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「女性」に多いのはホルモンのせい?女性ホルモンと片頭痛の関係

2018.06.29

「女性」に多いのはホルモンのせい?女性ホルモンと片頭痛の関係


女性は男性に比べて頭痛に悩まされる人が多いことが分かっています。特に「片頭痛」は女性に多く、30代女性の4人に1人は片頭痛持ちだといわれているのです。近年、この原因が女性ホルモンにあるのではないかという研究が発表されました。今回は「女性ホルモンと片頭痛の関係」についてです。

記事監修



加藤智子先生


産婦人科医。浜松医科大学医学部医学科卒業、社会医療法人財団新和会八千代病院、三河安城クリニック勤務。日本産科婦人科学会(専門医)、日本医師会(認定産業医)、日本抗加齢医学会(専門医)、NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会(更年期カウンセラー)、日本産婦人科内視鏡学会、日本女性心身医学会、検診マンモグラフィ読影認定医、日本気象予報士会東海支部(気象予報士)、食生活アドバイザー。女医+(じょいぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/111

■「NHE1」というタンパク質が片頭痛に関わる?

アリゾナ大学 生命情報学部(Bioinformatics)の研究者(Undergraduate Research Assistant)エミリー・ギャロウェイ(Emily Galloway)さんは、「なぜ女性のほうが片頭痛が多いのか」という疑問に対して「『NHE1』というタンパク質が関与しているのではないか」という研究成果を『Experimental Biology 2018』で発表しました。


「NHE1」というタンパク質は細胞膜に多く存在して、細胞内外のナトリウムイオンと水素イオンの量の調節に関与しています。NHE1が少なくなる、また適切に機能しないと、片頭痛を引き起こす「痛みのシグナル」の伝達を増幅する可能性があると考えられています。

■エストロゲンの分泌が増えると片頭痛につながる?

ギャロウェイさんは、雌雄のラットを用いて、NHE1の発現が雄に比べて雌のほうが4倍も高いことを発見しました。また、雌のラットの脳内を調べたところ、エストロゲンの分泌が最大になると脳内の血管を形成する細胞でのNHE1の発現が最低レベルになることが分かりました。この研究では、

性ホルモンの大きな変動がNHE1の発現に変化をもたらし、脳のイオン調節機能不全や痛みの活性化につながる可能性があり、これが女性が片頭痛になりやすい原因ではないか

と推測しています。つまり、女性に片頭痛が多いのは女性ホルモン「エストロゲン」の影響と考えられるというわけです。NHE1の機能不全を改善する薬が開発されたら、女性の片頭痛の軽減に効果を発揮するかもしれません。ただし、男性にも片頭痛が発生しますので、その発生の仕組みをどう考えるのかなどについてはさらなる研究が待たれます。



片頭痛になぜ「男女差」があるのかについてはさまざまな研究が行われていますが、「NHE1」に注目した研究はこれが初めてとのこと。片頭痛治療のための新たな一歩なのかもしれませんね。

⇒参考文献・引用元:

「Researchers discover potential source of gender differences in migraines」

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/eb2-rdp041318.php

(高橋モータース@dcp)