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「どうしても片づけられない……」それは心の不調のサインかも?

2018.09.14

「どうしても片づけられない……」それは心の不調のサインかも?


突然ですが、あなたのお部屋はきれいですか?

「断捨離」「ミニマリスト」という言葉が定着しているくらい、片づけへの関心は高まっています。しかし、もしあなたのお部屋が、足の踏み場もないくらい物が散乱した状態であったり、何年も前に買った食材が放置されていたりするような状態なら、あなたが何らかの精神不安定性を抱えているサインかもしれません。今回はこうした「片づけられない」癖の原因たりうる精神疾患について見ていきましょう。

①ADHD(注意欠陥多動性障害)

最近になり知名度が増してきたADHDは、以下の3つを主症状とする疾患です。


不注意

集中が続かない・ミスしやすいなど


過活動

じっとしていられない・黙っていられないなど


衝動性

他人の話を遮る・自分の番を待てないなど


これまでは子供のみに現れる症状とされてきましたが、近年の研究では大人でも該当するとされています。原因はまだ不明瞭な部分が多いです。しかし、脳機能や遺伝子との関連を指摘する研究が多く、日常生活に支障のある場合には疾患と呼んで差し支えありません。


片づけられない癖については、ADHDの症状により部屋の状態に気が回らないことが原因だと考えられます。片づけられない自覚のある方の中で、幼少期や現在においても上記の3つの主症状に心当たりのある方は、ADHDの可能性があるかもしれません。

ADHDは原因が不明瞭であるがゆえに、薬物療法や認知行動療法などさまざまな治療法が提案されています。治療薬としては、メチルフェニデートやアトモキセチンという物質が用いられます。

②セルフネグレクト

様々な理由から、日常生活を送る上で必要な行動をとらない、またはとる能力がないことで心身が損なわれることを「セルフネグレクト(自己放任)」と呼びます。ゴミ屋敷と呼ばれるような家に住んでいる人の中には、このセルフネグレクトを患っている人が多いと考えられます。

セルフネグレクトは主に認知症になった高齢者の方が呈することが多く、ゴミを放置する以外に、介護や自治体の援助を拒むなどの行動を見せることもあります。とはいえ若い人も他人ごとではなく、うつ病になるとセルフネグレクトを発症することがあるそうです。

精神が滅入ってるせいで片づける気力が起きない、というような自覚のある方は、うつによるセルフネグレクトの疑いを考えてみてはいかがでしょうか。

③強迫性障害


強迫障害とは、手を延々と洗い続ける・鍵を閉め忘れたかが気になり外出しても何度も確認に戻ってしまうなど、頭では非合理だとわかっていながらもある観念にとらわれ、自分を安心させるような行動に過剰な時間を費やし、日常生活に支障が出ている状態のことを指します。

片づけられない癖のある強迫性障害は「保存強迫」と呼ばれる、大事なものを誤って捨ててしまうのではないかという強迫観念でものを捨てることができなくなってしまうケースもあります。

ちなみに、保存強迫と似て非なるもので、自ら率先して不必要なものをため込もうとする「ため込み症候群」なる概念もあるそうです。



なお、片づけられない癖の原因となる3つの精神疾患は、複合的に起こることもあります。例えば、ADHDが原因で周囲とそりが合わずうつ病になり、セルフネグレクトになるといった状態です。

部屋が汚く、上記の症状に心当たりのある方は、精神不安定性を抱えているのかもしれません。専門の治療機関を受診すると同時に、家族などの近しい人、または業者の力を借り、健康に過ごせる清潔な部屋を作っていきましょう。

参考:


丸善出版 2016 リッピンコットシリーズ イラストレイテッド薬理学 原書6版


ウィキペディア日本語版 ADHD

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A8%E6%84%8F%E6%AC%A0%E9%99%A5%E3%83%BB%E5%A4%9A%E5%8B%95%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3


強迫性障害(OCD)とゴミ屋敷(片づけられない.com)

https://www.katazukerarenai.com/topics/439/


「ゴミ屋敷」予備軍は1万超 今「セルフ・ネグレクト」が問題化〈週間朝日〉|AERA dot.

https://dot.asahi.com/wa/2014102900095.html

(いずれも2017/9/16閲覧の内容による)