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けがや病気で仕事を長期間休むことになったら?「傷病手当」はどれくらいもらえる?

2018.06.07

けがや病気で仕事を長期間休むことになったら?「傷病手当」はどれくらいもらえる?


けがや病気で仕事を長く休むことになった場合、「お金がなくなったらどうしよう」と不安になるかもしれません。この不安を解消してくれるのが、健康保険にある「傷病手当の給付」という制度です。今回は「傷病手当」についてご紹介します。

記事監修


前野彩(まえの・あや)先生


CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士


『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール』(日経BP社)、『本気で家計を変えたいあなたへ<第2版>』(日本経済新聞出版社)、『障がいのある子のお金トレーニング』(翔泳社)、『持つだけでムダ遣いが減る! 魔法の家さいふ』(主婦と生活社:監修・考案)など著書多数。


⇒前野先生の公式HP

http://www.fp-will.jp/

■「傷病手当」とは?

会社員の皆さんが加入する公的な医療保険「健康保険」には、「傷病手当」の給付があります。この傷病手当とは、


病気やけがで長期間働けなくなったときに、会社員本人とその家族の生活を保障するため


に設けられています。以下の条件を全て満たした場合に「傷病手当金」の給付を受けられます。

  • 1.業務外の事由による病気やけがの療養のための休業であること

    仕事中に負ったけがや通勤災害によるものは対象になりません。これらは労災保険の対象です。また病気と見なされないもの、たとえば美容整形などは対象外です。

  • 2.仕事に就くことができないこと

    入院や自宅療養など、医師の診断書等を基に仕事内容などを考慮して行われます。

  • 3.連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

    連続3日以上働けなかった場合に、4日目以降の仕事を休んだ日が給付の対象となります。

  • 4.休業した期間について給与の支払いがないこと

    休んだ期間会社から給与の支払いがある場合には、傷病手当の給付対象にはなりません。ただし、休んだ期間について会社から給与が支払われる場合でも、その金額が傷病手当よりも少ない場合には、その差額分が給付されます。

※健康保険には、会社を辞めても例外的に個人で加入できる「任意継続被保険者制度」がありますが、この期間中に負った病気、けがについては、傷病手当の対象にはなりません。

■「傷病手当金」が給付される期間は?

「傷病手当金」が支給されるのは、支給を開始した日から最長1年6カ月です。


気を付けなければいけないのは、1年6カ月の間に仕事に復帰した日があったとしても、それは傷病手当の給付期間「1年6カ月」に含まれてしまうことです。たとえば、1年6カ月の間に5日仕事に復帰したことがあったとしても、支給開始日から1年6カ月後に「5日分足す」ということはできません。


また給付開始後1年6カ月を超えた場合には、たとえ仕事に復帰できなくても傷病手当金の給付は行われません。その後も働くことができない状態の場合は収入がなくなってしまうため、障害年金の受給を検討します。

■傷病手当で給付される「傷病手当金」の金額は?

傷病手当金の金額は、一日あたり


「支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した金額 ÷ 30日 × 2/3 = 傷病手当金の金額」


※支給開始日とは傷病手当金が支給された最初の日という意味です。


で計算します。


一見すると複雑な計算式ですが、簡単に言うと「傷病手当金は給料1日分の3分の2」です。1カ月働けない場合は、普段の給料の約3分の2を健康保険から「傷病手当金」として受け取ることができるので安心ですね。

■「国民健康保険」の場合には「傷病手当」はない!?

会社員が加入する「健康保険」には「傷病手当金」がありますが、個人事業主(フリーの人)などが加入する「国民健康保険」では残念ながら「傷病手当」はありません。そのため個人事業主の場合には、会社員よりも貯蓄や医療保険、所得補償保険などの必要性が高くなります。


傷病手当は、会社員の皆さんが長期間働けないときのための大事なセーフティーネットです。毎月給料から天引きされている健康保険の保障を正しく知っておきましょう。


(高橋モータース@dcp)