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加齢が気になるお肌の救世主!化粧水や乳液に欠かせない保湿成分「グリセリン」の魅力とは

2018.10.22

加齢が気になるお肌の救世主!化粧水や乳液に欠かせない保湿成分「グリセリン」の魅力とは


化粧水をはじめとして美容液、クリーム、シャンプー、ボディーローションなど…。日ごろ私たちが手にしている化粧品の多くに配合されている「グリセリン」。美容についてあまり詳しくないかたでも聞いたことがある成分かと思いますが、このグリセリンが私たちの肌にどのような働きをしているのか、あらためて見ていきましょう。

■グリセリンの効果:使用感の向上と保湿

すべての化粧品のベースとなる基本成分は大きく分けると水溶性成分、油性成分、界面活性剤の三つに分類されます。グリセリンはこのうちの「水溶性成分」にあたり、主に保湿成分として使用されています。

グリセリンそのものは無色透明、粘性のある液体でにおいもなく、同じく水溶性成分として使われているエタノールと比べても皮膚への刺激が少なく保湿効果が高いといわれています。「保湿効果」は肌質改善をするうえで重要な役割を果たすため、多くの化粧品に配合されています。


またもうひとつの特長として、クリームなどを低温でも固まりにくくする効果があります。保湿成分としてだけではなく、濃度や感触を調整する役割も兼ね備えているのです。

■保湿に優れている理由:水になじんで、水分の蒸発を防いでくれるから


グリセリンは水と相性がよく、なじみやすい性質を持っています。そのためグリセリンが化粧品に配合されていると、主成分の水と混じり合うことで肌から水分が蒸発しにくくなります。私たちの肌は本来、天然保湿因子(ナチュラルモイスチュアライジングファクター、NMFと呼ばれている成分)を持っていて肌表面の水分を保つ働きをしてくれています。しかしNMFは年齢とともに減少していくため、年齢を重ねても肌に潤いを保つには外から補うことが大切。グリセリンの入った保湿効果の高い化粧品はとても効果的です。


またグリセリンはヒアルロン酸やコラーゲンといった水溶性保湿成分とも相性が良く、さらに保湿効果を高めることができるため、これらと組み合わせてエイジングケア化粧品としても多用されています。


グリセリン同様に、保湿効果に優れよく似た特長を持つBG(ブチレングリコール)という成分があります。BGも水との相性が良いため化粧品の保湿成分として配合されています。しかし、保湿効果としてはグリセリンの方が優れているため、たとえば同じ商品ラインの化粧水でも「しっとりタイプにはグリセリン」、「さっぱりタイプにはBG」のように使い分けられている場合もあります。

■注意点:グリセリンが高濃度になると乾燥につながる?

グリセリンは高濃度の状態で水と混じり合うと発熱する性質を持っています。この性質を利用し、温感クレンジングやマッサージ料といった温感化粧品の主成分としても配合されています。この場合だと、成分表示でグリセリンが水より多い一番目に記載されていることもあります。しかし、安全性が高く低刺激なグリセリンでも、濃度が高すぎると肌表面の水分までも奪ってしまいます。

温感化粧品は肌にのせるとほんわか温かく、化粧料の汚れを浮き上がらせ血行をよくするため、ポジティブなイメージを抱く方も多いかもしれません。しかし、グリセリンの保湿効果を期待して、保湿アイテムとして取り入れてみたらなぜかカサカサ肌に…なんてことになっては大変ですね。

そのため、温感化粧品は正しい目的にのみ使い、保湿するためには化粧水や乳液、美容液などを使用するようにしましょう。


また、ニキビ肌への使用には注意が必要です。グリセリンはニキビの原因菌となる細菌(一般的にアクネ菌と呼ばれています)の大好物だといわれています。大人のニキビ肌の場合は乾燥が原因になることもあるので保湿は大切ですが、アクネ菌のエサになる場合も。日ごろからニキビ肌にお悩みの方には、グリセリンよりもBGを使ったさっぱり保湿がおすすめです。

■化粧品以外の汎用性:甘味料・食品の保湿剤としても活躍


毒性が低く安全性が高いグリセリンは、化粧品以外にも医薬品や食料品といったものにも幅広く使われています。

グリセリンには石油化学材料から作られる「合成グリセリン」とヤシの実やパーム油などの油脂を生成して作られる「植物性グリセリン」があります。より高い純度が求められる医薬品には主に「合成グリセリン」が使用されています。


グリセリンが配合されている医薬品のひとつに「浣腸」があります。体内に直接入れても安全で、水分を吸収しやすいという特長を生かして排便を促します。他にも目薬、歯磨き剤、うがい薬、軟膏などに使用されており、潤いや感触の調整、潤滑剤として広く利用されています。


実を言うとグリセリンにはショ糖の半分位のほのかな甘みがあります。このほのかな甘みを利用して食品添加物の甘味料としても使われています。グリセリンによる甘味料は虫歯の原因にもなりにくく歯のためにも良さそうですが、実は砂糖よりも高カロリーという落とし穴も。

また、食品添加物としてのグリセリンは甘みを付けるほかにも、ガムの粘度の調整や食品の水分を保持するための保湿剤などに利用されています。



こうして化粧品や医薬品、食料品の成分表示をあらためて見てみると、あれにもこれにも「グリセリン」の文字があることにきっと驚くことでしょう。あらゆる分野で活躍しているグリセリン。多くの化粧品成分として、私たちの生活で身近な存在となっているのにも納得ですね。



(爪肌育成マエストロ/前田吉未)

<参考資料>

・ANSEM爪肌専門技術者育成セミナー第二講テキスト「化粧品・ネイル商材の化学成分」かずのすけ

・「化粧品成分検定公式テキスト」 一般社団法人化粧品成分検定協会編(実業之日本社)

・「化粧品成分ガイド第6版」 宇山侊男、岡部美代治、久光一誠編著(フレグランスジャーナル社)

・「チャレンジライセンス 乙種4類危険物取扱者テキスト新訂版」(実教出版) 工業資格教育研究会