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もともとは薬だった。「冷え」で悩む人にぴったりの入浴剤「エプソムソルト」とは?

2018.10.29

もともとは薬だった。「冷え」で悩む人にぴったりの入浴剤「エプソムソルト」とは?


「エプソムソルト」をご存知でしょうか。

正式名称は「硫酸マグネシウム」という無色透明の結晶で、いつからか入浴剤として使われるようになった成分です


実際に入浴時に使ってみたところ、冗談のように汗が吹き出してしばらく引かず、体がぽかぽかになりました。

いったいどんな作用で汗をかくのでしょうか。また、なぜ入浴剤として使われるようになったのでしょうか。

今回は、まだ日本ではなじみの薄い成分「エプソムソルト」の謎を解き明かしてみましょう。

*エプソムソルトとは?


ソルトという名前がついているので「塩」のイメージがあるかもしれません。しかし実際は海水に含まれる「にがり」の成分なので、塩分は含まれていません。

海水は、96.6%が水で残りの3.4%が塩。この塩の中の成分のひとつが硫酸マグネシウムです。


エプソムソルトの発見は、1618年にイングランドのサリー州エプソムという町でHenry Wicker(ヘンリーウィッカー)さんという牛飼いが、牛に水たまりの水を飲ませようとした際、水分が蒸発した部分から塩のような結晶を見つけたのがきっかけです。


その後その牛が快便になったことから、350年余り硫酸マグネシウムは「便秘の治療薬」として有名になります。


では「便秘の治療薬」はいつから入浴剤として使われるようになったのでしょうか?

*入浴剤としての歴史

日本は、昔から温泉など入浴の歴史がありますよね。実はヨーロッパも、リラックス目的や湯治目的での入浴は盛んです。

エプソムソルトを見つけたあと、またもやヘンリーさんは

「傷を負った動物が、この苦い水の中を通ると治りが早い」と新たな発見をしたのです。


そこから現在の「入浴剤として使用する」という発想につながり、実際にエプソムソルトを入浴剤として使用するようになったそうです。

ヨーロッパでは100年以上の歴史があるそうですが、日本に入浴剤としてやってきたのは2013年。5年程前です。


さて、まだ日本では新しいエプソムソルトの効果、効能を探ってみましょう。

*エプソムソルトの温熱効果について

人の表皮は、ケラチンというたんぱく質によって形成されています。


マグネシウムが皮膚表面のたんぱく質と結合して膜を張ることで、熱の放出を防ぎ温熱効果を感じられます。体を芯から温めて発汗を促すほか、筋肉痛や打ち身などの痛みを和らげる効果もあります。


日本温泉協会によると、温泉は、含まれる成分や温度などの特徴により10種類に分類されるそうです。そのなかでマグネシウムの炭酸水素塩泉の効能は

・冷え

・切り傷、すり傷

・冷え、乾燥

だとされています。


エプソムソルトを入浴剤として使ったとき、体が温まったのも納得です。

*自宅で取り入れる方法


エプソムソルトはインターネットや薬局で気軽に購入できます。


バスタブの大きさにもよりますが、大体、胸の下くらいまでの湯量で150ℓほどになると思いますので、その湯量に対して0.1%は必要だそうです。


湯量150ℓに対して0.1%だと、エプソムソルトは150g。お米の計量カップ 1杯で、大体150gです。結構たっぷりの量ですね。

肩まで浸かりたい方は200ℓくらい必要なので、エプソムソルトは200g必要になります。


いちどにたくさん使うのがもったいないと思う方は、足湯という方法もあります。ただ、やはり腰くらいまでは浸かった方がエプソムソルトの魅力を実感できると思います。



お湯の温度は夜の入浴であれば、発汗目的でもリラックスできるように39〜41度くらいがいいでしょう。時間としては10〜20分浸かるのを、各エプソムソルトメーカーでも推奨しています。


夜に42度以上で入浴すると交感神経が刺激されて寝つきが悪くなってしまうので、熱いお湯が好きな方は就寝の2時間前までには入浴を済ませるか、シャキッと起きるために朝に入浴するなど工夫すると良いかもしれません。



ちなみに欧米では36〜37度の入浴が一般的なのだそうです。ぬるく、ゆっくりですね。


また、エプソムソルトは無色無臭なので、雰囲気として物足りない方、入浴剤は香り重視!な方はアロマオイルを足したり、バスオイルで香りづけしたりして楽しんでもいいですね。


粒が細かいものを選べば硬く角質化した部分にスクラブとしても使用できます。さらに、エプソムソルトは塩ではないので、残り湯は追いだきもできます。洗濯にも使えるので、資源を大切にする意味でもいいですね。

*注意すること

注意点として、「入浴時間10〜20分を守る」といわれていますが、はっきりとした理由はわかりませんでした。

温泉施設でも「入浴時間は◯分」と決められているところが多いので、長湯には気をつけましょう。


メーカーの注意書きには小さなお子さんに使っても大丈夫だという記載がありました。しかし、妊婦さんがマグネシウムを経口摂取すると、胎盤を通して胎児が高マグネシウム血症をおこすことがあるそうです。妊婦さん、妊娠の可能性がある人は口に入れないよう気をつけましょう。



温泉天国といわれる日本にいる私たち。自宅でも温泉気分になれる成分を活用して入浴を気軽に楽しみながら、きれいになれるといいですね。



爪肌育成マエストロ/RumikoNakaya

参考資料

A Brief History of Epsom Salt:Apartment Therapy

apartmenttherapy.com

クシロ薬局chushiroph.com