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けがをしやすくなる可能性も?「体が硬い」ことで起こり得るデメリット

2018.09.06

けがをしやすくなる可能性も?「体が硬い」ことで起こり得るデメリット


皆さんは、「体は軟らかい」ほうですか?「昔は軟らかかったのに、大人になるにつれて前屈ができなくなった!」なんて人もいらっしゃるでしょう。なぜ、体は硬くなってしまうのでしょうか。体が硬いとデメリットばかりが多く、いいことはありません。今回は「体が硬いこと」によるデメリットの話です。

記事監修


眞鍋憲正先生


スポーツ医学・整形外科・救急科。信州大学医学部卒業、市中病院で臨床をしながら信州大学大学院スポーツ医科学講座にて研究を行う。医師+(いしぷらす)所属。

■「体が硬い」って何?


そもそも「体が硬い」とはどのような状態を指すのでしょうか? 医学的にはどこからが「体が硬い」のかを示した定義はありませんが、一般的には筋肉の柔軟性や関節の可動性、つまり動ける範囲が狭いことが「硬い」ということになります。


ちなみに長座位体前屈の平均値は、男性では17歳(51.11cm)、女性では19歳(47.68cm)でピークとなり、あとは年とともに低くなっていきます。つまり加齢によって柔軟性はどんどん失われ、体は硬くなっていくわけです。

■体が硬くなる原因は?

体の柔軟性が失われる原因としては、

  • 加齢

  • 運動不足

  • ケガや疾患など

といったものが挙げられます。

■体が硬くなることのデメリット


体の柔軟性が失われ硬くなると以下のような症状を引き起こしがちです。

  • 肩凝り、腰痛といった特定の場所の痛み

  • 可動性の低下でけがをしやすくなる

また2009年には、国立健康・栄養研究所などの研究グループが「Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening」(体の柔軟性が低いと動脈硬化になりやすくなる)という論文を発表しています(記事末のURL)。


526人(男性178人/女性348人)に長座位体前屈を行ってもらい、体の柔軟性を計測。その上で、計測値を若年者、中年者、高齢者と年齢ごとに分けて脈波伝播速度との関係を調べました。


脈波伝播速度というのは、心臓で血液の波を押し出すときにできた波が血管を伝わる速度のことです。血管が硬くなるほどこの波は伝わりやすく、速くなりますので、脈波伝播速度を計測することで動脈の硬さの程度を評価できるのです。


結果、中年者から年齢が高くなるにつれて体の柔軟性の低い人、つまり体の硬い人ほど脈波伝播速度が速く、動脈硬化のリスクが高いことが分かりました。動脈硬化は心臓や血管に負担を掛け、高血圧、脳卒中、心不全などの心血管系の疾患につながります。


このように、体が硬いことはデメリットばかり。いいことは全くありません。やはり人間は普段からある程度負荷が掛かる運動をして、骨、筋肉を動かさないといけません。皆さんも適度な運動を行うことを習慣づけ、体の柔軟性を保つように努めてください。

⇒データ出典:『厚生労働省』「年齢別テストの結果」

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/houdou/__icsFiles/afieldfile/2009/10/13/1285568_1.pdf


⇒論文:「Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening」

https://www.physiology.org/doi/full/10.1152/ajpheart.00061.2009

(高橋モータース@dcp)