• 毎年、春になると花粉症に悩まされる。

  • マスクやメガネにプラスして、どうにか対策したい。


つらい花粉症の症状…。身近な「着るもの」でも対策ができるんです!


春は花粉の季節。くしゃみ、鼻水、目のかゆみと、花粉症の症状はいろいろありますが、いずれにしても本当につらいですよね。


花粉症のみなさんはどのようにしてこの時期を乗り切っているのでしょうか?

おそらく、

  • 家の中にできるだけ花粉を持ち込まない

  • 目、鼻、口に花粉が触れないようにマスクや眼鏡でガード

  • お薬や予防治療などで症状を軽くする

などでしょう。


ところで、花粉症対策を目的に作られている衣類があるのをご存知ですか?デパートなどで売られていますからご覧になったことがある方も、あるいはすでに着ている方もいらっしゃるもしれません。


つらい花粉症の季節は、「着るもの」も重要です。今回は、花粉症対策のための衣類についてテキスタイルアドバイザー(衣料管理士)の筆者が解説いたします。

■花粉がつきにくい繊維って?

花粉が鼻や目に入らないようにするために、マスクや眼鏡で対策をしますよね。衣類も同様に、花粉がつきにくいものを選ぶようにしましょう。


衣類の素材である繊維にはいろいろな種類があり、花粉のつきやすさも異なります。


そこでポイントととなるのが、衣類の繊維の表面状態。花粉は植物の種類によって多少の違いはあるものの、突起があって衣類に引っかかりやすい形をしています。

そのため、ツルツルした繊維の衣類だと花粉が滑り落ちやすいのですが、デコボコしていると花粉が引っかかりやすくなります。


繊維表面がツルツルしているのは、ポリエステル、ナイロン、絹(シルク)など。逆にデコボコしているのが羊毛(ウール)です。羊毛は羊の毛で、表面にはスケールといううろこ状のギザギザがあります。私たちの髪の毛と同じで、キューティクルといわれているものです。


ポリエステルやナイロンは繊維に含まれる水分量が少なく吸水性も小さいので、インナーとして着用した場合には、肌の乾燥をまねき静電気を起こしやすかったり、汗を吸いにくかったりすることがあります。しかしコートやジャケットなどのアウターとして着用すれば、花粉がつくのを防いでくれるでしょう。


首元が寒いときは、シルクのストールにすれば、肌触りが良く季節感もあり、花粉もつきにくくなりますね。

■花粉がつきにくい布って?

繊維そのものの特徴だけでなく、布の表面状態の違いも花粉のつきにくさに影響します。


表面がツルツルの状態だとつきにくく、デコボコの状態だとつきやすいというのは同じです。ニットのようにモコモコしたものは花粉がつきやすくなりますので、注意が必要です。

■花粉がつきにくくなる加工がある!

私たちの衣類の素材である繊維には、原料が自然の中にある天然繊維と石油などから作られる合成繊維があります。合成繊維は人の手で作られるのですから、形を変えることは可能。花粉がつきにくいよう、さらに表面をツルツルにすることだって、もちろんできます。


こうしてできたのが、「花粉症対策を目的に作られている衣類」です。


花粉対策加工の主な方法はふたつ。

繊維表面を平滑(ツルツル)に加工する。


こうすることで、花粉はつきにくくなり、ついたとしても手で払うだけで簡単に落ちるようなります。


糸の密度を高くして、繊維のすき間を少なくし、花粉が中に入り込まないようにする。


花粉の大きさは植物によって異なりますが、約10~60ミクロン、平均すると25~45ミクロンといわれています。布にできる隙間がこのサイズより小さければ、花粉は衣類の中までは入ってきません。

そのほか、花粉が付着する原因には「静電気」も考えられます。静電気によって、ほこりなどが引き寄せられるのと同様に、花粉も引き寄せられてつきやすくなることがあるのです。


そこで、静電気の発生を抑える加工をすることで、花粉がつきにくくなります。

静電気を抑えるという意味では、洗濯後に柔軟剤を使うだけでも花粉予防には効果的といえるでしょう。


また、花粉を分解するたんぱく質分解酵素を使った製品もあります。これは花粉だけでなくダニも分解してくれるため、衣類だけではなくマスクやエアコンの空調フィルターなどに使われる場合が多いようです。酵素は抗アレルゲン(アレルギー原因物質)としてのはたらきだけでなく、抗菌や抗かび、抗ウィルスなどの効果も期待できるそうですよ。



花粉症は本当につらいですね。お薬には合う、合わないがありますし、マスクはメイクが落ちるなど不便な面もあります。


「着るもので花粉対策」は直接的で即効性のある対策ではないかもしれませんが、花粉を近づけないひとつの予防策として、取り入れてみてはいかがでしょうか?



(Yukie Karube/テキスタイルアドバイザー)