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胸にしこりがある…?閉経後に多い「乳管拡張症」とは?

2018.11.07

胸にしこりがある…?閉経後に多い「乳管拡張症」とは?


女性は年齢を重ねるとともに「乳房に関する病気」にかかる可能性が高くなります。最も注意すべきは「乳がん」ですが、そのほかにも、さまざまな病気があるのです。今回は、乳房(乳管」の病気のひとつ、「乳管拡張症」についてご紹介します。

記事監修


増尾有紀


乳腺外科医、検診マンモグラフィ読影認定医

厚生労働省健康局長 医師緩和ケア研修会修了


日本大学医学部卒業。    

その後大学病院での研修を終えて都内病院勤務。

日本乳癌学会、日本外科学会、臨床外科学会、日本乳癌検診学会、女医+(じょいぷらす)所属

■「乳管拡張症」とは?


乳管拡張症は、乳腺から分泌される母乳(乳汁)が通る「乳管」が拡張してしまう病気です。多くの場合、乳管、乳管の周辺組織に炎症が見られます。40-55歳に多く発症するとされますが、30代でも見られる病気です。


乳管拡張症は、自覚症状が特になく超音波検査などの画像診断で見つかるケースが多いのですが、自覚症状としては以下のようなものが挙げられます。

●乳管拡張症の主な症状

・乳房の痛み

・乳頭からの乳汁の異常分泌

・乳頭の陥没

・乳輪下にしこりがある

・膿瘍(のうよう:組織にうみがたまる症状)が見られる

しこりは「かたい」「境界線上が不明瞭」といった特徴で、乳がんと類似していることがあります。この場合には専門医を受診して確定診断をしてもらいます。画像診断でがんとの識別が難しいケースでは、組織の一部を取り出して検査する「生検」の必要があります。

■乳管拡張症の原因と治療

乳管拡張症の原因としては、


1.乳腺での乳汁の過剰な分泌

2.乳管、乳管周辺の炎症

3.乳管内乳頭腫によるもの


が考えられます。乳汁の過剰な分泌が起こると乳管内に細胞の破片や脂肪を含んだ分泌物がたまりやすくなり、それが詰まって炎症の原因となるのです。「乳管内乳頭腫」というのは乳房の乳管内に発生する良性のしこりで、これによって乳頭から分泌物が出るといった症状が現れます。


乳管拡張症は「良性の乳腺疾患」のひとつとされますが、

  • 乳汁の異常な分泌が続く

  • 炎症を繰り返す

  • 乳管内に腫瘤(しゅりゅう)がある

  • 瘻孔ができてしまう

という場合には手術を行い、拡張した乳管を含めしこりや瘻孔などの病巣部分を切除しなければなりません。



乳管拡張症は、自覚症状がなく「乳がん検診」の際に見つかることが多いとされます。もちろん、自覚症状がある場合には早く専門医の診察を受けてください。乳管拡張症は良性の乳腺疾患ではありますが、ほかの重篤な疾患であれば早く鑑別し、治療を始めなければなりません。


(高橋モータース@dcp)