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「椿油」を正しく使ってツヤのある髪づくりをしよう

2018.07.23

「椿油」を正しく使ってツヤのある髪づくりをしよう


どんな方でも一度は耳にしたことのある、椿油。別名Camellia Oil(カメリア オイル)とも呼ばれます。日本では一般的に「髪に使うもの」というイメージが強いと思います。今回はこの「椿油」の歴史や効能、具体的な使い方について解説します。

◇椿油とは?


日本の史料に始めて登場するのは797年に完成した「続日本紀」の中で、777年に中国への贈り物として登場しています。そして、椿油が髪に使われ始めたのは400年以上も前。


1596年中国の古典的医学書「本草綱目」(ほんぞうこうもく)には「消化を助長し、咳や喘息を治し、痰を止め、胃を清め、腸を潤し、殺虫、解毒、軽く拭けば髪の異臭を除き、眼にも良い」と言う説明があるそうです。


この「本草綱目」が日本に伝わり、桃山時代と江戸時代で大流行したそうです。説明に「消化」や「胃」といった言葉もあることから、当時は薬のようにも使われていたことがわかります。


もちろん花としても美しく、デザイナーのココ・シャネルが愛した花というのはあまりにも有名。今もブランドのシンボルフラワーとして使われています。

◇椿油の抽出方法

椿の花が咲き花びらが落ちた後、熟して落ちた実を拾い集め、乾燥させて細かく粉状になるまで砕きます。粉状になった実に、蒸すか炒るといった方法で熱を加えると油分が出てきます。


この油分が椿油です。

◇髪に使われるようになったポイントは?

昔は今ほど頻繁に洗髪をする習慣がなく

  • 乾燥してパリパリに固まらない

  • 凝固点が低い(零下15℃以下)

  • 酸化が少ない

  • 臭気が少ない

  • 比重が軽い

  • 吸収力が良い

といった椿油の特徴が、髪に使われるようになった理由でしょう。


実際に椿油を使用したところ、なんだかベタついてボリュームもなくなり「聞いていたほど良くは感じなかった」と思う方も少なくないと思います。


椿油はシャンプー後、洗い流さないトリートメントのように使用するのではなく、シャンプー前の乾いた状態の頭髪に馴染ませてからシャンプーをして洗い流すことで、椿油に含まれる成分のメリットが得られます。

◇椿油は髪のうるおいを保ってくれる


では、なぜ乾いた状態の頭髪に付けると良いのでしょうか?


シャンプーの宣伝映像などで「キューティクル」という言葉を聞いたことがあるかと思います。毛髪は、毛先に向かって6〜8枚のうろこ状に重なっている「キューティクル」と呼ばれるもので守られていて、髪の内部にあるタンパク質や水分を守る働きをしています。


このキューティクルがしっかり閉じていると「しなやかでツヤのある髪」の状態になります。しかし、キューティクルは摩擦に弱いという弱点があります。そのため、椿油で摩擦に弱いキューティクルをコーティングしてからシャンプーをすることで、髪に必要な成分まで洗い流してしまうことを防げます。

◇髪だけじゃない。頭皮マッサージにも使える

椿油には、

  • オレイン酸85%

  • リノール酸3.8%

  • パルミチン酸7.9%

  • ステアリン酸2.5%

  • その他0.8%

と、皮脂の成分でもあるオレイン酸やトリグリセリドを多量に含んでいます。皮膚に馴染みやすく、刺激も少ないため、頭皮マッサージにも使用できます。マッサージにより血流を促し、血流不足による抜け毛や白髪などに効果が期待できます。


「マッサージだけなら椿油である必要はないのでは?」と思われるかもしれませんが、ほかの油はこの成分配合率が異なるので、使用感や使用後の質感も変わります。


また、頭皮は身体の中で一番太い毛が存在するところ。毛穴自体も大きく、汚れが溜まりやすくなります。毛穴の皮脂汚れには同じ油で落とすのが効果的で、皮脂に近い椿油の成分は最もクレンジング剤として優しく、アトピー性皮膚炎の方でも安心して使えるほど低刺激であるとの研究結果も出ています。


日本化学療法学会誌には、

椿油に含まれるオレイン酸とリノール酸が、アトピー性皮膚炎の方の痒みの元である黄色ブドウ球菌に対する抑制作用がある為アトピー性皮膚炎に対する改善効果を期待できるものである(文献2:1996)

という報告もされており、敏感な方にも比較的安全な油といえるでしょう。

◇その他の使用方法

「髪に使うもの」と思われることの多い椿油ですが、オレイン酸の働きで人の皮膚と相性が良いことがわかってきました。下記のように、ネイルや顔のケアにも使えます。


椿油をレンジで10秒〜20秒ほど温めてから指先〜爪までマッサージすると効果的です。

ほかにも洗顔後、化粧水を塗った肌に椿油をなじませるなど色々な使い道があります。


季節の変わり目で皮膚が敏感な時期に、低刺激な油分でケアしてみましょう。


(執筆・監修 Rumiko Nakaya/爪肌育成マエストロ)

参考文献

・つばき油の文化史 ・椿油のすごい力

・国文学上より見たる詳説日本化粧文化史の研究(ビューティービジネス2003 久下司)

・日本化学療法学会雑誌1996

ツバキ油の黄色ぶどう球菌に対する増殖抑制作用について(新井武利・濱島肇・笹津備規)