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女性ホルモン分泌の低下にともなう「膣炎」に注意!

2018.07.01

女性ホルモン分泌の低下にともなう「膣炎」に注意!


更年期(45-55歳)や閉経後になると「膣炎(萎縮性膣炎)」が多くなるといわれます。膣に炎症が起きている状態のことで、主な症状は痒(かゆ)みや痛み、悪臭などです。さて、この膣炎の原因はいったい何なのでしょうか?更年期にかかりやすいのはなぜ?今回は「膣炎」について解説します。

記事監修



加藤智子先生


産婦人科医。浜松医科大学医学部医学科卒業、社会医療法人財団新和会八千代病院、三河安城クリニック勤務。日本産科婦人科学会(専門医)、日本医師会(認定産業医)、日本抗加齢医学会(専門医)、NPO法人女性と加齢のヘルスケア学会(更年期カウンセラー)、日本産婦人科内視鏡学会、日本女性心身医学会、検診マンモグラフィ読影認定医、日本気象予報士会東海支部(気象予報士)、食生活アドバイザー。女医+(じょいぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/111

■更年期や閉経以降に「膣炎」にかかる人が増える理由

日本人女性の閉経年齢がほぼ50歳。閉経を挟んで前後10年が更年期ですので、更年期は「45-55歳」になります。更年期に膣炎が多くなる理由は、加齢によって卵巣の機能が低下し、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が減少するためです。


エストロゲンが減少すると膣に潤いがなくなり、自浄作用が低下します。それにより膣また外陰部が乾燥・萎縮、そこに細菌が感染して炎症を起こすことがあります。これが「萎縮性膣炎」です。


「老人性膣炎」とも呼ばれることがありますが、50歳前後で老人という呼び方は時代に即していません。そのため最近では萎縮性膣炎という名称が使われます。


萎縮性膣炎は確かに更年期に発症する人が多いのですが、若ければかからないかというと、そんなことはありません。


更年期でなくても、たとえば卵巣嚢腫(のうしゅ)などの病気で卵巣を切除したような場合には女性ホルモンの分泌が減少し、更年期のような症状が現れ、萎縮性膣炎にかかることがあるのです。

■「萎縮性膣炎」の症状と治療

萎縮性膣炎では主に以下のような症状が現れます。

  • 外陰部の痛み・痒み

  • 性交時の痛み

  • 膿(うみ)を含む淡黄色のおりもの(粘りけもある)

  • 悪臭

さらに重い場合には、

  • 血液が混じったおりもの

  • 膣粘膜のただれ

  • 膣粘膜からの点状出血

といった症状が現れることがあります。


治療にあってはまず「がん」ではないことを確認しなければなりません。50歳前後になると子宮体がんを発症する女性が増えます。がんとの鑑別診断は非常に重要なのです。


萎縮性膣炎と確定診断された場合には、女性ホルモン補充療法とともに抗菌薬の処方が行われます。女性ホルモンの補充によってエストロゲンの分泌減少を補い、抗菌薬によって炎症を抑えるのです。



エストロゲンの分泌が減り始めると女性の心身は大きな影響を受けます。萎縮性膣炎もその結果起こる疾患のひとつなのです。エストロゲンが減って膣の自浄機能が低下し外陰部が乾燥することは、実は性交時に痛みを感じることにもつながります。


性交時に外陰部が痛むのは、粘液が分泌されにくくなっているせいかもしれません。その場合には、細菌感染による炎症を起こさないために、外陰部に傷ができないよう注意してください。


(高橋モータース@dcp)