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子供がケガをした、病気になった…。医療費の「助成」はある?

2018.06.10

子供がケガをした、病気になった…。医療費の「助成」はある?


子供のケガ・病気の治療にかかった医療費については、地方自治体独自の「助成制度」を利用すると安く済みます。地方自治体により異なりますが、乳幼児については無料、小学校・中学生でも無料から500円程度の自己負担になるところが多いのです。今回は「子供に対する医療費の助成」についてご紹介します。

記事監修


前野彩(まえの・あや)先生


CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士


『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール』(日経BP社)、『本気で家計を変えたいあなたへ<第2版>』(日本経済新聞出版社)、『障がいのある子のお金トレーニング』(翔泳社)、『持つだけでムダ遣いが減る! 魔法の家さいふ』(主婦と生活社:監修・考案)など著書多数。


⇒前野先生の公式HP

http://www.fp-will.jp/

■子供の医療費を助成するのは「地方自治体」

健康保険では、就学前の子供の自己負担は2割、それ以降は3割ですが、各市区町村で独自の取り組みが行われています。


「乳幼児医療費助成」「子どもの医療費助成」(名称は制度を実施する地方自治体によって異なります)を利用すると、子供(乳幼児・児童)の医療費が実質無料になったり、入院しても500円で済んだり、手厚い給付を受けることができます。


そのわけは、公的な医療保険による医療を受けた場合に支払わなければならない「自己負担分の全額あるいは一部」を、地方自治体(都道府県・市区町村)が代わりに支払ってくれるからです。


このような子育てを支援する助成制度は、地方自治体の条例・規約で独自に定めています。助成を実施する地方自治体の予算・財政状況に大きく左右されるため、

  • 何歳の子供に対して

  • どんな助成があるか

といった条件部分は各地方自治体によって異なります。


最近は、日本の少子化対策の一環という面もあり、多くの地方自治体でできるだけ子供の医療費に助成を行う努力がされています。


助成をきっかけに子育て世帯が引っ越して来てくれれば、その分人口が増え、税収も上がるという効果を期待しているわけです。子供が増えればその地域は活性化しますしね。 

■子供の医療費助成の例

子供の医療費に対する助成では地方自治体によって、

  • 対象年齢(通院/入院)

  • 保護者の所得制限があるか/ないか

  • 一部自己負担があるか/ないか

  • 助成が「現物給付」か/「償還」か

  • 入院時の食事代の給付があるか/ないか

といった点で違いがあります。現物給付というのは、地方自治体が窓口負担分を肩代わりするので「医療機関での窓口負担がない」というものです。償還というのは、窓口負担はいったん自分で支払い、その後請求することでお金(窓口負担の全額または一部)が返ってくるというものです。


たとえば東京都では、小学校就学前の乳幼児については「マル乳」(乳幼児医療費助成)、小学生・中学生については「マル子」(義務教育就学児医療費助成)というほぼ共通(後述)の医療費助成制度を実施しています。


この両方の助成制度のおかげで、15歳年度末(つまり通常は中学校卒業まで)は、入院時の医療費がほぼ「無料」になります。小学生・中学生の義務教育就学児の通院については、1回につき上限負担額200円の負担があります。


ただし、市区町村によってはこの制度に所得制限があり、ある程度の収入がある世帯には助成を行わないところもありますので、自分の住んでいる各自治体に確認してみてください。


一方、同じ東京都でも、この制度に独自の助成を手厚くしている自治体もあります。たとえば千代田区では「高校生等医療費助成制度」を実施していて、18歳年度末まで医療費の助成があります。

⇒参考:

『千代田区』「高校生等医療費助成制度」

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kosodate/teate/kokose.html

次は横浜市を見てみましょう。


横浜市の制度では、

  • 0歳から小学校3年生まで

    通院・入院の自己負担分を全額サポート

  • 小学校4・5・6年生

    入院は無料ですが、通院1回につき「500円」の負担あり

  • 中学生

    入院は無料ですが、通院のサポートはないので健康保険の給付のとおり医療費の自己負担の3割を支払う


⇒データ出典元:

『横浜市』「小児医療費助成」

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/child.html#seido

となっています。


厚生労働省の調査によれば、子供の医療費に対する助成制度は各地方自治体によって違いがあります。対象年齢についてだけ見ても、

  • 3歳未満

  • 4歳未満

  • 5歳未満

  • 就学前

  • 9歳年度末

  • 12歳年度末

  • 15歳年度末

  • 18歳年度末

  • その他(交付金のため、対象年齢・所得制限・一時自己負担金に関する規定なし)


⇒データ出典元:

『厚生労働省』「市区町村における乳幼児等医療費援助の実施状況 別紙1」平成28年度

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11908000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Boshihokenka/0000169978.pdf

などの差があるのです(詳細は上記のデータ引用元を参照してください)。



子供(乳幼児含む)の医療費に何らかの助成をしない自治体はありません。しかし、地方自治体によって助成の内容に差があります。現在住んでいる自治体の助成制度はご存じでしょうが、 これから引っ越しを考える場合は、一度地方自治体の実施している医療費の助成について確認してみてはいかがでしょうか?


(高橋モータース@dcp)