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寝つきが悪い、子育てで寝不足…。「質の高い睡眠」をとるためのルール

2018.09.13

寝つきが悪い、子育てで寝不足…。「質の高い睡眠」をとるためのルール


睡眠は生涯時間のうちの約3分の1を占めているといわれています。人生の中でも多くの時間を費やす睡眠について、改めて知ることで効果的で良質な睡眠がとれるようになります。心と体を健康に保ち豊かな人生を送れるようにするために、睡眠について理解し、良質な睡眠をとるための方法を考えていきましょう。

睡眠のメカニズム

睡眠はREM睡眠(レム睡眠:Rapid-Eye-Movement)とNon‐REM睡眠(ノンレム睡眠:Non-Rapid-Eye-movement)の2種類の生理状態から成り立っており、睡眠時の脳波の波形が異なります。


REM睡眠とNon-REM睡眠は約90分の周期で繰り返され、一晩の間に3~5回繰り返します。寝ている間に夢をみることがありますが、それは「REM睡眠時の身体は休んでいる状態であるものの脳は活動状態にある」ことから起こります。


人が必要とする睡眠時間は、年齢によって異なります。

赤ちゃんは、一日あたり約16時間の睡眠が必要です。幼児になると9~12時間程度、成人になると6~9時間の睡眠が必要になります。睡眠のとり方も、赤ちゃんは何度も睡眠をとりますが、成長と共に1度にまとまった睡眠をとるようになります。さらに歳を重ねて高齢者になると、1度に睡眠をとらず、昼間に何度か居眠りをして夜間は数時間しか睡眠をとらないといったパターンへ変化します。


女性の場合、年齢に加え、ライフステージやホルモンバランスによっても睡眠は大きく変化します。

月経前になると、睡眠が浅くなったり、日中眠気が強くなったりします。それは、月経周期に伴って女性ホルモンが大きく変動することが影響しています。特に、妊娠初期には日中の眠気が強くなります。後期でも子宮の増大や収縮、胎動などの影響を受けて中途覚醒が増えるなどします。

出産後は睡眠のリズムが変わります。短時間に何度も睡眠をとる赤ちゃんに伴い、お母さんも睡眠が分断されてしまい、睡眠不足に陥ります。

また、閉経すると女性ホルモンが激減します。加齢にともなって睡眠は短くなりますが、ホルモンの影響で熟睡できなくなる方も多くなります。


このように、睡眠はさまざまな影響を受けてそのあり方が変化していきます。女性であればそうした変化がさらに顕著にみられます。うまく付き合って睡眠の質を高めるためにはまず、こうしたメカニズムを理解しておくとよいでしょう。

睡眠不足の悪影響


睡眠は私たちが生きていくために不可欠なものです。では、睡眠が不足すると心身にはどのような悪影響があるのでしょうか。


睡眠不足になると、免疫力と自然治癒力に影響が出るといわれています。また、成長ホルモンの分泌が減少してしまうため、赤ちゃんや成長期の子供は特に身長が伸びにくくなるなどの影響を受けてしまいます。大人の場合には、睡眠が不足することで胃や腸の働きが低下します。また、血中の食欲を抑えるレプチンというホルモン物質が少なくなり、反対に食欲を増進させるグレリンというホルモン物質が増えてしまうため、肥満になるリスクも高めやすくなるといえます。

そのほかにも、うつ病患者のほとんどが眠れなかったり、必要以上に寝てしまったりするなどの問題を抱えています。


睡眠が適切でない場合、精神的に不安定な状態を引き起こしてしまう可能性があります。つまり、睡眠不足が深刻な精神疾患の原因になることがあるといえます。逆に、精神的な不調が原因で睡眠不足になることもあります。

長時間の睡眠は「睡眠の質」を下げる?

一般的に成人の場合は個人差がありますが、おおよそ6~9時間の睡眠時間が必要とされています。少なすぎても多すぎても良くありません。適切な量と質をとることが睡眠には不可欠なのです。

稀にショートスリーパーと呼ばれる、睡眠時間が6時間未満でも健康状態を保つことのできる人がいますが、必要な睡眠時間についての個人差は遺伝子によってあらかじめ決まっているものなので、意図的にショートスリーパーになることは決してできません。

また、前日に長時間睡眠をすることで、翌日は睡眠時間を短く済ませるといった「寝だめ」は基本的にはできません。一方で夜更かしをした翌日に長時間睡眠をとることで、睡眠不足を解消することは可能です。しかし、長時間睡眠をとることで睡眠の質が下がり、体のバランスを崩しやすくするためおすすめはできません。

睡眠の質を高めるためのルール


これまで睡眠のメカニズムやその重要性についてお伝えしましたが、その質を高めるための方法をご紹介します。


●寝室の環境を見直す

寝室が換気されていなかったり湿気の高かったりする場所だと、カビやダニが増殖しやすくなります。睡眠中にこれらの異物を吸い込むことで咳やくしゃみが出ると、眠りも浅くなります。窓を開けて換気したり、空気清浄器を利用することで寝室の空気を入れ替えるようにしましょう。

また、外の光や音が入ってくる環境では覚醒度があがり、寝入りが悪くなります。必要に応じて遮光・遮音カーテンに変えるなどして静かな環境を作るようにしましょう。


寝具を見直す

枕が自分に合っていないと感じたことはありませんか?枕やマットレスが体に合っていない状態では体に負担がかかり、リラックスした状態で眠ることができません。自分に合った寝具を選びましょう。


●入眠しやすくなる準備をする

(1)寝る3時間前には夕食を済ませる

睡眠時には消化活動を終わらせていることが理想です。もしお仕事など生活スタイルの問題で、どうしても難しいということであれば、消化に良いものを少量食べるなどの工夫が必要です。


(2)湯船につかる

夏場や面倒なときはシャワーだけで済ませてしまいがちですが、それでは体が温まりません。体温を上げすぎても睡眠の妨げになるので、38度のぬるめのお湯に5~30分つかるようにしましょう。もし、どうしても湯船につかる時間がないなら、温かい飲み物を飲んで内臓から温めるようにしましょう。飲み物は白湯や生姜湯、カモミールティーがおすすめです。コーヒーや緑茶などのカフェインを含むものは、安眠を妨げるので避けましょう。


(3)寝る1時間前からスマホやタブレットの使用をやめる

寝るギリギリまでスマホを触ってしまうと、睡眠の妨げになります。寝る前はできるだけ見ないようにしましょう。最近ではスマホの機能として、暗いところで使用する際にディスプレイの明るさを目への影響が少ない色調に自動調整できるものがあります。

しかし、ブルーライトが完全に除去されるわけではないので、やはりスマホを触らないのが一番です。どうしても難しい場合はこういった機能も活用しましょう。



睡眠の質は、私たちの生活にも大きな影響を与えます。1度ご自身の睡眠を見つめ直し、睡眠の質を高めることで気分よく朝を迎えてみてはいかがでしょうか。




(執筆・監修 ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社)