検索
CO2レーザー、サーマクールCPT…。美容整形で使われるレーザー治療の機器の特徴

2018.06.07

CO2レーザー、サーマクールCPT…。美容整形で使われるレーザー治療の機器の特徴


美容整形クリニックのwebサイトを見ると、さまざまな施術がありますね。特にレーザー治療は機器の種類も多く、違いが分かりにくいのではないでしょうか。今回は美容整形でよく使われているレーザー機器について、その特徴やどんな治療に適しているのかをご紹介します。

記事監修



堀内和一朗 先生


皮膚科医、抗加齢専門医、国際レーザー専門医、精神科医。

東京医科歯科大学医学部卒業。小張総合病院皮膚科医長、総合クリニックドクターランド船橋皮膚科部長を経て、現在は関東の精神科病院勤務。人間総合科学大学非常勤講師。

医師+(いしぷらす)所属。

■美容整形でよく使われているレーザー治療の機器は?

美容整形ではいわゆる「レーザー治療」が頻繁に行われており、使われている機器の種類もさまざまです。用途もいろいろですが、基本的には肌のトラブルを改善する目的で使われています。


レーザー治療では、患部にレーザー光を照射し、そこで起きる反応によって肌のトラブルを治療します。少し難しいですがレーザーについて説明しておきましょう。


レーザーには「波長」と「パルス幅」があります。


波長とは光の長さのことで、


紫外線(波長が短い)- 可視光線 - 赤外線(波長が長い)


となっています。レーザーはこれらの波長からひとつだけを取り出して増幅するという機器で、波長によって光の性質が変わります。

  • 波長(単位:nm、ナノメートル=10億分の1メートル)

    長い……メラニン色素への反応は鈍い、皮膚の深い所まで届く

    短い……メラニン色素への反応が良い、皮膚の深い所には届かない


一方のパルス幅は、レーザー光を照射する時間のことです。パルス幅の長短によって以下のような特徴があります。


  • パルス幅(単位は一般的にnsec、ナノ秒=10億分の1秒)

    照射時間が長い……威力が弱い、深い位置の染みには効かない

    照射時間が短い……威力が高い、深い位置の染みに効果がある

美容整形クリニックで使われている主なレーザー治療機器は以下のようなものです。

●Qスイッチレーザー

「Qスイッチ」は、さまざまな方法で大きいエネルギーのレーザー光を得る技術です。主なQスイッチレーザーには「ルビーレーザー」「アレキサンドライトレーザー」「YAG(ヤグ)レーザー」の3つがあります。これらの違いは波長の長さで、皮膚のどの深さに到達するかが異なります。


・Qスイッチルビーレーザー

ルビーレーザーは694nmの波長のレーザーです。染み、太田母斑、扁平母斑の治療、入れ墨の除去が可能です。レーザー光を照射すると皮膚の深い部分のメラニンに反応し、瞬間的に周囲の細胞を破壊します。染み・そばかすの原因になっていた異常な細胞が破壊された後には、正常な細胞が再生します。その結果、染み・そばかすが消えるのです。


ルビーレーザーは、メラニン反応に優れるため、染みの治療には適していますが、肝斑(かんぱん)の治療には向いていません。


・Qスイッチアレキサンドライトレーザー

アレキサンドライトレーザーの波長は755nmです。染み、そばかすの治療に使われています。ルビーレーザーに比べ、深い位置の染みの治療で真価を発揮します。


・QスイッチYAGレーザー

YAGレーザーの機器の多くは532nm、1,064nmというふたつの波長を持っています。皮膚の深い位置の染み、あざ、入れ墨、肝斑の治療にはYAGレーザーが適しています。

●CO2レーザー

炭酸ガスを使った波長10,600nmのレーザーです。「炭酸ガスレーザー」とも呼ばれています。水に吸収されやすい性質を持っているのが特徴です。このレーザーを皮膚に照射すると水分に吸収されて熱を発生し、周囲の組織を蒸散させます。ほくろやいぼなどの治療に使われる機器です。

●レーザートーニング

低出力のレーザー光を均一に照射し、メラニンを破壊します。低出力なので肌に優しく、従来は難しいといわれていた肝斑の治療を得意とする機器とされています。しかし、肝斑が増悪する例もあるため、医師とよく話し合って判断することが必要です。

●Vビーム

波長595nmのレーザー光を照射する機器です。このレーザー光は血中のヘモグロビンに最も反応します。ヘモグロビンに吸収されると熱を出し、その熱によって血管の内壁を破壊してふさぎます。この効果によって毛細血管の異常による「赤ら顔」などの症状を治療します。


これは非常に強力なレーザーなのですが、レーザー光と同時に冷却ガスを表皮に吹き付けて冷やします。これにより表皮はレーザーの熱から守られ、安全な治療ができるのです。



以下の機器は実際にはレーザー光を照射するものではありません。しかし、一般的にはレーザー治療と同様の治療を行うため「レーザー治療の機器」として扱われています。以下に挙げているのは、このような機器の代表的なものです。

●サーマクールCPT

肌に高周波のエネルギーによる熱を加える治療です。「サーマクールCPT」を照射すると、皮膚の深いところにあるコラーゲン繊維が収縮します。これにより肌を引き締め、たるみを改善します。


「サーマクール」という機器は昔から使われており、現在までバージョンアップを重ねてきました。「サーマクールCPT」は最新の機器になります。また、目元専用の「サーマクールアイ」という機器を導入しているクリニックもあります。

●IPLフォトフェイシャル

レーザーとは異なる特殊な光線を照射する機器です。この光はメラニンや毛細血管など、トラブルを発生している部分にのみ反応します。肌のくすみ、染み、そばかすのほか、赤ら顔の改善にも効果があります。


「フォトフェイシャル」は白人向けに開発された機器で、日本人の肌には合わないとされていましたが、日本人の肌に対する臨床試験を重ね、日本人向けに開発された「ライムライト」という機器を導入しているクリニックもあります。



一般的に「レーザー治療」と呼ばれている機器の中には、実はレーザーとは違う仕組みのものもあるようです。しかし、「肌トラブルの改善」という本来の目的は同じです。これらの機器を使った治療は、施術後のダメージが少ないものが多いのですが、施術の前には医師の説明をよく聞きましょう。リスクなどを前もって知っておくことが大切です。


(藤野晶@dcp)