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アンチエイジングに取り入れたい「ナイアシンアミド」って何?

2018.08.20

アンチエイジングに取り入れたい「ナイアシンアミド」って何?


◇ナイアシンアミドとは

ナイアシンアミドは、水溶性の有効成分です。


・ニコチン酸アミド

・ビタミンB3


との別名もあり、美容液などの化粧品のほか、栄養補給のドリンクやニキビ・肌荒れケアのための主薬製剤(ビタミン剤や内服液)にも配合されています。


ニコチンと化学構造が似ていることから「ニコチン酸」という名前が付いていますが、全くの別物で毒性はありません。

体内でも「トリプトファン」と呼ばれるアミノ酸から作られているため、よほど大量の飲酒を常習的にしていたり、偏った食事をしていたりということがなければ不足しない成分です。


もともとは、米ぬかから摘出したビタミンB1からニコチン酸を分離させ抽出する方法→「植物性ナイアシンアミド」、次いで動物の肝臓から分離させてニコチン酸を抽出する方法→「動物性ナイアシンアミド」がありました。

現在では研究が進み、β-シアノピリジンという有機化合物から合成して作られています。

◇効果・効能


美容成分としては、大きく3つの効能が認められています。


・【保湿】乾燥が原因のシワやたるみに働きかける

肌の角層には、セラミドなどからなる「細胞間脂質」という、肌の水分を抱え込んでくれる部分があります。ここに脂質が約20%あると、いわゆる「肌の調子が良い」状態となります。


セラミドなどの脂質は、スポンジを想像していただくとイメージしやすいかと思います。

干からびてぺちゃんこになってしまったスポンジに水分を含ませようとしても、あまり吸収せず、そのまま水分が流れてしまいます。しかし、新しく柔軟性のあるスポンジだと多くの水分を含んでおけますよね?

ナイアシンアミドはこのセラミドの合成を助け、バリア機能を助ける役割を担ってくれます。

スポンジの柔軟性を助けてふわふわにしてくれるうえに、バリア機能によって皮膚の乾燥を防ぎ保湿してくれるため、乾燥によるシワやたるみに効果的というわけです。


また、ナイアシンアミドは水に溶けやすく、化粧水や美容液に高濃度で配合できます。



・【美白】シミ・そばかすを防ぐ

肌の表皮の一番下には、紫外線から肌を守ろうとするメラノサイトという細胞があります。紫外線を浴びると表皮細胞は、その有害物質をメラニンとして表皮の上に押し上げて守ろうとします。その結果がシミとして出てきます。

ナイアシンアミドは、メラニンが表皮細胞に受け渡されるのを抑制する働きを持つため、シミやそばかすの表面化を阻害し、美白へと導いてくれますす。



・【バランス調整】ニキビができにくい肌をつくる

ナイアシンアミドは厚生労働省認可の医薬部外品有効成分に指定されており、皮膚や粘膜を正常に保つ作用のほか、炎症を抑える「消炎作用」が認められています。

ニキビは、毛穴に詰まった皮脂や汚れが詰まりを起こし、毛穴の中で細菌が繁殖して炎症を起こしてできたもの。

ナイアシンアミドには消炎作用があるため、ニキビができにくくなる、ということですね。


血行を促進し、細胞の代謝リズムを整え皮膚を健康に保とうとしてくれるため、肌の潤いを保つ汗と皮脂のバランスも整います。

実際に、ナイアシンドはまだまだ研究途中であるため、さらなる有効性が期待されています。

◇美容以外の働き

ナイアシンアミドは化粧品に配合されるだけでなく内服されることもご説明しましたが、具体的な働きは「体内でビタミンなどの酵素が吸収される際にそれをサポートする補酵素」の役割も担うので、栄養ドリンクにも配合されます。

ほかにも、ニキビや肌荒れの改善を目的としたビタミン剤などにも配合され、幅広い活躍をしています。


さらに、二日酔い防止にも役立ちます。アルコールを摂取した際に、体内でアルコールを分解するには酵素が必要です。ナイアシンアミドはその酵素の働きを助ける「補酵素」の役割があるため、体内にアルコールが残りにくくなります。

まさに名サポーターですね。

◇注意点

ナイアシンアミドは食物から摂取可能ですが、1日の推奨量が定められています。成人男性で13mg〜15mg/日、成人女性で10mg〜12mg/日が推奨されています。

ナイアシンアミドが多く含まれる食品は、生たらこ、きのこ類、レバー、鶏肉など。鶏のササミ100gで約15.6gのナイアシンアミドを摂取できます。

肉やきのこ類に多く含まれるので、筋肉をつけながら綺麗に痩せたい方でも安心です。


しかし、過剰摂取には要注意。

通常の食事として摂取している場合は問題ありませんが、ビタミン剤として購入できるものには、「ナイアシン」と「ナイアシンアミド」の2種類があり、動物性と植物性の違いがあります。どちらもビタミンB3であることに変わりはありませんが、厚生労働省がナイアシンアミドの摂取量の上限を300mg/日と定め、ナイアシンは上限100mg/日としています。食事とビタミン剤の両方で、上限以上を続けて摂取することで、ほてりや発汗、かゆみなどの「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる副作用が起こる場合があります。


個人差がありますが、下痢などの胃腸障害や、肝臓への負担から肝機能障害といった過剰摂取による副作用も報告されています。水溶性ビタミンで体内に蓄積しにくいとはいっても、上限量を守った摂取が望ましいですね。


適量を守れば、美容はもちろん健康にも大いに役立てることが期待できる成分といえます。


爪肌育成マエストロ/Rumiko Nakaya

参考文献

・Weblio     

・岡希太郎先生 クラフト株式会社 「薬食同源」

・日刊美容液新聞

・特開平9-2952号公報/特開平11-209285号公報

・British Journal of Dermatology

・厚生労働省日本人の食事摂取基準2015年版

・Medical life sciences

・化粧品成分オンライン

・日本化粧品検定2級・3級対策テキスト