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「アラフォー世代」は給料が低いって本当?その理由は?

2018.08.13

「アラフォー世代」は給料が低いって本当?その理由は?


現在アラフォーの皆さんは、新卒の就職活動の際に非常に苦労された方も多いでしょう。かつての就職氷河期を経験しているはずですからね。この世代の皆さんは、前後の世代と比べて、就活だけでなく「お金」の面でも苦労しているはずです。しかも現在も!です。

記事監修

畠中雅子さん


ファイナンシャルプランナー。大学時代よりフリーライターとして活動スタート。マネーライターを経て、長女を出産した翌年の1992年にファイナンシャルプランナーになる。FP資格取得後、大学院に進学。修士課程では生命保険会社の会計システムに関する研究を、博士後期課程では金融制度改革に関する研究をおこなう。現在は、新聞、雑誌、インターネットなどに多数の連載を持つ他、セミナー講師、講演、個人相談、金融機関へのアドバイザー業務、金融関連の調査業務、公的機関のアドバイザー業務などをおこなっている。


■FP畠中雅子のときどき日記

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■詳細プロフィール

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■「就職氷河期」を経験したアラフォー世代


この数年で就職活動をおこなった若い世代の方はご存じないかもしれませんが、なかなか職が見つからないという時代がありました。高校・高専・短大・大学・大学院の新卒者の多くが就職に苦労した「就職氷河期」です。


就職氷河期は「1993-2005年」とされています。バブルがはじけて景気が後退局面に入ったため、企業が新卒の採用枠を絞り、そのため就職活動が非常に難しくなりました。非正規雇用の人が急増したのもこの時期です。1998年には新規求人倍率が「0.53倍」にまで下がり、完全失業率は「4.1%」に上昇しました。


1993-2005年に新卒者だった皆さんは、現在まさにアラフォーでしょう。就職に苦労したアラフォー世代の苦しみは今も続いていて、それは給与面に表れているという研究があります。

■アラフォー世代は給与が安い?


東京大学 社会科学研究所の玄田有史教授が就職氷河期世代の給与(調査上は「きまって支給する現金給与額」)について調べた結果、驚くべきことが分かりました(出典は記事末のURL)。


以下は、「5歳刻みの年齢階級別に、2010年から2015年までの5年間で給与がいくら変化したのか」のデータですが、就職氷河期を経験したアラフォー世代とその周りの世代に「給与の格差」があります。


●高校卒

20-24歳:7,000円プラス

25-29歳:6,800円プラス

30-34歳:300円プラス

35-39歳:2,700円マイナス

40-44歳:4,200円プラス

45-49歳:800円プラス

50-54歳:4,800円プラス

55-59歳:4,800円プラス

60-64歳:7,600円プラス


●高専・短大卒

20-24歳:7,700円プラス

25-29歳:8,600円プラス

30-34歳:700円マイナス

35-39歳:4,700円マイナス

40-44歳:300円プラス

45-49歳:7,900円プラス

50-54歳:8,500円プラス

55-59歳:6,300円マイナス

60-64歳:2,500円プラス


●大学・大学院卒

20-24歳:5,200円プラス

25-29歳:8,700円プラス

30-34歳:6,400円プラス

35-39歳:4,300円マイナス

40-44歳:2万3,300円マイナス

45-49歳:2,200円プラス

50-54歳:2万1,100円プラス

55-59歳:8,000円プラス

60-64歳:9,300円マイナス


※この研究は厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を基データとしています。


このように、高校卒、高専・短大卒、大学・大学院卒のどの学歴の人でも、就職氷河期を経験したアラフォー世代はほかの世代と比較して給与の増加傾向があまり見られません。特に大学・大学院卒「40-44歳」での「2万3,300円マイナス」というのは驚きの結果ですね。


このような結果になる理由として、

  • 就職した時代に給与水準が下がり、それを現在まで引きずっている

  • 就職した時代に、給与水準が低い非正規雇用の人が急増した

などが考えられます。いずれにしても、現在アラフォーの皆さんの前後の世代で給与面の断絶があることは明白でしょう。

⇒データ出典:『公益財団法人 連合総合生活開発研究所』「新たな就職氷河期世代を生まないために 〜連合総研・就職氷河期世代研究会報告」

http://www.rengo-soken.or.jp/report_db/file/1478760813_a.pdf

かなり衝撃的な調査結果ですが、一度就職氷河期のようなことがあると、その影響は後にまで続くことが分かります。現在の就職活動は「空前の売り手市場」といわれますが、この先、経済が後退するようなことがあれば、就職氷河期のような就職難が再び発生しないとも限りません。世代間の不公平感ができるだけ生じないように、願うばかりです。


(高橋モータース@dcp)