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「コレステロール値」を下げるためは?日常生活で気を付けること

2018.07.25

「コレステロール値」を下げるためは?日常生活で気を付けること


「コレステロールを取りすぎないように」とか「コレステロールを下げよう!」といった言葉をよく耳にしますね。コレステロールは、体にとってなくてはならない脂質のひとつ。それなのになぜ、「コレステロール値が高くなると体に良くない」などといわれるのでしょうか。今回は「コレステロール」について解説します。

記事監修



宮崎郁子 先生


消化器内科医。東京医科大学医学部医学科卒業後、東京医科大学病院 消化器内科、東京医科大学病院 内視鏡センター助教、牧野記念病院 内科を経て、2015年より東京国際クリニック/医科 副院長を務める。

■コレステロールにある「善玉」と「悪玉」

コレステロールは体内にある「脂質」の仲間で、副腎皮質ホルモンや胆汁酸、全身の細胞膜を作るもとになります。ですので、コレステロールはないと困るものなのです。ただし、ひと口にコレステロールといっても「善玉コレステロール」と「悪玉コレステロール」があります。

  • HDL

    「善玉コレステロール」と呼ばれます。

    動脈硬化を予防する作用があります。

  • LDL

    「悪玉コレステロール」と呼ばれます。

    動脈硬化を進行させる作用があります。

LDL(悪玉コレステロール)は、過剰に増えると血管の壁にたまって動脈硬化を進行させてしまいます。一方のHDL(善玉コレステロール)には血液中の余分なコレステロールを回収し、肝臓へ戻す働きがあります。つまり、HDL(善玉コレステロール)には動脈硬化を防ぐ働きがあるというわけです。


よって血液中のHDL(善玉コレステロール)が少ない場合、またLDL(悪玉コレステロール)が多い場合には「動脈硬化」のリスクが高まり、動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞・脳出血)を発症する可能性があります。


HDL(善玉コレステロール)、LDL(悪玉コレステロール)の状態については血液検査で調べることができます。

■「悪玉コレステロール」が少ないだけでは駄目!

LDL(悪玉コレステロール)は動脈硬化を促進しますが、実はLDL(悪玉コレステロール)の量が少なければいいというわけでもないのです。HDL(善玉コレステロール)の量が少ないとやはり動脈硬化のリスクは大きくなることが分かっています。


そのため、最近ではHDL(善玉コレステロール)が血中にどのくらいあるのか、またHDL(善玉コレステロール)とLDL(悪玉コレステロール)の比率が注目されるようになっているのです。


このコレステロールのバランスは「LH比」と呼ばれ、


LDL(悪玉コレステロール)÷ HDL(善玉コレステロール)


で求めます。LDL(悪玉コレステロール)がHDL(善玉コレステロール)の何倍あるかを計算するわけです。「2.0」、つまりLDL(悪玉コレステロール)がHDL(善玉コレステロール)の2倍までは許容範囲とされますが、できるだけ「1.5以下」、さらには「1.0」に近づくことで「動脈硬化」のリスクを軽減し、心筋梗塞、脳卒中による突然死を防ぐことができるといわれています。

■「コレステロール値」を適正にするためには?

では「コレステロール値」を適正に保つためにはどのようにすればいいのでしょうか? 血液検査の結果が「動脈硬化」「脂質代謝異常」と診断されるほどの値であれば、医師からすぐに「薬物療法」「運動療法」を勧められるでしょう。


普段から心掛けることができるのは、やはり「運動療法」です。運動によってHDL(善玉コレステロール)を増加させることができるのです。


たとえば『横浜市スポーツ医科学センター』のサイトでは、脂質異常症と診断され薬物療法を受けていた女性が「減量教室」に通い、運動を行った結果、

  • 減量教室前

    HDL(善玉コレステロール):53mg/dl

    LDL(悪玉コレステロール):161mg/dl

    LH比:3.0

  • 6カ月後

    HDL(善玉コレステロール):69mg/dl

    LDL(悪玉コレステロール):81mg/dl

    LH比:1.2

  • 12カ月後

    HDL(善玉コレステロール):79mg/dl

    LDL(悪玉コレステロール):99mg/dl

    LH比:1.3

このように改善された例が紹介されています。LH比は1.5以下となり、HDL(善玉コレステロール)の値が大きく上昇していますね。このように、運動はコレステロール値を改善するために大きな効果があることが分かっているのです。

⇒『公益財団法人 横浜市体育協会 横浜市スポーツ医科学センター』「肥満と減量(理論編) 知っておきたい肥満と減量の基礎知識【理論4】減量の成功例(生活習慣病の改善と体力の向上)」「4.12ケ月間-18.2kg の“体脂肪の減量”でコレステロール値と中性脂肪値が大きく改善した」

http://www.yspc-ysmc.jp/ysmc/column/health-fitness/diet-theory-4.html


「コレステロール値が高いのは良くない」といわれますが、重要なポイントはHDL(善玉コレステロール)が多いこと、またLDL(悪玉コレステロール)とHDL(善玉コレステロール)の比率が低いこと(できれば「1.5以下」)なのです。動脈硬化のリスクを減らすためにもこれらに気を付け、普段から適度な運動を行うようにしてください。


(高橋モータース@dcp)