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低気圧で具合が悪くなるのはどうして?「気象病」の原因と対策

2018.08.06

低気圧で具合が悪くなるのはどうして?「気象病」の原因と対策


雨の日などに、頭痛が起こったり気分が悪くなったりする人がいらっしゃいます。最近は、気圧や天気の変化によって起きる体調不良が「気象病」と呼ばれますが、なぜこのようなことが起きるのでしょうか? 今回は「気圧の変化で体調が悪くなる仕組みと対処法」についてです。

記事監修

前山美千代 先生


専門は一般内科、漢方医学科。大阪医科大学医学部医学科卒業、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科在籍、みらい病院(一般内科・漢方医学科)勤務。認定内科医・日本抗加齢医学会専門医・日本医師会認定産業医として、気軽に実践できて、健康と美容に役立つ情報を発信しています。

女医+(じょいぷらす)所属。


▼みらい病院

http://eijukai.jp/

■「気象病」の主な原因は、気圧の変化による自律神経の乱れ


「天気が悪いと古傷が痛む」「雨が続くと体がだるい」など……。最近耳にすることが多くなったように感じますが、もちろん天気や気圧の変化によって体調が悪くなることは昔からあったことです。近年ではこのような体調不良を「気象病」と呼び、一般にも認知されつつあります。その中でも特に天気の変化による痛みや体調不良の症状を、佐藤純医師(愛知医科大学学際的痛みセンター客員教授)が「天気痛」と名づけました。


気象病の原因やメカニズムについては正確には解明されていないものの、佐藤医師は30数年にわたる研究により「気象病の主な原因は気圧の変化によるもの」との結果をまとめています。


佐藤医師によれば、人間の体で気圧の変化を感じるのは、耳の奥にある「内耳」だとされています。台風の接近で気圧が大きく下がったり、「ゲリラ豪雨」によって急激に気圧が変化したりすると、内耳はこの情報を感じ取り、脳に伝えます。このとき自律神経がストレス反応を起こし、それによって痛みを感じたり、体がだるくなったりするのです。


自律神経には、活動的なときに優位になる「交感神経」と、リラックスしているときに優位になる「副交感神経」のふたつがあります。通常、交感神経が優位になっているときは副交感神経の働きは抑えられ、副交感神経が優位のときは交感神経が抑えられます。気圧の変化によってストレス反応を起こすと自律神経のバランスが乱れ、以下のような症状が起こります。

  • 交感神経が過剰に反応したとき

    ・交感神経が痛みの神経を刺激するため痛みが生じる

    ・血管が過剰に収縮し、周囲の神経を興奮させて過敏になる

    ・過去の痛みの記憶が刺激され、古傷が痛む

  • 副交感神経が過剰に反応したとき

    ・眠気や倦怠感が現れ、やる気がなくなる

■気象病の対策は?


気象病は気圧・気温の変化の影響を強く受けます。夏から秋にかけては、低気圧が定期的に通過し、梅雨や台風、近年見られるようになったゲリラ豪雨などがあるため、症状が現れやすい時期です。対策としては、以下のふたつのアプローチがあります。

  • 自律神経を整える

    自律神経のバランスが乱れやすい人は、気象病の症状が現れやすいといえます。自律神経を整えるには、以下のようなポイントを押さえた生活習慣の見直しを図りましょう。


    ・規則正しい生活リズム

    特に起床・就寝の時刻を固定することが大切です。食事もなるべく決まった時間にとるように心掛けましょう。


    ・必要な睡眠をしっかり取る

    よく「質の高い睡眠」が必要といいますが、必要な睡眠時間には個人差があります。自分に必要な睡眠時間を確保し、寝る前の喫煙・飲酒やスマホの操作は避けましょう。


    ・適度な運動

    激しい運動をする必要はありません。ウオーキングやストレッチなど、無理のない範囲でできる運動を習慣付けましょう。


  • 耳(内耳)の血流を改善する

    気象病の人は、耳(内耳)の血流が悪い傾向があるとのことです。これを改善するため、耳のマッサージをするのも気象病の対策になります。マッサージは以下の手順で行います。


    1.両方の耳を上・下・横の順に5秒ずつ引っ張る

    2.耳たぶを引っ張りながら5回程度回す



    気圧・天気の変化が体調不良をもたらすのは事実のようです。ふだんから規則正しい生活をして、きちんと自律神経を整えておきましょう。なんとなく体調がすっきりしない季節の変わり目。みなさんも、自分の体と向き合ってみてはいかがでしょうか。

⇒参照元:『天気痛Dr.』

http://www.tenkitsu-dr.com/

(藤野晶@dcp)