巷にあふれる「潤い保湿」の文字。使ってみたけどそうでもないし、どれを使ったら本当に肌が潤うの?と悩む人も多いはず。
「そもそも、肌に合う成分や合わない成分ってどうやって見分けるの?肌にいい成分、肌に優しい成分……、一体どれが一番いいのー?!」
そんな断末魔の叫びが聞こえたような聞こえないような。
このシリーズは、肌育成スペシャリストの筆者が実際に使ったコスメを元に
「どの成分が気になったのか?」「何をいいと感じたのか?」というポイントも交えつつ、綺麗な肌をつくるために必要な知識や化粧品成分の豆知識をみんなで学んでいこう!というもの。
たくさんある美容についての疑問。その答えを見つけ出せるようなシリーズです。
古くから「唇の保護にははちみつ」といわれていることはご存知ですよね。実際、はちみつを塗ってラップで蓋をするようなリップケアを試したことがある方もいらっしゃると思います。
今回は、はちみつの効果や、はちみつ成分がたっぷり使われているコスメをご紹介します。
◇はちみつが持つ力とは
はちみつは栄養成分が豊富で、化粧品成分でもよく使われるスクロース(糖)もたっぷり。糖とはショ糖、つまりお砂糖のことです。
塩は水分を含ませると水分が蒸発して塩だけ残りますが、
お砂糖は水分となじませる長く水分が残ってベタベタしていますよね。
お砂糖は水分を蓄えることが得意なので、保湿成分として化粧品に配合されていることがよくあります。そんな「スクロース」でできているのが「はちみつ」なのです。
唇は空気の乾燥でも乾きますが、唾液や水分で濡れることでも乾燥を感じます。唇が濡れると水分の蒸発が起こるので乾きやすくなってしまうんですね。
暑い日は水分をとることが増えるので、唇が濡れやすく、乾燥につながりやすくなります。
また、エアコンや紫外線でも乾きやすくなります。冬の空気でも唇は乾きやすいので、一年中「保湿」が必要です。
だから保湿成分たっぷりな「はちみつ」が、リップケア用品によく使われるのですね。
◇はちみつ配合コスメを選ぶなら?
水分を蓄えてくれることに期待をして使っているのが、「はちみつ屋さん」が発売しているはちみつリップ。
その名の通り、ほぼはちみつでできたリップクリームです。
見た目もはちみつ。味もはちみつ。世界で一番甘いと言われているはちみつでできているだけあって、コスメとは思えないほど甘いのです。本物のはちみつを持ち歩いて塗っているような感覚です。
●やさしいはちみつリップクリーム (長坂養蜂場)
▲8g 1,080円
【配合成分】※主要成分のみ※
・はちみつ
・トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2
・ダイマージリノール酸水添ヒマシ油
・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル
【おすすめポイント】
何といっても「口に入ってしまってもおいしい」ところがおすすめポイントです。
コスメのなかには、色や香りが良くても変な味がするものもありますが、そういったストレスを全く感じない商品です。
ビタミン類も豊富でミネラルやポリフェノールまで含まれているはちみつ。美容食品としての歴史も長いですが、私たちの身体をつくっている「アミノ酸」も豊富。心強い成分がたっぷり含まれているのです。
唇のパックに食用のはちみつを使う方も多いと思いますが、食品成分は胃酸で分解されることを想定して発売されているもの。
化粧品成分は、弱酸性である肌につけることを想定されているので、精製度がとても高いものが多いのです。
食品のはちみつを持ち歩くのも大変ですし、肌に適合させた化粧品成分のはちみつなら、気軽に持ち歩けて便利です。
このリップは、適度に塗り重ねるとほとんど「唇の乾燥」を感じませんでした。
【注意点】
チューブタイプのリップクリームを唇に直接つけて使うと、一度唇に触れた液体を再度中に戻してしまうことがあります。
使う分だけクリームを出して綿棒に取ってから唇につけるなど、衛生的な使い方をしましょう。
また、はちみつにアレルギーがある方はもちろん、花粉症がひどい方も注意が必要です。蜂が集めているのは「花の蜜」なので、ご自分の肌に刺激にならないかどうかを試してから使ってみてくださいね。
このリップを使い続けてみて「こういうときは使うのを止めておこう」と思ったのが、食事の前。リップクリームの甘さで、ごはんやお刺身が微妙な味になってしまったことが数回ありました。
それだけ甘くておいしいということなのですが、食事の前の使用は避けたほうがよさようです。
タイミングを工夫しながら試してみてくださいね。
(社)日本爪肌美容検定協会代表理事/川上愛子