40-60代は生活習慣病を発症することが多く、「生活習慣病世代」と呼ばれます。そのため、40代になったら生活習慣病も意識して食生活を変えていくのが望ましいでしょう。今回は「生活習慣病世代におすすめの食生活」をご紹介します。
記事監修
工藤孝文 先生
糖尿病内科、ダイエット外来、漢方治療、女性内科 医師。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。2017年よりスマホ診療を導入し全国規模での診療も行っている。
医師+(いしぷらす)所属。
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■肥満が生活習慣病を招く!
生活習慣病の代表格は、
・高血圧症
・糖尿病
・脂質異常症(高脂血症)
ですが、これらの病気は日々の生活の中で進行して発症し、放置すると心筋梗塞、脳卒中などの死に至る疾患へと発展する可能性があります。そもそも生活習慣病に至るのは、内臓脂肪が必要以上にたまった「内臓脂肪型肥満」の人に多く、
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高血圧
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高血糖
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脂質異常
といった危険因子を複数持っているためと考えられています(危険因子を複数持つ状態がいわゆる「メタボリックシンドローム」です)。つまり、内臓脂肪型肥満を防ぐことで危険因子が減り、生活習慣病を発症するリスクを低くすることになるのです。
■内臓脂肪を減らす・付けない食生活を心掛ける!
というわけで、生活習慣病のリスクを減らすには肥満を防ぐことが第一です。そのためには「内臓脂肪を減らす」「内臓脂肪を付けない」ことが重要ですから、食生活においては、
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食べ過ぎを防ぐこと
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栄養バランスの良い食事を心掛けること
に注意します。
40歳になると基礎代謝も減っていますので、若い頃と同じ量を食べるとすぐにカロリーオーバーになります。普段から運動を行っていれば別ですが、そうでない場合にはすぐに内臓脂肪が増えてしまいます。しかも基礎代謝が減っている分、若い頃と比べて脂肪を減らすことが難しいのです。ですから、まず「腹八分目にして食べ過ぎないこと」が重要です。
『厚生労働省』の「日本人の食事摂取基準 2015」では、身体活動レベルを以下の3つ(A低い、Bふつう、C高い)に分けて考えています。
A:生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
B:座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
C:移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合
⇒データ引用元:『厚生労働省』「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会 報告書」「II 各論」P.23,表7「身体活動レベル別に見た活動内容と活動時間の代表例」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000083871.pdf
A・B・C、それぞれの活動レベルで「女性の1日の推定エネルギー必要量」は、
●18-29歳女性
A:1,650kcal
B:1,950kcal
C:2,200kcal
●30-49歳女性
A:1,750kcal
B:2,000kcal
C:2,300kcal
●50-69歳女性
A:1,650kcal
B:1,900kcal
C:2,200kcal
となっています。自分の毎日の活動レベルを参考に必要な推定エネルギー量をチェックしてみてください。
⇒データ出典:『厚生労働省』「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」P.7
■アラフォー世代が注意すべき栄養は「脂肪」「塩分」「カルシウム」
「栄養バランスの良い食事」とはよくいいますが、生活習慣病世代では以下のような点に注意しましょう。
●脂肪分を避ける
同じ分量でも、脂肪分は、タンパク質や炭水化物と比べてエネルギー量が多いのです。そのため、脂肪分の多い食事は高エネルギーになりがちで、肥満につながりやすくなります。また脂肪分の多い食事は、血中に脂肪を多くして、これが動脈硬化の原因にもなります。全ての栄養素をバランス良く取るのは大事ですが、アラフォーになったら脂肪分は減らしましょう。
●食塩を減らす
日本人の食事は塩分(食塩)が多いことでも知られています。食塩(塩化ナトリウム)を取ることは、体に必須のナトリウムを補給することでもありますが、食塩の取り過ぎは高血圧を招きます。
塩分の多い食事を取ると、血液中に増えたナトリウム濃度を薄めるために、喉が渇きますね。水分を補給すると血液量が増えて、血管・心臓に圧力を加えます。これが高血圧の元になるのです。
また、ナトリウムの過剰摂取⇒水分補給⇒血流の増大が常態化すると、その状態に耐えられるよう血管壁が厚くなり、その分血液が通る道が狭くなります。つまり「動脈硬化」です。動脈硬化は脳卒中、心筋梗塞、腎疾患などを引き起こす元となり、大変危険です。
厚生労働省によれば、2015年の調査時における日本人の1日の食塩摂取量(20歳以上)は、
・男性:11.0g
・女性:9.2g
となっています。女性を年齢階級別に見ると、
20-29歳女性:8.8g
30-39歳女性:8.5g
40-49歳女性:8.7g
50-59歳女性:9.2g
60-69歳女性:9.3g
です。ちなみに厚生労働省が推奨する1日の食塩摂取量は「男性:8.0g未満」「女性:7.0g未満」(男女とも18歳以上)ですから、日本人はかなり頑張って減塩に取り組まないといけないのです。
⇒データ引用元:『厚生労働省』「平成27年 国民健康・栄養調査結果の概要」P.23「1.食塩摂取量の状況」
●カルシウムを積極的に取る
アラフォー女性の場合は、カルシウムを積極的に取ることも心掛けるようにしましょう。これには、女性ホルモン「エストロゲン」が閉経に向かって減少していくことが関係しています。
実はエストロゲンは骨の代謝に関わっており、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きをします。しかし、エストロゲンの分泌が減少しだすと、骨の密度が低下してしまいます。これが、閉経後の女性に骨粗しょう症(骨の密度が低下しすかすかになる病気です)が多い理由なのです。
そのため、女性は特にカルシウムの摂取を積極的に行い、骨の健康を維持できるようにしなければなりません。ただ、カルシウムは取り過ぎると体外に排出されてしまう面倒な性質がありますので、自分に必要十分な量を毎日の食事から摂取する必要があります。ちなみに『厚生労働省』によれば、女性の1日の「カルシウムの食事摂取基準」は、
・18-29歳女性
推定必要量:550mg
推奨量:650mg
・30-49歳女性
推定必要量:550mg
推奨量:650mg
となっています。
⇒データ引用元:『厚生労働省』「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」P.31「カルシウムの食事摂取基準」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
●規則正しく食事を取る
日に三度、決まった時間に食事を取ることも大事です。仕事をしているとつい朝食を抜きがちですが、昼食・夕食で朝食の分まで食べることになり、食べ過ぎにつながります。朝食・昼食・夕食と三度に分けて食べる習慣をつけることが、腹八分目で済ませるコツともいえるのです。
アラフォー世代は「生活習慣病世代」でもあります。生活習慣病を避けるためにも、とにかく肥満にならないことが大事です。今回ご紹介したポイントに注意し、健康的な食生活を送るよう心掛けてください。
(高橋モータース@dcp)