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自信がもてない女性が陥りやすい?!「摂食障害」の原因と予防法

2018.09.07

自信がもてない女性が陥りやすい?!「摂食障害」の原因と予防法


摂食障害という病気について、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?1980年代、世界的に有名な音楽グループのカーペンターズのメンバー、カレン・カーペンターズは摂食障害を患っていたとされ、彼女はそれが原因で若くして命を落としています。彼女の死は、摂食障害が世界的に認知される一つの契機になりました。


日本でも、同時期から徐々に患者数が増え、芸能界でも宮沢りえさんやともさかりえさんといった著名人が摂食障害で苦しんだ過去を告白し話題となりました。現在でもその数は増え続け、日本国内で2万6千人以上の方が摂食障害で苦しんでいるという報告があります。男女比は1対10と、圧倒的に女性の数が多いことも特徴です。

今回はそんな摂食障害の概要とともに、その原因と予防について考えたいと思います。

摂食障害とは

摂食障害とは食行動を中心にさまざまな問題があらわれる病気のことをいい、主に拒食症(神経性やせ症)や過食症(神経性過食症)のことを指します。

身体症状としては、標準体重を大きく下回る体重や、やせに伴う無月経、低体温、過食や嘔吐による胃酸の過剰分泌で歯が抜け落ちるなどの症状があげられます。また低体重の長期化によって腎機能障害を併発したり、脳の委縮がおこる場合もあります。

摂食障害の原因


摂食障害の原因としては“やせ願望”への執着があげられます。摂食障害は先進国の若い女性に多いことが分かっています。先進国では「痩せている方が美しい」とされる風潮があり、テレビや雑誌などメディアで活躍されている方に細い人が多いこともそんな風潮を象徴しているといえるでしょう。

そしてこういった社会の風潮から“やせ願望”が出現するのですが、願望が執着と呼べるほど深く、病的なものに至るまでの心理過程が摂食障害の根底にはあるとされています。


それは、「ありのままの自分では認められない」「ありのままの自分は愛されない」という自信のなさです。その自信のなさから脱却するために過度なダイエットをし、その結果摂食障害になってしまうのです。食べ物を食べなければその分体重が減り、その効果が数字にあらわれるため分かりやすく、また痩せることで周囲から褒められることもあり、「自分でコントロールできる」「痩せれば褒められる」と心が満たされます。それにより自信がもてるようになり、一層その深みにはまってしまうという悪循環が摂食障害の原因となっているのです。また、摂食障害になる女性の多くはがんばり屋で、相手の期待に応えようと一生懸命な方が多いように思います。

摂食障害かどうか判断するには

では、どのような状態になると摂食障害と診断されるのでしょうか?

摂食障害には大きく分けて拒食症(神経性やせ症)と過食症(神経性過食症)の2種類があります。


拒食症・・・標準体重から著しく痩せているにも関わらず、体重増加に対する強い恐怖から体重を増やそうとしない場合などに診断されます。

過食症・・・痩せているか否かに限らず、食べた後に体重増加を防ぐために過食嘔吐や下剤の乱用といった代償行為をしている場合などに診断されます。


摂食障害の診断には、体重減少や無月経といった身体的特徴だけでなく、体重や体型についての感じ方といった心理状態も考慮されます。

近年では、SRSEDと呼ばれる摂食障害診断チェックが日本人向けに作られています。全28問に答えるだけで、摂食障害の傾向を客観的に知ることができます。医療機関でも使用されているものですが、インターネット上でも簡単にチェックすることができますので、一度試してみてはいかがでしょうか。

摂食障害の予防方法


SRSEDの得点が39点以上であれば、すでに摂食障害の可能性があるので早めに医療機関で受診されることをおすすめします。さらに、38点以下であったとしても体重や食行動についての問題があると感じられている場合は、早い段階からの予防が必要です。


先ほどもお伝えしましたが、摂食障害に至る心理的な根底には自信のなさがあります。

自信がもてないということは、つまり、自分に対する捉え方が否定的であり、自分で自分を認められていないということに繋がります。


自信をもつためには、自分で自分を認めてあげることからはじまります。それは、ダメなところを失くすということではなく、ダメな部分もひっくるめてそれが自分だと納得することです。ダメなところを諦めるということでもありません。ダメな部分もある今の自分をほかの誰でもない、自分自身が認めてあげることが大切なのです。



ここで自分を認めるための3ステップをご紹介します

  • ステップ1

    まずは自分のダメだと感じているところを書き出してみましょう

    例:私は誰からも好かれない

  • ステップ2

    先ほど書き出した文に、「~と、今は思い込んでいる」「~と、今は感じている」と追加します

    例:私は誰からも好かれない、と、今は思い込んでいる

    こうすることで、思い込んでいることに疑問が持てる余地ができたり、将来は改善されるかもしれないといった感覚が生じるのを感じてみて下さい。

  • ステップ3

    書き出した文を許可する言葉に変えてみましょう

    例:私は誰からも好かれない→誰かに好かれてもいい/人の好意を受け取ってもいい

    自分を認められないということは、知らず知らずのうちに心の中に「あれはダメ」「これもダメ」と制限をかけてしまっています。ですので、その制限を緩和させてあげましょう。

この3ステップは、まずあなた自身が自分をどのように否定しているか知り、それは事実ではなく思い込みであることに気づき、受け入れていく作業です。摂食障害に限らず、自信がもてないという人は多いのではないでしょうか?一度、自分を認める3ステップを試し、自分で自分を認めてあげましょう。

出典:永田利彦・切池信夫・中西重祐・松永寿人・川北幸男 1991 新しい摂食障害症状評価尺度Symptom Rating Scale for Eating Disorders(SRSED)の開発とその適用 精神科診断学,2,247‐258.

(執筆・監修 ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社)