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片頭痛と「光」の関係。症状はサングラスで緩和できる!?

2018.07.03

片頭痛と「光」の関係。症状はサングラスで緩和できる!?


片頭痛は女性の患者のほうが多いことが分かっています。30代日本人女性の20%が片頭痛持ちというデータがあるほどですから、皆さんの中にもお悩みの方がいらっしゃるかもしれませんね。さて、ハーバード大学の研究者が、このたび「光と片頭痛の関係」について興味深い研究を発表しました。片頭痛患者には「緑色の光」が良いというのです。

記事監修



蔵地万里奈先生


神経内科医。愛媛大学医学部卒業。藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院神経内科 助教。

女医+(じょいぷらす)所属。

■片頭痛の人は「光」の刺激を避ける

片頭痛は、片側のこめかみから目の辺りにかけて、脈動するようにずきずきと痛みがあるのが特徴です。頭の両側が痛むこともあり、発作的に起こります。


片頭痛の症状のひとつとして「普段よりもまぶしく感じる」といった光に対する過敏反応が現れ、不快感を覚えるというものがあります。この光に対する過敏性、不快感を一般に「羞明(しゅうめい)」といいますが、片頭痛を発症する人の多くに羞明があるとされます。


片頭痛の症状が現れた人が暗い部屋で静かに横になっていることが多いのは、光の刺激を避けるためでもあります。また、片頭痛を誘発するもののひとつに「まぶしい光」があることもよく知られています。

■片頭痛に有効な「緑色の光」

ハーバード大学医学部のジョン・ヘドレー・ホワイト(John Hedley-Whyte)博士とBIDMC(Beth Israel Deaconess Medical Centerの略)のラミ・バースタイン(Rami Burstein)博士らの研究チームは、正常な視覚を持つ「片頭痛発作の経験者」に、

  • 白色

  • 青色:波長は447±10nm

  • 緑色:波長は530±10nm

  • 琥珀色(amber):波長は590±10nm

  • 赤色:波長は627±10nm

    (nmは「ナノメートル」です)

の光刺激を与える実験を行い、緑色の光がほかの色と比較して片頭痛の症状を優位に軽減すると発表しました(記事末の論文URLを参照)。


ラミ・バーンスタイン博士は「片頭痛発作の80%以上が光刺激を感じることでより悪化します。そのため片頭痛患者の多くが暗闇に安らぎを求め、仕事、家族、日常生活から遠ざかることになります」と述べ、さらに「今回得られた知見は、片頭痛患者にとっては希望であり、また研究者や臨床医にとっての有望な道です」と付け加えています。


この研究成果は片頭痛患者だけではなく、羞明の症状があるほかの疾患にも応用できるかもしれません。また、研究成果によって緑色以外の光を遮断するサングラスの開発などが行われれば、片頭痛患者の苦痛を軽減するものになるでしょう。


(高橋モータース@dcp)

⇒データ引用元・論文:

『BRAIN A JOURNAL OF NEUROLOGY』「Migraine photophobia originating in cone-driven retinal pathways」

https://academic.oup.com/brain/article/139/7/1971/2464334


⇒データ引用元・参考記事:

『MailOnline』「The key to easing migraines, wear SUNGLASSES: Lenses that only allow narrow band of green light through 'could relieve pain'」

http://www.dailymail.co.uk/health/article-3593862/The-key-easing-migraines-wear-SUNGLASSES-Lenses-allow-narrow-band-green-light-relieve-pain.html