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「痔」には3タイプある。女性に多いのは?

2018.06.29

「痔」には3タイプある。女性に多いのは?


排便時に痛みがある・出血してしまう、といったことがあると「痔かな?」と思うのではないでしょうか。痔は、テレビCMの影響からか、なんとなく「男性のほうがなりやすい」イメージがあるかもしれません。しかし、なかには「女性のほうがなりやすい痔」もあるのです。今回は、女性に多い「痔」をご紹介します。

記事監修


古川真依子 先生


消化器内科医。2003年東京女子医科大学卒業後、東京女子医科大学病院附属青山病院消化器内科医療錬士として関連病院等に出向。2008年に帰局後助教として勤務。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。女医+(じょいぷらす)所属。


▼東京ミッドタウンクリニック

http://www.tokyomidtown-mc.jp/

■「痔」の3タイプ

「痔」とは一般に「痛みや出血を伴う肛門の病気」のことですが、大きく分けて以下の3タイプがあります。


●痔核(じかく)

一般に「いぼ痔」といわれるタイプ。静脈にうっ血が起こって腫れ上がり、まるでいぼのようになることからこう呼ばれます。肛門の内側にできる「内痔核」と、肛門の外側にできる「外痔核」があります。


●痔瘻(じろう)

一般に「穴痔」といわれるタイプ。肛門周囲に穴が開き、肛門内とつながってしまいます。細菌が感染し膿瘍(のうよう)ができる「肛門周囲膿瘍」が進行すると痔瘻になります。


●裂肛(れっこう)

一般に「切れ痔」といわれるタイプ。肛門出口の近辺に傷(裂創)や潰瘍ができます。硬い便によって肛門が切れるのは「急性裂肛」、同じ場所に何度も急性裂肛や感染が起き、硬く盛り上がってしまうのは「慢性裂肛」です。


ちなみに肛門疾患に占める、それぞれの痔の割合は、

  • 痔核:51-68%

  • 痔瘻:5-18%

  • 裂肛:9-25%

となっており、一番多いのは「痔核」です(データ出典は記事末のURL)。この3つで痔疾患の76-94%を占めるのです。

■女性に多い痔は「裂肛」

男性・女性でかかる痔のタイプに差はあるのでしょうか? 『日本大腸肛門病学会』によると、それぞれの痔で以下のようになっています。


●痔核

・男女の有病率に差はない

・年齢的には45〜65歳の有病率が高い


ただし、痔核患者の約60%は男性であるという報告や、男性よりも女性のほうが痔核になりやすく、症状が長期間にわたることが多いという報告もある。


●痔瘻

・痔瘻の男女比は「2.2-5.7:1」で男性に多い

・痔瘻の有病率は30歳代30%、40歳代21%

(若い世代に多い)


痔瘻の前段階である肛門周囲膿瘍の男女比は「2.8-5.5:1」と男性が多い。欧米の調査では男女比は「2.2-5.7:1」と男性に多く、30〜40歳代に発症することが多い。


●裂肛

・男女比は「2:3」で女性に多い

・20歳代が25%、30歳代が25%、40歳代が18.3%、50歳代が10.6%

(男女共に若年成人に多い)


女性に裂肛が多い理由は、ダイエットも関係しているのではないかといわれます。ダイエットで食事制限をすると便の量が減ります。便の量が少ないと腸管が刺激されず排便が促されません。腸内に長くとどまった便は硬くなり、排便時に無理に肛門を通すことになります。この無理で肛門が切れるなどし、傷を作ってしまうというわけです。つまり便秘は裂肛の原因になるのです。

■「専業主婦」「30代・40代」に多いという調査もある!

製薬会社『マルホ』が2010年に「この3年以内に痔の症状があった女性」300人(15-79歳)に「痔に関するアンケ−ト」を行っています。このアンケートによると、

  • 職業では「専業主婦」が多い(48.7%)

  • 年代では30代・40代が多い

    (30代:26.7%/40代:18.7%)

という結果が出ています。また、最近なった痔の症状では多い順に以下のようなものが挙げられています。

  • 出血:63%

  • 痛み:59.3%

  • いぼ状のもの:41.7%

  • 腫れ:36.3%

  • かゆみ:24.0%

  • その他:1.7%

N=300 複数回答可


⇒データ引用元:『マルホ株式会社』「痔に関するアンケート-調査結果-」

https://www.maruho.co.jp/g-life/research/

痔のタイプでいえば裂肛になるのは女性が多く、しかも若い世代に多いという知見があるのですが、このように30代・40代の専業主婦に多いというデータもあるのです。



痔になると、恥ずかしさもあってなかなか医師にかかれない方もいらっしゃるでしょう。しかし、放置して進行させると重篤な事態になってしまうかもしれません。上記のような出血・痛みといった痔の症状があったら、できるだけ早く肛門科などの医療機関を受診するようにしましょう。

⇒参考文献・引用元:

『一般社団法人 日本大腸肛門病学会』「肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン 2014年版」

https://www.coloproctology.gr.jp/files/uploads/%E8%82%9B%E9%96%80%E7%96%BE%E6%82%A3%E8%A8%BA%E7%99%82%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B32014-2%E5%88%B7.pdf

(高橋モータース@dcp)