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ヒアルロン酸とは?実際にどんな作用があるの?

2018.07.09

ヒアルロン酸とは?実際にどんな作用があるの?


美容好きな方も、そうではない方も聞いたことのある有名な化粧品成分「ヒアルロン酸」。

しかし、「保湿してお肌をプルプルにしてくれるやつだよね!」と、あいまいにしか理解していない方も多いのではないでしょうか。


このコラムでは、

・私たちの体にもあるヒアルロン酸の働き

・ヒアルロン酸Naとは

・ヒアルロン酸Naは皮膚に入っていかないって本当?

・ヒアルロン酸Naと加水分解ヒアルロン酸って何が違うの?

というところをしっかりご説明していきます。

*ヒアルロン酸って何?私たちの身体でどんな働きをしているの?

「ヒアルロン酸」と聞くと「保湿・潤い」のイメージに結びつく方も多いのではないでしょうか?


イメージの通り、「ヒアルロン酸」は水分をたくさん抱えておくことのできる能力を持っています。水分を抱えておくと、長い時間潤いを保つことができるのです。


私たちの皮膚に存在する「ヒアルロン酸」は、皮膚の少し内側(真皮)にあります。肌のハリや潤いに関係するコラーゲンやエラスチンの間で、外からの力を跳ね返すクッションのような役割をする場所(基質)に存在するものです。


年齢とともにハリや潤いが減っていく原因は、「コラーゲンの減少」とよく言いますが、クッションや潤いを保つ役割をしている「ヒアルロン酸の減少」も関係していると考えられます。


では、化粧品に配合されている「ヒアルロン酸」も肌に存在するものと同じなのでしょうか。減少していくのなら、化粧品で表面から加えて、ハリのある肌を目指したいですよね。


しかし実は同じではありません。私たちの身体にあるものと、化粧品として配合されるものは同じような機能を持っていますが、別のものです。

*化粧品に配合されている「ヒアルロン酸Na(ヒアルロン酸ナトリウム)」って何?

化粧品などのパッケージでよく「ヒアルロン酸配合」と書いてあるものを見かけます。


「ヒアルロン酸」は、化粧品では「ヒアルロン酸ナトリウム」(ヒアルロン酸Na)として配合されます。


「ヒアルロン酸ナトリウム」には、

1、ニワトリのトサカなどから得られる天然のヒアルロン酸ナトリウム

2、微生物を用いる発酵法からできるバイオヒアルロン酸ナトリウム

などがあります。


1の天然のヒアルロン酸ナトリウムは精製方法、工程が複雑だったこともあり高価なものとして配合が制限されてきたということがありました。しかし、2のバイオヒアルロン酸ナトリウムが作られるようになり、今のように様々な化粧品への配合が可能になったのです。


「ヒアルロン酸Na」は私たちの皮膚に存在する「ヒアルロン酸」と同様に、水分をたくさん抱え込み、肌の表面に潤いを与えてくれる働きをします。ですから、化粧品には「保湿剤」として配合されることがほとんどですが、「増粘剤」として使われている場合もあります。「増粘剤」とは化粧品の触り心地や、使い心地をよくするためのもので、「ヒアルロン酸Na」の持つとろみの質感を活用したものです。


しかし、ヒアルロン酸Naはこれだけの保湿力を持っていながら、なかなか肌の奥に入っていくことはできません。

*「皮膚に入っていかない」のはなぜ?ヒアルロン酸Naの役割は?

塗るだけで美しい肌に戻してくれそうなイメージのある「ヒアルロン酸Na」ですが、これは大きな間違いです。「私たちの身体の中にあるヒアルロン酸」と「化粧品成分のヒアルロン酸」では役割が違うのです。


今回は、化粧品成分のヒアルロン酸について知ってみましょう。


肌の中まで浸透できない理由は「ヒアルロン酸Na」の「大きさ=分子量」が関係しています。

「ヒアルロン酸Na」は「高分子=分子の大きさが大きい」とされ、分子量は約50万〜700万と言われています。肌の奥に浸透できるものの大きさは、分子量500以下と言われていますから、単位の桁が違いすぎるのはおわかりいただけるでしょうか。「〇〇万」もあっては奥まで入っていけないのです。


ちなみに「水」の分子量は18です。「あれ?2桁?〇〇万ってつくのが普通じゃないの?」そう思われた方は、「ヒアルロン酸Na」がいかに大きいかを理解できたはずです。


どんなに能力が高くても、小さい隙間に大きな体では入れませんよね。


その代わり、「ヒアルロン酸Na」は皮膚の表面で水分をたくさん抱え込み、皮膚「表面」に潤いとハリを与えてくれます。大きい体を活かして、しっとりとした潤いの膜を作ってくれるのです。


この「ヒアルロン酸Na」の効果をできるだけ肌の奥に浸透させるために作られたものが「加水分解ヒアルロン酸」と呼ばれるものです。

*加水分解ヒアルロン酸って何?

先ほどのところで「ヒアルロン酸Na」は分子量(大きさ)約50〜700万なので皮膚の奥に入ることができないということでしたが、それを数100分の1の大きさに小さくし、分子量1万以下にしたものが「加水分解ヒアルロン酸」です。


「ヒアルロン酸Na」が「高分子」だったのに対し、分子量が小さくなるので「低分子ヒアルロン酸」「浸透型ヒアルロン酸」とも言います。


「加水分解ヒアルロン酸」は低分子になっても「ヒアルロン酸Na」と同様にたくさん水分を抱え込みます。小さくなった分だけ角層の奥まで浸透することが期待できるとされています。

*終わりに

「ヒアルロン酸」が化粧品に配合されていると、どのように私たちの肌に潤いを与えてくれているのかがご理解いただけたでしょうか。


ここまで見てきたように、体の大きい「ヒアルロン酸」はなかなか肌の奥には入ることが難しいということがわかります。しかし、このような成分に対する研究は日々進化しており、角質柔軟効果と肌へのなじみの良い「スーパーヒアルロン酸(アセチルヒアルロン酸Na)」というものも登場しています。


まだまだヒアルロン酸の進化は続きそうですが、乾燥が気になっている方や保湿を重視されている方は、たくさん水分を抱えることのできる「ヒアルロン酸」配合の化粧品を使ってみてはいかがでしょうか。



(執筆・監修 安藤道子/日本爪肌美容検定協会講師)

参考文献

「化粧品成分ガイド 第6版」 フレグランスジャーナル社

「化粧品成分用語辞典 2012」 中央書院