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国の財政を圧迫している?日本人の医療費の現状

2018.07.11

国の財政を圧迫している?日本人の医療費の現状


日本政府の財政は、皆さんもご存じのとおり国債を発行して賄わなければいけない赤字です。なかでも国民の医療費を補助するための公費負担は大きなものになっています。最近では「処方薬の美容目的での使用が横行し、医療費増大につながっている」というニュースも話題になりました。さて、今回はこの医療費の公費負担分についてご紹介します。

記事監修


吹田朝子(すいた・ともこ) 先生


『一般社団法人 円流塾』代表理事。CFPR(R)認定者(ファイナンシャルプランナー)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、健康ファイナンシャルプランナー(R)。

一橋大学卒業後、生保会社の企画調査・主計部門を経て1994年より独立。著書多数。


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■公的な保険料負担だけでは賄えない!

国民皆保険制度の日本では誰もが公的な医療保険に加入しなければなりません。皆さんも会社の給与から「健康保険料(掛け金)」が天引きされているでしょう。


公的な医療保険があるおかげで、私たちは必要な医療を受けた際に自己負担の金額を「1-3割」に抑えることができます(保険外診療を除く)。しかし、実際にかかった医療費の7-9割分(私たちの支払う自己負担分を引いた残りの部分)は、保険料(掛け金)を徴収している保険者(健康保険組合・全国健康保険協会・共済組合、市区町村など)から支払われます※。


私たちが支払っている保険料(掛け金)をプールし、そのお金を使って医療費を賄う仕組みになっているわけです。


※正確には、保険者から「審査支払機関」を通じて医療機関に支払われます。

しかし、保険料(掛け金)で賄えない状況が発生すると、公費(日本政府・地方自治体)からその分を補填(ほてん)しなければなりません。これが現在莫大(ばくだい)な金額になっているのです。

■国民医療費の約4割が公費から賄われています!

2015年(平成27年)度には国民医療費はついに42兆3,644億円に達しました。前年度と比較して「1兆5,573億円(3.8%)」も増加しています。


この国民医療費がどのように賄われているのか、その構造を財源別に見てみると以下のようになります。

●国民医療費総額:42兆3,644億円

・公費 国庫:10兆8,699億円(25.7%)

・公費 地方自治体:5兆6,016億円(13.2%)

・保険料 事業主負担:8兆7,299億円(20.6%)

・保険料 被保険者負担:11兆9,447億円(28.2%)

・その他 5兆2,183億円(患者負担:4兆9,161億円(11.6%))

保険料で賄われているのは国民医療費全体の「48.8%」で、だいたい半分。国と地方自治体合わせて公費から計「16兆4,715億円」(38.9%)が補填されているのです。

⇒データ出典:

・『厚生労働省』「(参考1)平成27年度 国民医療費の構造」

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/15/dl/sankou.pdf


・『厚生労働省』「平成27年度 国民医療費の概況」「結果の概要」

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/15/dl/kekka.pdf


政府(上記、国庫)の国民医療費支出だけでも10.9兆円ですから、ざっくり政府予算(平成27年度で96.3兆円)に占める割合は11.3%にもなります。国民医療費の増大は日本政府にとって大きな負担となっているのです。

⇒データ出典:

『財務省』「平成27年度予算フレーム」

http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2015/seifuan27/02.pdf

(高橋モータース@dcp)