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胸鎖乳突筋、三角筋ってどこのこと?人体の部位の名称【筋肉編】

2018.07.10

胸鎖乳突筋、三角筋ってどこのこと?人体の部位の名称【筋肉編】


筋トレ方法を調べていると、当然「筋肉の名前」を目にします。しかし、大胸筋や上腕二頭筋といった「○○筋を鍛えましょう」と書かれていても、どこの筋肉なのかあまりピンとこない……なんてこともあるかもしれませんね。そこで今回は「主な筋肉の名称」についてご紹介します。

記事監修



眞鍋憲正 先生


スポーツ医学・整形外科・救急科。信州大学医学部卒業、市中病院で臨床をしながら信州大学大学院スポーツ医科学講座にて研究を行う。医師+(いしぷらす)所属。

■人体の筋肉の名称(骨格筋)

人体にはさまざまな筋肉があり、大きく「横紋筋」と「平滑筋」に分けられます。そのうち私たちにとって一般的な筋肉、すなわち「骨格筋」は横紋筋に分類されます。「骨格筋」は自分の意思で動かせる筋肉、つまり意図して体を動かすための筋肉で、骨に付いています。種類も多く、骨格筋だけでも400種類もあります。主な骨格筋は以下のようなものです。



●前頭筋

前頭部、額の辺りの筋肉です。頭部の筋肉のうち、表層にある筋肉は「浅頭(せんとう)筋」と呼ばれ、筋肉の一方が皮膚で終わっています。前頭筋はこのような浅頭筋のひとつである「頭蓋表筋」に含まれます。


●後頭筋

後頭部、ほぼ耳の高さの位置に左右一対ある筋肉です。前頭筋と同じ頭蓋表筋のひとつです。


●表情筋

「表情筋」は顔の表情をつくる筋肉の総称です。主な表情筋は以下のようなものです。


・眼輪(がんりん)筋

目の周りを囲んでいる筋肉です。まぶたの開閉を行います。


・上唇挙(じょうしんきょ)筋

目の下に走る筋肉で、上唇を引き上げる筋肉です。


・口輪(こうりん)筋

口の周りを囲んでいる筋肉です。主に唇を動かします。


・大頬骨(だいきょうこつ)筋

頬の外側を斜めに走る筋肉です。主に口角を引き上げる筋肉です。


・小頬骨(しょうきょうこつ)筋

鼻の両側から鼻筋にかけて走る筋肉です。主に上唇を引き上げる動きを行います。


・笑筋

頬から口角に走る筋肉です。主に口角を外に引く動きを行います。


●胸鎖乳突筋

胸骨頭・鎖骨頭から乳様突起(側頭骨の後下方部にある突起)に付いている筋肉です。首を曲げたり回転させる動きを行います。


●斜角筋

胸鎖乳突筋の後ろにあり、首の側面に走る筋肉です。第一・第二肋骨を引き上げる働きがあり、胸式呼吸を行うのを助けます。


●僧帽筋

背面の表層部にある筋肉で、「上部僧帽筋」「中部僧帽筋」「下部僧帽筋」に分けられます。


・上部僧帽筋

首から肩にかけて広がっている筋肉ですが、首の動きにはあまり関係しておらず、鎖骨や肩甲骨を引き上げるのが主な働きです。肩凝りの主な原因になる筋肉です。「僧帽筋上部線維」ともいいます。


・中部僧帽筋

僧帽筋のうち、第7頸椎から第3胸椎の棘(きょく)突起、棘上靭帯(じんたい)から、肩甲骨の肩甲棘に走る部分です。肩甲骨を動かしたり、胸を張る姿勢を維持したりする働きがあります。「僧帽筋中部線維」ともいいます。


・下部僧帽筋

僧帽筋のうち、第4-12胸椎棘突起、棘上靭帯から肩甲棘三角に走る部分です。肩甲骨を動かします。「僧帽筋下部線維」ともいいます。


●三角筋

肩を覆う筋肉です。肩関節を動かす働きをしますが、特に肩から肘にかけての「上腕」を真横に持ち上げる動作において最も重要な役割を果たします。


●上腕二頭筋

いわゆる「力こぶ」を形成する筋肉です。肘の曲げ伸ばし、物を持つ動作を行います。


●上腕三頭筋

上腕二頭筋の裏側にあり、上腕の筋肉の中で最大の体積を持つ筋肉です。物を押す動作をするときに大きな役割を果たします。


●腕橈(わんとう)骨筋

肘から先の「前腕」前面の親指側にある筋肉です。主に肘関節を曲げる働きがあります。


●大胸筋

胸板を形成する大きな筋肉です。日常生活においては胸の前で物を抱えたり、うつぶせの状態から体を起こすといった動作のときに使います。


●腹直筋

腹部前面にあり、いわゆる「腹筋」と呼ばれている筋肉です。体幹部の屈曲(前屈)、側屈、回旋動作などを行います。


●腹斜筋

体の側面にある筋肉で、表層部の「外腹斜筋」と深層部の「内腹斜筋」で構成されています。体幹部の回旋動作、屈曲、側屈を行う筋肉です。


●広背筋

背中の筋肉で、人体で最も面積が広い筋肉です。広背筋の上部は僧帽筋に覆われています。目の前のものを引き寄せるような動作を行います。


●大臀(だいでん)筋

臀部を形成する筋肉のうち、最も表層部にある筋肉です。歩行、走行などの動作を行う筋肉のひとつです。


●大腿(だいたい)四頭筋

大腿部の前面にある「大腿直筋」「外側広筋」「内側広筋」「中間広筋」の四つの筋肉で構成された筋肉群です。歩く、走るなど、多くの動作を行います。


●縫工(ほうこう)筋

骨盤の「上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)」から脛骨の内側面上端まで走る長い筋肉で、大腿四頭筋の上を横断しています。椅子に座って足を組んだり、あぐらをかいたりするときに働きます。


●ハムストリング

大腿部の後面にある筋肉群で「大腿二頭筋」「半腱様筋」「半膜様筋」の三つの筋肉で構成されています。大腿四頭筋とは「拮抗(きっこう)筋(互いに正反対に働く筋肉)」の関係にあり、膝関節の屈曲動作を行う筋肉です。


●下腿(かたい)三頭筋

膝から下の「下腿部」の後ろ側にある「腓腹筋内側頭」「腓腹筋外側頭」「ヒラメ筋」の三つで構成された筋肉群で、一般に「ふくらはぎ」と呼ばれる部分です。歩く、走る、ジャンプ、爪先立ちなどの動作で働く筋肉です。


●前脛骨筋

下腿部前面にある筋肉です。爪先を上げる動作、歩行時に足を前に踏み出す動作を行います。この筋肉が弱くなると歩行時に地面につまずきやすくなります。

■骨格筋以外の筋肉

筋肉には、内臓や血管などの壁をつくる「平滑筋」と、骨格筋と同じ「横紋筋」でも心臓をつくっている「心筋」は違う特徴があります。それぞれは以下の通りです。


●平滑筋の特徴

心臓以外の内臓、血管、腸器官、尿管などの管状の臓器、胃や膀胱(ぼうこう)のような袋状の臓器、子宮の壁などをつくる筋肉です。食べ物(消化物)を先の器官に送り出す「ぜん動運動」は、平滑筋の動きによるものです。平滑筋の特徴は自律神経やホルモンの支配で動くため、自分の意思では動かせないという点です。


●心筋の特徴

心臓をつくる筋肉です。心筋の特徴は以下のようなものです。


・自律神経の調節を受けるが、通常の筋肉とは違って自動能力があり、神経からの信号がなくても一定リズムで動ける

・ミトコンドリアを多く含むため休むことなく動き続けられる



人間の体にはたくさんの筋肉があり、体を動かすために働いています。筋肉は使っていなければ衰えてしまい、日常生活に支障を来すこともあります。そのため、スポーツをしない人でも、日常的に体を動かす習慣を身に付けていたほうがいいでしょう。


(藤野晶@dcp)