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歯周病(歯槽膿漏)は女性に多いって本当?その理由は?

2018.06.22

歯周病(歯槽膿漏)は女性に多いって本当?その理由は?


以前は「歯槽膿漏(しそうのうろう)」といわれた歯の疾患は、現在では「歯周病」と呼ぶのが一般的です。歯周病は、プラーク(歯垢)を餌に細菌が増殖して歯肉(歯茎)に炎症を起こし、放置すると歯を支える骨まで溶かすようになるという疾患のこと。この歯周病にかかるのは、女性が多いといわれています。その理由は何でしょうか?

記事監修



ファストロ滋子 先生


歯科医。岩手医科大学歯学部卒業。岩手医科大学付属病院歯科麻酔科、慶應義塾大学病院麻酔科、医療法人恵友会を経て、2016年よりオーラルウェルネスクリニック院長。

女医+(じょいぷらす)所属。


▼オーラルウェルネスクリニック

https://oralwellness.jp

▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/273

■歯周病の患者数は女性のほうが多い!

厚生労働省の2014年(平成26年)度の総患者数(傷病別推計)の調査データによると、

  • う蝕 総患者数:184万6,000人

    (男性:78万6,000人/女性:105万9,000人)

  • 歯肉炎および歯周疾患 331万5,000人

    (男性:137万3,000人/女性:194万2,000人)

となっています。「う蝕(しょく)」は聞き慣れない言葉ですが、簡単にいうと「虫歯」のことです。今回のテーマである歯周病は「歯肉炎および歯周疾患」に含まれていますが、う蝕と共に女性に患者数が多いことが分かりますね。

■歯周病はなぜ女性患者のほうが多い?

では、なぜ歯周病に罹患(りかん)するのは男性よりも女性のほうが多いのでしょうか? 『日本歯周病学会』は「歯周病Q&A」の中で「歯周病のかかりやすさに男女差はありますか?」というQに対して、

妊娠されている女性は口腔内に分泌されるホルモンの影響で歯肉の炎症が起こりやすくなっています。また閉経前後には歯肉の上皮が剥がれ落ちてしまうことによる歯肉の炎症(慢性剥離性歯肉炎)が起こりやすくなると言われています。

と回答しています。

⇒引用元:

『特定非営利活動法人 日本歯周病学会』「歯周病Q&A」

http://www.perio.jp/qa/cause/

ここでホルモンの影響としているのは、女性ホルモン「エストロゲン」のことです。エストロゲンは女性の体を健康に保つさまざまな働きをするのですが、歯周病の原因となる細菌の中にはエストロゲンによって増殖が促進するものがあるのです。


「プレボテラ・インターメディア」という細菌はその代表格で、エストロゲンが血中で増加し、毛細血管から歯周ポケットへ染み出すと増殖します。このような仕組みで妊娠時に起こる歯肉炎を「妊娠性歯肉炎」と呼びます。


同様の仕組みで、エストロゲンの分泌が増加する思春期にも女性は歯周病にかかりやすくなります。閉経後の女性が多く発症する「慢性剥離性歯肉炎」にも女性ホルモンが関係しているといわれますが、まだよく分かっていません。



女性ホルモンが歯周病に影響することに驚いた人がいらっしゃるかもしれません。生理のときに歯がうずいたりするのにも、実は女性ホルモンが影響していたりします。女性の皆さんは特に歯のケアを十分に行うように心掛けてください。

⇒データ出典:

『厚生労働省』「5 主な傷病の総患者数」

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/dl/05.pdf

(高橋モータース@dcp)