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発汗、動悸、倦怠感…。更年期障害の症状に似ている?「バセドウ病」とは

2018.10.16

発汗、動悸、倦怠感…。更年期障害の症状に似ている?「バセドウ病」とは


「バセドウ病」は女性に多い病気です。特に20-30代の女性に発症することが多いのですが、40代以降になれば発症しないわけではありません。中高年になって発症した場合、症状が似ているため「更年期障害」と勘違いする人がいるようです。

今回はこの「バセドウ病」の症状や治療法について解説します。

記事監修



工藤孝文 先生


糖尿病内科、ダイエット外来、漢方治療、女性内科 医師。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。2017年よりスマホ診療を導入し全国規模での診療も行っている。

医師+(いしぷらす)所属。


・工藤内科 クリニックホームページ

http://www.kudonaika.com/

・工藤孝文先生のスマホ通院できるダイエット外来

https://ameblo.jp/takafumikudo

■バセドウ病って?

「バセドウ病」は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、新陳代謝が異常に促進されてしまう病気です。


甲状腺ホルモンは、喉にある「甲状腺」という組織から分泌され、新陳代謝を促進する働きをします。このホルモンは、血液中の濃度が常に一定の量になるように、脳の下垂体という部位でコントロールされています。


下垂体から「甲状腺刺激ホルモン」が分泌されると、甲状腺にある受容体がキャッチして甲状腺ホルモンが放出される仕組みになっています。受容体というのは、特定の物質(この場合は甲状腺刺激ホルモン)を受け取るための専用窓口のようなものです。


この窓口で甲状腺刺激ホルモンをキャッチしたときにだけ、甲状腺ホルモンが分泌されるのです。血液中に甲状腺ホルモンが増え過ぎると、下垂体は甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑えます。すると、受容体がキャッチする量も減り、甲状腺ホルモンはあまり分泌されなくなるのです。結果、血液中の甲状腺ホルモンの量が減少します。


ところが、何らかの原因で血液中に甲状腺を刺激する異常な物質(「甲状腺刺激抗体」といいます)ができ、これが受容体を刺激し、甲状腺ホルモンの分泌量が必要量より多くなる状態になることがあります。これがバセドウ病です。

■バセドウ病の症状は更年期障害に似ている?


バセドウ病では甲状腺ホルモンが分泌され続けるので、新陳代謝が活発になり過ぎてしまい、以下のような症状が現れます。

・発汗/汗をかきやすい/暑がる

・微熱が継続する

・手足が震える

・動悸(どうき)/息切れ/頻脈

・疲労感/倦怠(けんたい)感

・いらいら/集中力の低下

・口が渇く

・旺盛な食欲(あるいは食欲の低下)

・排便回数の増加

・肌の痒(かゆ)み/頭髪の脱毛

・不眠

・月経不順、無月経などの月経異常

・甲状腺の腫れ

・眼球が出てくる

最後の「眼球突出」はバセドウ病の大きな特徴で、バセドウ病になると顔つきが変わるといわれます。ただし、全ての症例で眼球突出が見られるわけではありません(3割程度といわれています)。そのため医師にかかり、検査をするまでバセドウ病と分からないこともあります。


また、発汗などの症状は更年期障害の「ホットフラッシュ」に似ているため、更年期の女性は「更年期障害」と誤解してしまうことがあるのです。

■バセドウ病の治療

上記のような仕組みで発症しますので、バセドウ病の治療では甲状腺ホルモンの分泌を抑えることがキーポイントになります。そのために次のような治療法が行われます。

  • 抗甲状腺薬の服用

    「抗甲状腺薬」を服用し続けて、甲状腺ホルモンの分泌を抑えます。服用期間は1年以上になるなど治療に時間がかかります。

  • アイソトープ治療

    「放射性ヨウ素」を服用して甲状腺の組織を破壊します。甲状腺ホルモンをつくる場所を少なくすることで、甲状腺ホルモンの分泌を抑えます。

  • 手術

    甲状腺を切除して甲状腺ホルモンの分泌を抑えます。

どの治療法を取るかは、症状の進行や甲状腺の腫れの程度によって異なります。専門医の診察を受け、相談するのがよいでしょう。



ご紹介したとおり20-30代の女性に多いバセドウ病ですが、40代以降で発症する可能性もあります。発汗などの症状があったら、「更年期障害だろう」などと自分で決め付けず、専門医を受診するようにしてください。


(高橋モータース@dcp)