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発症ピークは40代後半から50代前半!定期的に「乳がん検診」を受けよう

2018.07.20

発症ピークは40代後半から50代前半!定期的に「乳がん検診」を受けよう


女性が特に気を付けなければいけない「がん」の中に「乳がん」があります。日本人女性の部位別がんの死亡率で第5位に「乳房」が入っており※(2016年)、早期発見・早期治療が求められます。皆さんは、定期的に検診を受けておられますでしょうか? 今回は「乳がん検診」についてご紹介します。

記事監修


増尾有紀


乳腺外科医、検診マンモグラフィ読影認定医

厚生労働省健康局長 医師緩和ケア研修会修了


日本大学医学部卒業。    

その後大学病院での研修を終えて都内病院勤務。

日本乳癌学会、日本外科学会、臨床外科学会、日本乳癌検診学会、女医+(じょいぷらす)所属

■「乳がん」は女性にとって大きなリスク

乳がんは男性もなりますが、その罹患率(りかんりつ:病気にかかる割合です)は、女性のわずか1%。乳がんは圧倒的に女性のかかる病気です。『国立がん研究センター』の最新データによれば、2013年にがんに罹患した女性の部位別で最も多いのは「乳がん」になっています。


●2013年のがんの罹患数(推計値)部位別:女性

第1位 乳房

第2位 大腸

第3位 胃

第4位 肺

第5位 子宮

※大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸が第3位、直腸は第7位。

(データの出典は※と同じ記事末のURLを参照)


発症のピークは「40代後半から50代にかけて」ですが、若い皆さんも油断してはいけません。乳がんに罹患する女性は、20代から見られるようになり、30代から急に増加するのです。

■「乳がん検診」ってどんなもの?

「乳がん」を早期発見するにはまず「しこり」や脇にあるリンパ節の腫れに気付くことが大事です。「しこり」に気付くことで乳がんを発見することが多い(約8割)といわれています。ほかに発見に至る症状としては、乳房の一部が陥没すること、乳頭のびらん、また乳頭から分泌物があることなどが知られています。


このような症状に自分で気付くこともありますが、やはり「乳がん検診」を受けて専門医に診断してもらうことが重要です。乳がん検診は以下のような内容になります。


1.問診

医師の質問に答え、乳がんの症状となるようなものが現れていないかを確認します。


2.視触診検査

実際に乳房を見て陥没、変形などがないかを確認します。また触診によって、しこり・リンパ節の腫れ・分泌物がないかを確認します。


3.画像検査

・エコー検査

超音波を発するプローブという機器を乳房に当てて、超音波の反射を画像化します。乳房内部の組織を画像で確認できる検査です。


・マンモグラフィー

簡単にいえば乳房専用のレントゲンです。乳房を板で挟み、押して薄くし、X線を照射。画像を撮影します。石灰化には良性のもの、乳がんの可能性のある石灰化があります。石灰化現象があれば画像に白い部分が見られます。


マンモグラフィーではX線を照射するので放射線の被ばくがあります。しかし乳房のみへの照射ですので骨髄などへの影響はほとんどなく、また1回「0.05ミリシーベルト」ほどですので、1年間に受ける自然放射線量「2.4ミリシーベルト」と比較してもわずかな量です。そのためマンモグラフィーによる健康への影響はほとんどないと考えられます。


現在、40歳以上の女性を対象に2年に一度、国の費用補助がある乳がん検診が行われています。40歳以上の皆さんはまずこの検診を必ず受けるようにしてください。


20代・30代の皆さんは「乳がん検診を受けるメリットよりもデメリットのほうが大きい」とされます。30代以下の皆さんが乳がん検診を受けるデメリットとしては以下のような点が挙げられます。

  • 若いうちは乳腺濃度が濃くマンモグラフィーの有効性が低い

    (乳がんを発見できる可能性が低い)

  • 偽陽性の場合にその後の検査の負担が大きい

    (偽陽性とは「がんの疑いがある」という状態のことで、この場合、組織を採取する「生検」などが行われ体への負担になる)

30代以下では乳がんに罹患することが少ないので、上記のようなデメリットが検診のメリットを上回るというわけです。


そのため、検診よりも自分で「しこり」や「リンパ節の腫れ」にすぐ気付けるように「自分で乳房を触ってチェックするのを習慣にする」ことが勧められます。とはいえ、乳がんにかかって発見が遅くなると死に至る可能性もありますので、「乳がん検診」も合わせて受診するといいですね。


最近の検診では、マンモグラフィーのほかに「乳房CT」「乳房MRI」という検査も登場しています。それぞれ「CTスキャン」、「MRI」を乳房に行うものです。特に「乳房MRI」は検査としての有用性で注目されています。また、マンモグラフィーのように乳房を板で挟んで伸ばすという作業がないぶん痛くありませんし、3D画像で内部の組織もよく分かります。


しかし、造影剤を使用するのでアレルギー反応を起こす可能性がある、費用が高額になる、といった問題もあります。そのため、残念ながらまだメジャーな検査にはなっていないようです。


乳がんは女性の11人に1人が罹患するといわれるがんです。40歳以上になると乳がんにかかる人が急増します。アラフォーの皆さんは「40歳以上になったら定期的に乳がん検診を受ける」ことを忘れないようにしてください。

⇒データ出典:『国立がん研究センター がん情報サービス』の「最新がん統計」

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html


⇒参考文献・データ引用元:『国立がん研究センター がん情報サービス』「乳がん検診Q&A」

https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/breast_cancer_qa.html

(高橋モータース@dcp)