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睡眠の質をアップするために「寝具」「衣類」「光」を見直そう

2018.10.27

睡眠の質をアップするために「寝具」「衣類」「光」を見直そう


なかなか眠れない…。起きてもすっきりしない…。

研究では約5人に1人が睡眠で悩んでいることがわかっています。どうすれば改善するのでしょうか。

特に朝起きてもすっきりしない、むしろ肩こりや腰が痛いという場合、寝具が合っていない可能性があります

自分にとって「睡眠に良い枕」とは


生物の中で枕が必要なのは人間だけです。これは進化の過程で人間の脳が発達し大きくなったためといわれています。進化して重くなった頭を休めるのは寝ている時だけです。400万年前の人類であるアウストラロピテクスが枕を使っていたことが遺跡で発見されていることから、人間と枕の関係は非常に密接であるといえるでしょう。


さて、枕で重要なポイントのひとつは高さです。首の骨(頸椎)はS字のカーブをしているのですが、これを保つ高さが重要です。高い枕だと頭が前傾し過ぎて、寝ている時でも首と肩が緊張状態になってしまいます。低い枕だと首の骨のカーブを保てず首に負荷がかかる状態になります。


起きた時に首や肩が痛い、腕がしびれる、顔がむくんでいるなどの症状があれば、枕が合っていない可能性があります。理想の高さは横向きで寝た時に、額、鼻、顎、胸の真ん中までの一直線が床と平行である状態です。また仰向けの場合、約15度前後の前傾がある状態が理想です。

布団選びの基準は「バランスの良い姿勢を保てる」かどうか

布団選びの時に重要なのが、まず放湿性です。放湿性とは、吸収した水分を素早く空気中に放散させることをいいます。私たちは寝ている時に大量の汗をかきます。眠りにつくと、頭を冷やすために体から熱を逃す必要があるからです。放湿性が良いと発汗の循環作用が良くなります。放湿性に優れた素材としては一般的に羽毛やウールがあげられますが、個人的な好みや予算の都合などがあると思いますので色々調べてみましょう。


かけ布団は重い方が好きだという人がいるかと思いますが、基本的には軽さが重要です。重すぎると体の凸部の毛細血管が圧迫される可能性があります。また、敷き布団で重要なのは自然な体の姿勢を保てるか、体の圧力を適度に分散できるか(体圧分散できているか)です。


どんな姿勢が一番快眠できるかというと、立った姿勢なのです。立った姿勢が、一番バランスが良いからです。立っている時、背骨はゆるやかなS字カーブをとっていますが、寝ている時もこの姿勢を保持できることが重要です。敷き布団が柔らかすぎるあるいは硬すぎると体の一部(お尻や肩甲骨など)が沈んだり、強い負荷がかかったりしてしまって、血行不良になりやすいといわれています。また、敷き布団の表面が凹凸の形状の方が局部のうっ血を避けることができるとされています。

寝るときの服の素材


寝ている時、どのような服を着ていますか?寝る時の服の素材のポイントとして、吸湿性が高くむれない、繰り返し洗濯できる丈夫さ、ゆったりとして寝返りがうちやすい、気乱れしない、熱の放散が良い、肌触りが良い、があげられます。


おすすめの素材はシルクコットンで、どちらも肌触りが良く吸湿性に優れています。または放熱性があり涼感を得られやすく耐久性に優れています。ガーゼも保湿性、吸水性が良くおすすめです。


ちなみに外国では裸で寝ている人も多いといいます。裸で寝るメリットとして、解放感を得られやすく、血液循環が良くなるという点があげられます。ただし汗などで寝具が汚れやすいという衛生面のデメリットもあります。日本でも裸で寝ているという人もいるかと思いますが、海外に比べると少ないようです。その理由としては、日本は災害が多く緊急時に不向きであるという背景が関係していると考えられています。

目覚まし時計は音より光


朝すっきりと起きられない人は少なくないでしょう。従来の目覚まし時計は音刺激によるものですが、最近では光刺激による目覚まし時計が売られています。光の成分は覚醒刺激として最適です。アラームで起きているけど寝覚めが悪いという方は、一度光刺激による目覚まし時計を試してみてください。

寝具の見直しで、睡眠の質は向上する

最後に、寝具と睡眠の関係を検証した研究を簡単にご紹介します。パラマウントベット株式会社と国立精神・神経センター精神保健研究所との共同研究です。60代の男女16名に普段使用している寝具(ほとんどの者が布団)と寝返り・寝心地の良さを重視したマットレスをそれぞれ1週間ずつ使用してもらいました。結果、実験で使用したマットレスの方が、中途覚醒(夜中に目が覚める)の時間が少なく、入眠潜時(寝るまで布団に入っている時間)が短くなり、睡眠効率が改善されました。


なかなか眠れない、寝起きが悪いなど睡眠で悩みを抱えている方は、もしかしたら寝具を変えれば改善するかもしれません!寝具売り場で寝心地を試してみてはいかがでしょうか。

参考文献

久保田 博南・五日市哲雄 おもしろサイエンス 枕と寝具の科学 B&Tブックス 日韓工業新聞社 2017年

三島和夫 不眠の悩みを解消する本 法研 2015年

木暮貴政・西村泰昭・郭怡・白川修一郎 寝返り・寝心地を重視したマットレスによる睡眠改善効果 日本生理人類学会誌13巻4号 p.185-190 2008年

(執筆・監修 ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社)