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臨床内科専門医が教える。体臭の原因は汗ではない? 「体臭を強める・抑える」食材とは?

2018.08.10

臨床内科専門医が教える。体臭の原因は汗ではない? 「体臭を強める・抑える」食材とは?


猛暑時のエチケットとして、もっとも気になるのは「体臭」ではないでしょうか。少し歩いただけでもどっと汗をかくと、周囲に臭いを発していないかと不安になります。


臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長に尋ねると、「よく『汗臭い』などと言いますが、実は、サラサラとした汗には臭いはありません。清潔にしているのに臭うと感じる場合は、食事を見直してみてください」と言います。詳しいお話しを聞いてみました。


■汗が原因の体臭は洗えば抑えられる


はじめに正木医師は、汗の仕組みと体臭について、こう説明をします。


「暑いときや運動したときにかくサラサラとした汗は99%が水で、無味無臭です。ですが、汗をかいたままふかない、洗わないで放っておくと、皮脂や垢(あか)と混じり合い、皮膚の常在菌がその成分を分解して酸化させ、臭いを発するようになります。


一方、わきの下や鼻・耳の穴、おへそ、股間などに出るベタベタとした汗は、毛穴を通して分泌されるため、白く濁っていて、水分だけではなく、タンパク質や脂質を含み、臭いを発します。ただし、体を洗うとそれらの臭いは消えます。汗が原因の体臭の場合は、体を洗う、ふくなどすると、臭いは抑えられるでしょう。


視点を変えると、いつも清潔を保っているのに体臭が気になる場合、その原因は汗ではないと言えるわけです」


■動物性タンパク質の食材、サラダ油、お酒は体臭を強める


体臭を防ぐために、こまめに汗をふく、体を洗う、着替える、制汗剤を使うなどしていますが、原因が汗ではないのであれば、何が考えられるのでしょうか。正木医師はこうアドバイスをします。


体臭が強くなる理由のひとつに食事の内容があります。食べ物は腸で分解されるときに臭いを発しますが、その成分の大半は肝臓で分解され、尿として排出されます。しかし、排出しきれない分は水分とともに血液から吸収され、体中を巡ります。そして口臭や体臭として放出されます」


つまり、体臭が強くなる食べ物を控えるとよいということです。その食材について、正木医師に具体的に挙げてもらいました。


  • 肉類

    肉類に豊富に含まれる動物性タンパク質や脂質は、体臭の元となる成分を含みます。また、タンパク質の消化にはエネルギーを使うため、その分体温が上がり、汗をかきやすくなるのも臭いの原因となります。

  • ニンニク

    ニンニクを切ったときに出るアリシンという成分は、口臭や体臭の原因にもなります。

  • 乳製品

    チーズや牛乳などの乳製品に豊富に含まれる動物性タンパク質が大腸まで届くと、内部で腐敗して臭いの成分を作り出します。

  • 辛い食べ物

    辛い食べ物は発汗を促すため、汗と常在菌が混ざり合うことで臭いをまねきます

  • リノール酸(サラダ油)

    リノール酸は血中のコレステロールや中性脂肪を増やし、体内で「過酸化脂質」となって臭いを作りやすくなります。

  • アルコール(酒)

    アルコールが体内で分解されるとアセトアルデヒドという物質になり、それが血液を通って汗腺に運ばれ、臭いの原因となります。


■ビタミンE、ベータカロテン、食物繊維が体臭を抑える


次に、「体臭を抑える食材」はあるのでしょうか。正木医師は次のように指摘します。


「食べた脂質が体内で酸化すると、皮膚から分泌される皮脂の量が増えて、臭いの原因を増やすことになります。ですから、脂質の酸化を防ぐビタミンEやベータカロテンを含む食材は、体臭や口臭を抑えると考えられます。これらは皮膚を丈夫にする働きもあり、美容面でも注目したい食材です」


ではここで、体臭を抑える食材を正木医師に教えてもらいましょう。


  • ビタミンEを含む食材

    カボチャ、アスパラガスなどの緑黄色野菜、アーモンド、ヘーゼルナッツなどのナッツ類

  • ベータカロテンを含む食材

    ニンジン、ホンレン草、ピーマンなどの緑黄色野菜、柑橘類、スイカなどの果実。

  • ビタミンB2を含む食材

    ビタミンB2には、臭いの元となる脂質やタンパク質をエネルギーに変え、代謝を促す働きがあります。レバー、ウナギ、卵、納豆など。

  • 腸内環境を整える食材

    食物繊維や乳酸菌を含む食材は腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らし、タンパク質が臭いの成分に分解されることを抑制します。海藻類、大豆製品(豆乳、納豆など)、キノコ類、緑黄色野菜など。

  • アルカリ性食品

    アルカリ性食品は乳酸などの産生を抑え、臭いを抑制します。酢、ウメボシなど。



最後に正木医師は、「このごろ自分の体臭が強いと感じたときには、汗のケアをしているかどうかと、食生活を見直してみましょう。とくに、肉やサラダ油による揚げ物をたくさん食べていないかがポイントと言えるでしょう」とアドバイスを加えます。



汗が出る仕組みや食材が臭いに与える影響から、体臭は日々の習慣によるということでどきっとしました。制汗剤やフレグランスなどでごまかす前に、汗をこまめにふく、洗う、そして毎日の食事内容を見直したいものです。



取材・文 堀田康子・藤井 空 / ユンブル