から分泌されるホルモンです。体の深部の体温を低下させたり、副交感神経を優位にして心身をリラックスさせたりして、体を眠りに適した状態にする働きがあります。そのため、スムーズな睡眠には必要不可欠なものなのです。


メラトニンは昼間には分泌されませんが、夜になると分泌されるようになります。これは「概日リズム(サーカディアン・リズム)」と呼ばれる1周期が約24時間の生体リズムによるものです。人はこのリズムを元に覚醒し、眠りに就くようになっており、一般的にメラトニンは朝起きてから約14~16時間経過すると分泌されます。


たとえば朝7時に起きたとすると、夜の9時~12時くらいになるとメラトニンの分泌が始まる、ということですね。また夜間はずっとメラトニンが分泌されるのですが、分泌開始から約2時間後にピークを迎えます。夜中に我慢できないくらい眠くなるのは、ちょうどピークを迎えるからでしょう。

■夜のスマホはメラトニン分泌の阻害につながる?

このようにメラトニンは睡眠に必要な物質ですから、分泌が阻害されないようにしないといけません。


メラトニンは朝起きて太陽の光を浴び、体が覚醒状態になると分泌が止まる仕組みになっています。そのため、夜に強い光を浴びるとメラトニンの分泌が阻害されてしまいます。たとえば、「夜寝る前にスマホを見ないほうがいい」といわれていますが、これはスマホの強い光のせいで脳が勘違いし、体内時計が乱れてメラトニンの分泌が抑えられてしまうからです。


また熱いお風呂に入ることも体の深部の体温を上昇させるため、メラトニンがスムーズに分泌されなくなる可能性があります。ですので、就寝前に熱いお風呂に入ることは避けましょう。ほかにも、夜寝る時間にちゃんとメラトニンが分泌されるよう、朝起きたらまず太陽の光を浴びて概日リズムを整えることも大事です。

■メラトニンは強い抗酸化作用も持っている

メラトニンには強い抗酸化作用があります。新陳代謝を促進したり、ホルモンバランスを改善するなどの効果が得られます。「スムーズな入眠」だけでなく、心身の状態を健康に保つためにも大事なホルモンなのです。


また、メラトニンの分泌量は幼児期~小学校くらいの年齢でピークを迎え、加齢とともに分泌量が減っていきます。子供がすぐに眠くなるのはこのためです。反対に年を取ると夜中に何度も目が覚めたり、朝早く目が覚めてしまうのも、メラトニン分泌量の減少によってもたらされるものだと考えられています。



「夜眠れない」など睡眠に関して悩んでいる人も多いのではないでしょうか。メラトニンは、スムーズな入眠に欠かせないものです。睡眠薬に頼る前に、まずはしっかり日の光を浴びて、夜寝る前はスマホを見ないなど、メラトニンの分泌をスムーズにする生活を意識してみるといいかもしれませんね。


(中田ボンベ@dcp)