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大学生アスリート906人を調査! 就寝時間、起床時間…。睡眠障害と関係が深い原因は?

2018.06.28

大学生アスリート906人を調査! 就寝時間、起床時間…。睡眠障害と関係が深い原因は?


眠れない、寝付きが悪いなどの睡眠障害に悩まされている人は少なくありません。アスリートの場合、パフォーマンスに影響しないようできるだけ睡眠障害は避けたいところでしょう。アスリートの睡眠障害のリスクを高める原因にはどのようなものがあるのでしょうか? 筑波大学、『国際統合睡眠医科学研究機構』(以下、略称の『IIIS』と記載)の研究をご紹介します。

記事監修



武田文(たけだ・ふみ)先生


『筑波大学 体育系』教授。

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。保健学博士。日本公衆衛生学会認定専門家(専門領域:健康社会学、健康教育学)。日本公衆衛生学会代議員、日本健康教育学会代議員。

■大学生アスリート906人に聞きました!

筑波大学体育系の武田文教授、門間貴史特任助教、徳山薫平教授および『IIIS』の佐藤誠教授らの研究グループは、大学生アスリート906人のデータから、睡眠障害と生活習慣・競技活動・競技ストレッサー・メンタルヘルスとの関係について分析を行いました。


※「ストレッサー」とはストレスを与える刺激のことです。


その結果、学生アスリートの睡眠障害には、

  • 遅い就寝

  • 早い起床

  • 深夜のアルバイト

  • 消灯後の携帯電話やスマートフォンの使用

  • 週4日以上の朝練習

  • 競技に関する意欲喪失ストレッサー

  • メンタルヘルス不良

がリスク要因となっていることが分かりました。なかでも「遅い就寝」「早い起床」は睡眠障害と強い関係があるのです。

  • 就寝時刻「午前1時以降」は「午後10時台以前」に比べて

    睡眠障害のリスクが5.61倍

  • 起床時刻「午前5時台以前」は「午前8時台以降」に比べて

    睡眠障害のリスクが5.49倍

とのこと。

  • 深夜アルバイトを「する」は「しない」に比べて

    睡眠障害のリスクが1.85倍

  • 消灯後の携帯電話・スマートフォンを「使用する」は「しない」に比べて

    睡眠障害のリスクが1.60倍

  • 週当たりの朝練習頻度「4-7日」は「0日」に比べて

    睡眠障害のリスクが1.96倍

  • 意欲喪失ストレッサー「11点以上」は「0~1点」に比べて※

    睡眠障害のリスクが1.80倍

  • メンタルヘルス「不良」は「良好」に比べて

    睡眠障害のリスクが2.88倍

ですから、「就寝時刻」「起床時間」がいかに睡眠障害に深く関わっているかが分かります。興味深いのは、あまりに頻繁に朝練習を行うとやはり睡眠障害のリスクが高まることです。


大学生の時期には人生の中で一番「夜型化」が進むことが知られています。「早起きが過ぎる」「朝練を頻繁に行う」のは、この生理的な体内リズムに反しています。そのため睡眠障害へのリスクが高まるのかもしれません。


大学生アスリートの皆さんは、就寝時間を早めにし、寝床ではスマホなどは見ず、早起きし過ぎないほうが良いようです。この研究によれば、そのような生活を送ると睡眠障害のリスクは減らせますからね。

⇒データ出典:

『筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構』「アスリートの睡眠コンディショニングのカギは?」

https://wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/uploads/sites/2/2018/03/20180305_pressrelease_jpn.pdf


⇒論文:

「Sleep disorder risk factors among student athletes」

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1389945717315733


※意欲喪失ストレッサーは「競技ストレッサー尺度」(浅沼徹ら)によって測定されました。詳細は上記論文内を参照のこと。

(高橋モータース@dcp)