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年金ってどれくらいもらえるもの?満額受け取りたい人は「任意加入」を!

2018.06.05

年金ってどれくらいもらえるもの?満額受け取りたい人は「任意加入」を!


65歳以上になると原則「年金」(老齢年金)が受給できるようになります。「老後は年金暮らし」と考えている方もいらっしゃるのでは?ただし、老齢基礎年金を満額もらうためには20-60歳までの40年間(480カ月)の全期間保険料を納めることが必要です。年金の加入期間が短い場合には、「任意加入」で年金を増やすという方法があります。

記事監修


前野彩(まえの・あや)先生


CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士


『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール』(日経BP社)、『本気で家計を変えたいあなたへ<第2版>』(日本経済新聞出版社)、『障がいのある子のお金トレーニング』(翔泳社)、『持つだけでムダ遣いが減る! 魔法の家さいふ』(主婦と生活社:監修・考案)など著書多数。


⇒前野先生の公式HP

http://www.fp-will.jp/

■日本の年金制度は「二階建て」になっている!

日本の「公的年金制度」は強制加入です。日本に住む20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入しなければなりません。年金制度には次の2種類があります。

  • 1.国民年金

    日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人

  • 2.厚生年金

    厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する70歳未満の人


※公務員が加入する「共済年金」は2015年(平成27年)10月1日から厚生年金への一元化が開始されています。

年金制度を「家」に例えると、1の「国民年金」は日本の年金の1階部分で、その上に2の「厚生年金」が2階部分の上乗せになっています。これが年金の「二階建て構造」といわれる理由です。


もしかしたら会社員や公務員の皆さんの中には、「2の厚生年金には加入しているけど、1の国民年金には加入していない」と思われる人もいるかもしれません。


会社員や公務員等の人が月々の給与やボーナスから納める厚生年金保険料の中に国民年金の保険料も含まれます。そのため、会社員や公務員の人も国民年金に加入しているので安心してください。

■国民年金を満額受け取るには「480カ月」分の納付が条件!

今回の本題である「任意加入制度」は国民年金についてのものです。


原則65歳になると年金を受け取れるようになりますが、これは老齢年金というもので、国民年金から支給される分は「老齢基礎年金」、厚生年金から支給される分は「老齢厚生年金」と呼ばれます。


まず理解しておきたいのは、


老齢基礎年金を満額受け取るためには、20歳から60歳までの「40年間(480カ月)」保険料を納付しなければならない


という点です。そして、


老齢基礎年金として受け取れるのは、満額で「年間77万9,300円」(平成30年度)


です。何らかの理由で保険料の未払い期間があると、満額からその未払い月数分に該当する金額を差し引いた金額しか受け取れなくなります。ただし、納付期限から2年以内であれば、その未払い分を支払うことで老後の年金を増やすことが可能です。


2年を超えてしまうと本来、さかのぼって納めることはできませんが、2018年9月末日までは、過去5年分までさかのぼって納めることができる「後納制度」の特例があります。未納が直近だった人は、年金事務所に確認しましょう。


「5年より以前の未納分をなんとかしたい!」という人は、「任意加入制度」を使えば、


60歳以降に国民年金に任意で加入して国民年金保険料を支払うことができる


のです。この制度を使えば、「老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない」「40年の納付済期間がなくて満額もらえない」といった場合でも、老齢基礎年金がもらえるようになったり、年金額を増やしたりと、できるだけ満額に近づけることができます。


ただし、

  • 1.年金額を増やしたい場合には65歳までの加入になる

    (つまり60-65歳までの最大5年間の任意加入)

  • 2.受給資格期間を満たしていない場合には70歳までの加入が可能

  • 3.外国に居住する20歳以上65歳未満の日本人も加入可能

というルールがあります。また、この任意加入制度を利用できるのは厚生年金に加入していないことが前提になりますので、その点にも注意してください。


最後に、年金についての重要なポイントについて触れておきましょう。


年金を受け取るために最低限必要な期間を「受給資格期間」といいますが、2017年8月の改正からは、受給資格期間が25年から10年となりました。これにより、年金に加入していた期間が短くても年金をもらえる人が多くなったのです。


受給資格期間が10年にカウントされるのは、次の期間です。

・国民年金の第1号被保険者として国民年金保険料を納めた期間

・国民年金の第1号被保険者で、免除手続をとっていた期間

・国民年金の第2号被保険者で、(会社員や公務員等)として厚生年金保険

(共済組合含む)に加入していた期間

・国民年金第3号被保険者(いわゆる会社員の妻の専業主婦等)として手続していた期間

なお、受給資格期間は短くなりましたが、加入していた期間が短いと老後に受け取る年金額は少なくなります。


老後に働けなくなったら年金が収入の柱です。若いうちから年金についての知識を持ち、過去に未納の期間があった人は、老齢基礎年金の金額を満額に近づける「任意加入制度」があることを覚えておいてください。

⇒データ出典:

『日本年金機構』「任意加入制度」

http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-03.html

(高橋モータース@dcp)