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肌に悪いって本当?化粧品成分「ジメチコン」の真実に迫る

2018.09.27

肌に悪いって本当?化粧品成分「ジメチコン」の真実に迫る


いきなりですが「ジメチコン」って聞いたことありますか?化粧品に詳しい人は知っているかもしれません。

「知らない」と思ったあなたも「シリコーン」と聞けばピンとくるのではないでしょうか。「あ、あの肌に悪いやつだ」と…。


今回は、嫌われ者のジメチコンが本当に肌に悪いのかを解説します。

ジメチコンって何??


ジメチコン(医薬部外品成分名: ジメチルポリシロキサン)はヘアケア用品や化粧品によく使われるシリコーン油のひとつです。


水や油をはじいて薄い膜でコーティングしてくれるので、なめらかな触り心地になったり、ツヤを出して保護してくれたり、使い心地をよくするために配合されます。


たとえばトリートメントで髪の毛がサラサラになるのもこのジメチコンのおかげです。髪の毛に薄いベールを作ってくれるのですね。


ほかにもテクスチャー調整のためや、製品の気泡を取り除く目的でも使われます。無色透明でニオイもなく、とても安定した成分です。


ジメチコンはシリコーン油で、シリコーン油は油性成分のひとつです。お米で例えると【米(油性成分)→白米(シリコーン油)→コシヒカリ(ジメチコン)】といったようになります。同じシリコーン油のシクロメチコンやアモジメチコンは「あきたこまち」や「ひとめぼれ」ということですね。


では、シリコーン油が嫌われている理由である「シリコーン油は毛穴に詰まる」の噂に迫ります。

シリコーン油は毛穴に詰まる?


最初にお伝えしたいのは、「シリコーン油が毛穴に詰まることはない」ということ。

現在の研究によると、シリコーンは非常に細かい粒子なのでシャンプーで洗い流されることもわかっています。


それなのに嫌われるシリコーン油。そもそもなぜシリコーン油は悪者になってしまったのでしょうか。

それは美容室でのワンシーンが関連しています。


シリコーン油は髪の毛の表面をコーティングしてくれるので、シリコーン油入りのトリートメントを使うとカラー剤やパーマ剤が浸透しにくくなってしまうと考えられていました。


髪の毛をベールのように覆っているシリコーン油は、シャワーなどで水に濡れるとコロコロと球状になって隙間をつくるのでほかの成分の邪魔をしません。その上、シャンプーで洗い流せるのでシリコーン油入りのシャンプー、トリートメントを使用してもヘアカラー、パーマの効果に違いがないこともわかっています。


しかし以前は「ヘアカラーやパーマの前にはシリコーン油入りのトリートメントは使わないでください」というアドバイスをしていたところもありました。これがいつのまにか「シリコーン油入りのトリートメントは使ってはいけない」「シリコーン油はダメ」と、言葉だけがひとり歩きしてしまったことが「シリコーン油は肌に悪い」と言われる原因のひとつです。


また、オーガニックコスメや無添加化粧品の人気が出てきて「化学物質はよくない!」というイメージがついてしまったことも大きな要因だといえます。


このシリコーン油のもとは「ケイ素」という、カルシウムやマグネシウムなどと同じミネラル。土の中などに含まれている成分なのです。


「化学物質=悪!」のようなイメージを持ってしまいがちですが、化学物質とは「元素を組み合わせたもののこと」をいいます。

水も「水素」と「酸素」の元素を組み合わせた化学物質です。わたしたち人間も、骨のカルシウムは「Ca」、血液の鉄分は「Fe」などたくさんの元素からできているのです。

何に使われているの?

シリコーン油(例:白米)は毛穴に詰まらない、とわかってもらえたと思うのでジメチコン(例:コシヒカリ)の話に戻りますね。


ジメチコンは、熱や摩擦にも強く、ほかの成分と反応しにくいことがわかっています。

反応しないということは、変質することも有害な物質を出すこともありません。

そのためとても扱いやすい成分として幅広い製品に配合されています。


さきほどトリートメントを例に出しましたが、ベールを作ってくれるのでシャンプー後に髪がキシキシとするあの嫌な感じを軽減してくれたり、洗い流さないトリートメントの場合はドライヤーの熱や摩擦から髪を守ってくれたりします。


ハンドクリームにも使われていて、べたつかないので塗った後にすぐ作業ができます。水と油をはじくので、汗に強いウォータープルーフの化粧品にも欠かせません。


さらにジメチコンはなんと、薬にも使われているのです!

気泡を消す消泡作用があるため、胃や腸の中に小さな泡となってたまっているガスを出す「消泡剤」として内服薬に使われています。


使い心地をよくするために配合される化粧品から、症状に働きかける薬にまで使われているなんて驚きですね。

本当に安全なの?


ジメチコンはアレルギーが起こりにくく、皮膚刺激もほとんどないといわれ、安全な成分だということがわかっています。しかし、目に入ると赤くなったり不快に感じたりすることがあるという報告もあります。


ただ、化粧品に含まれるのは少量のため、重大な刺激はないといわれています。


また、コーティングのパワーが強いのでメイクなどで使用した後はクレンジングでしっかり洗い流すことも重要です。


スキンケアの製品にも、テクスチャーの調整や気泡を消すために配合されることもあります。通常、問題はないのですが、ニキビができやすい方はジメチコンのベールが原因になる可能性もあるので、お肌の状態に合った化粧品を使うようにしましょう。


ジメチコンに限らず、化粧品成分はそれぞれ合う、合わないがあります。

もし異変を感じたら使用をやめて、皮フ科専門医などへのご相談をおすすめします。

ジメチコンは「悪」ではない

何かと嫌われてしまう化粧品成分の「ジメチコン」。

しかしその実態は、とても安全で化粧品の使い心地をよくするための成分です。

 

みなさんもジメチコン=悪だと決めつけずに、自分自身に合う化粧品を選んでみてくださいね。


 

【爪肌育成マエストロ/大森里奈】

参考文献

「美肌のために、知っておきたい化粧品成分表示のかんたん読み方手帳/久光一誠」2017 永岡書店

東機産業ジメチルポリシロキサン安全データシート

株式会社 陽進堂 ガスオールHP