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保湿だけじゃない。万能化粧品成分「BG」の役割って?

2018.08.19

保湿だけじゃない。万能化粧品成分「BG」の役割って?


化粧品の裏側や外箱の成分表示を見てみると、カタカナや英語がズラリと書かれていて「何がなんだかよく分からない…」と感じたことありませんか?


今回のテーマ「BG」も、そのよく分からない英語表記の化粧品成分のひとつ。配合する量によって役割が変わるため用途が広く、さまざまな化粧品に使われています。

化粧品の全成分表示とは?

BGのことを知る前に、化粧品の全成分表示について少しご説明したいと思います。


化粧品は「医薬品医療機器等法」という法律により、薬用化粧品を除くすべての化粧品に対して全成分を表示することが義務付けられています。なので、薬用化粧品と書かれているもの以外の化粧品には、配合されているすべての成分が記載されていることになります。この全成分表示には決まりがあります。

(引用:化粧品成分検定公式テキストp014)


化粧品成分がどの位置に記載されているかによって、ある程度「化粧品の特徴」をつかむことができるということです。


化粧品の全成分表示の決まりが頭に入ったところで、本題にはいりましょう。

BGとは?

BGは、「ブチレングリコール」の略称です。無色透明のやや粘り気のある液体で、アセトアルデヒドという化学物質から合成する石油由来のものと、発酵エタノールから合成する植物由来のものがあります。


ちなみに、石油というとガソリンを想像してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん「石油 = ガソリン」ではありません。

BGの役割

その①-保湿剤―

BGは化粧水や乳液などに配合されていることが多い成分です。


役割として一番よく知られているのが、保湿剤としての効果。水に溶けやすい水溶性成分なので、水とゆるく結びついて水の蒸発を防ぎます。


保湿効果を得るためには10%以上のBGを配合する必要があるため、成分表示の一段目に記載されていることが多いです。


保湿剤としてはグリセリンも人気がありますが、BGのほうがさっぱりした使用感を得られます。グリセリンはしっとりとした使用感です。


ちなみに、どちらか一方ではなく「BGとグリセリンの両方」を配合する化粧品も多く存在します。成分表示でBGとグリセリンのどちらが先に書かれているかを確認すると、「ややしっとりした使用感」なのか、「ややさっぱりした使用感」なのかを判断することができますよ。


その②―防腐剤―

BGは静菌効果があるとされていますが、この効果を発揮するにはBGを多く配合する必要があります。そのため防腐剤目的で配合するというよりは、静菌効果のある保湿剤として配合されることが多いようです。BGを配合することで、ほかの防腐剤を少なくできるという利点もあります。


その③―植物エキスの抽出―

植物エキスの抽出にはエタノールがよく使われますが、この方法で抽出されたものは、アルコールに敏感な人は使えません。そこで、「BGと水を混ぜた液体」がエタノールに代用されるのです。化粧品に配合される際は、この「エキスが溶けこんだ液体」がそのまま使用されるため、BGも成分表示の下の段に記載されます。ただし、BGの配合はごく少量になるので、保湿剤、防腐剤としての効果は発揮されません。


このようにBGは、さまざまな役割を果たすうえに刺激も少ない成分として評価されているため、化粧水や乳液にかぎらず、石けんや日焼け止めなどにも幅広く使われています。


ただ、いくら「刺激が少なく安全」とうたわれている成分でも、その成分が合わない人も少なからず存在します(これはBGに限ったことではなく化粧品成分すべてにおいていえることですが……)。また、肌には刺激がなくても目の周りなどの粘膜には刺激を感じる場合もあり、BGも例外ではありません。BGは医療機関で販売されているような化粧品にも使われるほど刺激の少ない成分ですが、アレルギーを起こしてしまう方がいるのも事実です。絶対安全!といえる成分は存在しませんので、新しい化粧品は肌の状態や体調の良い時に使用し、万が一違和感がある場合はすぐに使用を中止しましょう。


BGはとても使い勝手のよい化粧品成分だということがお分かりいただけたででしょうか。化粧品売り場に行った際は、ぜひ化粧品の成分表示を確認してBGを探してみてくださいね。


(爪肌育成マエストロ/小齋飛鳥)

【参考文献】

化粧品成分検定公式テキスト [書籍] / 著者 一般社団法人 化粧品成分検定協会.

1,3-ブチレングリコールによるアレルギー性接触皮膚炎 [論文/レポート] / 著者 杉浦真理子、早川律子、加藤佳美、杉浦啓二. / 一般社団法人 日本アレルギー学会, 2017.