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平均的にはどれくらい抜けるもの?抜け毛の原因と対策

2018.06.16

平均的にはどれくらい抜けるもの?抜け毛の原因と対策


抜け毛は健康な人や若い人も起きるものですが、いつもよりもたくさん抜けているように感じると気になってしまいますよね。特に髪を洗っているときやブラッシングをしているとき、ドライヤーでブローしたときなどは、抜け毛の量に驚いてしまうこともあるものです。今回は「抜け毛が起きる原因と対策」についてご紹介します。

記事監修



矢加部文(やかべ・あや)先生


専門は形成外科、乳腺外科、美容外科、美容皮膚科。長崎大学医学部卒業後、長崎大学形成外科入局。長崎大学病院・長崎医療センター・福岡徳洲会病院で形成外科、ナグモクリニック福岡院勤務福岡大学形成外科 レーザー外来・美容医療担当、メディアージュクリニック勤務を経て、2016年形成外科・美容皮膚科 みやびクリニック 開院。


▼みやびクリニック

http://www.miyabiclinic.net/

■抜け毛の主な原因

一般的に「健康な人でも1日に50~100本程度は髪の毛が抜ける」といわれています。しかし、髪をとかしたブラシに毎回のようにたくさんの髪の毛が絡まっているのを見ると「こんなに抜けて大丈夫だろうか」と不安になってしまいますね。抜け毛の主な原因は以下のようなものです。


●時期による抜け毛

季節の変わり目、特に春と秋には髪の毛が抜けやすく、普段の1.5倍程度になることもあるといわれています。春と秋では原因がそれぞれ異なります。


・春の抜け毛

春の抜け毛は、精神的・肉体的なストレスによるものとされています。年末年始でお酒を飲む機会が増えるため生活習慣が乱れ、その影響が春先に現れるといわれています。また、春には就職・転職など、生活環境が大きく変わる人も少なくありません。このような要因によるストレスから、抜け毛が多くなると考えられています。


・秋の抜け毛

秋の抜け毛は、夏のダメージの影響が大きいと考えられています。夏は日差しが強く紫外線の影響を受けやすくなり、その分髪の毛・毛根が傷みます。頭皮にダメージを与え、抜け毛につながります。また、エアコンの影響で頭皮が乾燥すれば、抜け毛の要因になります。


●加齢による抜け毛

女性の抜け毛の原因のひとつは加齢によるもので、一般的に30代から進行するとされています。毛髪の成長は女性ホルモンの影響を大きく受けます。加齢によって女性ホルモンの分泌量が低下すると、男性ホルモンの影響を受けるようになります(女性でも男性ホルモンは分泌されます)。


男性ホルモンは髪を作る毛母細胞に作用し、髪の成長を鈍くさせます。髪の毛には成長サイクルがあり、若いうちは髪の毛1本1本が十分に成長しきって抜けていくのですが、成長が鈍くなると十分に成長しないうちに抜けてしまいます。通常のサイクルよりも早く抜けてしまうため、薄毛になるのです。


これは女性にも見られる「びまん性脱毛症」といいます。「びまん性」とは「広範囲に広がっている状態」という意味の医学用語です。びまん性脱毛症にもいくつか原因がありますが、この場合は「FAGA(女性男性型脱毛症)」といいます。つむじのあたりから薄くなり、全体のボリュームが低下することが多いのが特徴です。


●出産後のホルモンバランスの乱れによる抜け毛

出産によってホルモンバランスが乱れてしまうのは珍しいことではありません。たとえば、妊娠中には女性ホルモンが活発になるため、通常のヘアサイクルでは抜けているような髪が、抜けずに残っていることがあります。出産後は女性ホルモンが減少し、ヘアサイクルが通常に戻ります。その際、それまで残っていた髪と本来抜ける髪がまとめて抜けるため、通常よりも多く抜けたように感じるのです。これは「分娩後脱毛症」と呼ばれます。


●頭皮環境の悪化による抜け毛

毛穴に皮脂や汚れが詰まっていたり、頭皮が乾燥したりすると、頭皮環境が悪化します。すると毛根には髪の成長に必要な栄養が十分に届かなくなり、髪が抜けやすくなります。そのほか、頭皮環境にダメージを与えるものには、


・パーマやカラーリングの薬剤

・紫外線

・過度のシャンプー

・シャンプー・リンスなどのすすぎ残し


などがあります。


●栄養不足による抜け毛

髪の成長には栄養が必要です。しかし、食事制限を伴うようなダイエットに取り組んでいると、髪に必要な栄養素が不足することがあります。この場合には髪が十分に成長できなくなり、ヘアサイクルが乱れて抜け毛につながります。


●ヘアスタイルによる抜け毛

ポニーテールなど、髪を引っ張るようなヘアスタイルを続けていると「けん引性脱毛症」になる可能性が高くなります。これは引っ張ることで毛が抜けやすくなってしまう疾患です。分け目を付けるようなヘアスタイルでも、いつも同じ分け方をしているとこの脱毛症になりやすくなります。


●ストレスによる抜け毛

よく「ストレスによって抜け毛になる」といわれますが、実は現代の医学ではストレスが抜け毛の直接的な原因となることは証明されていません。しかし、間接的にはストレスの影響によって抜け毛につながると考えられます。それは以下のような理由によるのです。


・ストレスによる自律神経の乱れ

ストレスによって自律神経が乱れることはよく知られています。一般的に「自律神経の乱れ」は、本来副交感神経が優位になるタイミングにも交感神経が活発なままの状態で、毛細血管が収縮して全身の血行が悪くなっています。その結果、頭皮の血流も減少し、髪の毛にも栄養が行き渡らなくなるため、抜け毛が増えるというわけです。


・ストレスによる自己免疫応答(過剰な免疫反応で自分の組織を攻撃してしまう反応)

自律神経の乱れはホルモンバランスの乱れにつながり、免疫機能にも異常を来します。本来、免疫機能は外部からの異物を攻撃するものですが、自己免疫が過剰に反応して自分の組織を攻撃することがあるのです。


最近の研究で、「円形脱毛症」の脱毛部分を精査したところ、萎縮した毛根の周りにリンパ球(免疫を司る成分)が集まっているのが確認されました。つまり、免疫機能が自分の毛根を「異物」と誤認して攻撃したため毛の成長が止まり、抜け毛につながっていると考えられます。

■抜け毛の対策

自分で行える主な抜け毛対策は、以下のようなものです。


●栄養バランスの取れた食事

髪の成長には十分な栄養が必要です。以下のようなものを取るように心掛けましょう。


・大豆

大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は、女性ホルモンの働きを助けます。女性の薄毛の多くは女性ホルモンの減少によって起こるため、大豆イソフラボンの働きはプラスになると考えられます。


・緑黄色野菜

緑黄色野菜に含まれる「ビタミンA、C、E」は頭皮環境を整えます。健康な髪を育てるには、頭皮環境を整えることも必要です。


・カキ

カキは亜鉛を豊富に含む食材として知られていますね。髪の主成分である「ケラチン」を合成するには、この亜鉛が必要なのです。


●生活環境の改善

上記の「栄養バランスの取れた食事」を含め、以下のような「生活環境の改善」を図りましょう。これによって自律神経が整えられると、ホルモンバランスも整ってきます。


・規則正しいリズムで生活する

・十分な睡眠を取る

・適度な運動をする

・たばこ・お酒を控える


●シャンプーは正しい方法で行う

毎日のシャンプーを欠かさないという女性は多いですが、正しい方法で行わなければ頭皮環境を悪化させてしまい、抜け毛につながります。シャンプーは以下のような点に気を付けて行いましょう。


・シャンプーを付ける前にぬるめのお湯で洗う

・シャンプーを付けすぎない

・シャンプー・リンスはしっかりすすぐ(生え際などの洗い残しに注意する)


なお、正しいシャンプーの方法については、以下の記事を参考にしてください。


●ストレスをためない

上記のとおり、ストレスと抜け毛の直接的な関係は証明されていません。しかし、ストレスが自律神経の乱れにつながることは分かっており、間接的にはストレスが抜け毛に影響を与えると考えられます。


完全にストレスから解放されるのは難しいかもしれませんが、できるかぎりストレスをため込まないように心掛けましょう。「十分な睡眠を取る」「適度な運動をする」「趣味に打ち込む」など、自分なりのストレスの発散方法を見つけましょう。


●サプリメントや育毛剤を使う

育毛剤や髪に良いとされる成分のサプリメントなどを使ってみるのもひとつの方法です。ただし、サプリメントは医薬品と違って「確実に効果がある」とは断言できません。育毛剤も「抜け毛が必ず治る」というものはありませんので、そこは理解が必要です。


サプリメントは食事では補うことが難しいビタミン類やアミノ酸などの栄養成分、育毛剤は栄養成分を補ったり、頭皮の血の巡りをよくするものなどがあります。


抜け毛・薄毛で髪が少なくなると老けて見えるため、気になりますよね。なかなか改善されない場合は、薄毛治療を行っている病院で診察・治療を受けるのもひとつの手です。ただし、必ず改善できるとは限りません。薄毛治療の専門医からよく説明を受け、リスクや効果について納得してから治療を受けるのが良いでしょう。


(藤野晶@dcp)