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あなたはいくつ当てはまる?「月経前症候群」「月経前不快気分障害」の診断基準

2018.08.21

あなたはいくつ当てはまる?「月経前症候群」「月経前不快気分障害」の診断基準


頭痛や腹痛といった体の不調、またいらいらが募る・落ち込むといった心の不調……。月経が始まる前に、心身にこうした不調を来す人もいらっしゃるでしょう。これは一般にPMS、月経前症候群といわれるもの。今回はこの「PMS」についてご紹介します。

記事監修

巷岡彩子(つじおか・あやこ)先生


産婦人科専門医。医学博士。都内の大学病院やクリニックでの勤務を経て、現在、不妊治療専門の産婦人科クリニックにて勤務。ママドクターとして育児や家事と仕事を両立しながら活躍中。女医+(じょいぷらす)所属。

■「PMS」の症状と原因

「PMS」とは「Premenstrual Syndrome(プレメンスチュアル・シンドローム)」の略で、日本語では「月経前症候群」と訳されます。最近ではPMSという略称で通じることも多いですが、一般に「月経前に起こる精神的、身体的な不調」を指していて、主に以下のような症状が現れます。

・頭痛

・頭が重い感じ

・眠気/睡眠障害

・精神的不安定

(いらいら、怒り、不安、落ち込み、抑うつ的な気分など)

・集中力の低下

・倦怠(けんたい)感、だるさ

・胸が張る感じ

・下腹部の痛み

・腰痛

・便秘

・むくみ

これらの症状は3-10日間ほど続きますが、月経が始まると軽減、また消失します(個人差があります)。


PMSの原因は、月経前の「黄体期」のホルモンバランスにあるとされます。基礎体温が上昇する黄体期には、排卵に向かって分泌が増加した女性ホルモン「エストロゲン」(卵胞ホルモン)が排卵後、急激に減少し、もう一つの女性ホルモン「プロゲステロン」(黄体ホルモン)の分泌が増加します。


これによって脳内のホルモン、神経伝達物質の乱れが生じ、心身に不調を来すと考えられています。

■精神医学では「月経前不快気分障害」。診断基準は当てはまりますか?

精神医学のほうでもPMSは精神疾患(mental disorder)として分類されています。『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』によれば、月経前不快気分障害という分類名になります。以下がその診断基準です。


●月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder)の診断基準


A.ほとんどの月経周期において、月経開始前最終週に少なくとも5つの症状が認められ、月経開始数日以内に軽快し始め、月経終了後の週には最小限になるか消失する。


B.以下の症状のうち、1つまたはそれ以上が存在する。

(1)著しい感情の不安定性(例:気分変動;突然悲しくなる、または涙もろくなる、または拒絶に対する敏感さの亢進)

(2)著しいいらだたしさ、怒り、または対人関係の摩擦の増加

(3)著しい抑うつ気分、絶望感、または自己批判的思考

(4)著しい不安、緊張、および/または"高ぶっている"とか"いらだっている"という感覚


C.さらに、以下の症状のうち1つ(またはそれ以上)が存在し、上記基準Bの症状と合わせると、症状は5つ以上になる。

(1)通常の活動(例:仕事、学校、友人、趣味)における興味の減退

(2)集中困難の自覚

(3)倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如

(4)食欲の著しい変化、過食、または特定の食物への渇望

(5)過眠または不眠

(6)圧倒される、または制御不能という感じ

(7)他の身体症状、例えば、乳房の圧痛または腫脹、関節痛または筋肉痛、"膨らんでいる"感覚、体重増加


注:基準A-Cの症状は、先行する1年間のほとんどの月経周期で満たされていなければならない。

(後略)

⇒引用元:『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』株式会社医学書院,2016年2月1日第1版第5刷発行,p171「月経前不快気分障害」

B・Cの症状が1つ以上あり、B・Cを合わせて5つ以上の症状が当てはまる場合、しかも毎回月経前に同様の症状があれば、月経前不快気分障害の可能性があります。婦人科などで診断してもらうといいでしょう。


PMSは、血液検査などによってはっきり診断できるものではありません。あくまで、自覚症状が診断の根拠となります。『DSM-5』によれば、月経のある女性の「月経前不快気分障害」の有病率は「1.8-5.8%の間」とされます。あなたは月経前に不快な症状はありませんか?

⇒参考文献・引用元:『公益社団法人 日本産科婦人科学会』「月経前症候群」http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/gekkei.html

(高橋モータース@dcp)