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最近よく眠れていますか?「睡眠障害」の原因と改善方法

2018.11.09

最近よく眠れていますか?「睡眠障害」の原因と改善方法


何かとせわしない現代に、「よく眠れている」と言える人はどのくらいいるでしょうか?厚労省の推計では、日本人のおよそ5人に1人が大なり小なりの不眠に悩んでいる、というデータがあります。不眠をはじめとした睡眠障害に関する知識を深め、よい睡眠をとるためのカギを探していきましょう。

・不眠の原因は「5つのP」と「不眠症」

不眠の原因として、5つのPというまとめ方があります。

1.Physical(身体的要因)

体の痛みや病気による不眠。


2.Physiological(生理的要因)

騒音や光、温度、衛生環境などが原因の不眠。


3.Psychological(心理的要因)

ストレスや喪失体験、心的外傷による不眠。


4.Psychiatric(精神疾患関連)

うつ病や不安症、神経症による不眠。


5.Pharmacological(薬剤性)

服用薬や、アルコールやカフェインなどの化学物質による不眠。

最近よく眠れないという方は、以上の原因のうちどれが自分にあてはまらないかをよく考えるとよいでしょう。


実は、よく聞く「不眠症」は、上記のいずれかが原因で起こるものではありません。いわゆる「不眠症」は正式名称を「原発性不眠症」といいます。原発性不眠症は、不眠の原因となる上記の要因がないにもかかわらず慢性的に不眠が持続し、起きているときに疲労や抑うつや集中力の欠如がみられる状態のことを指します。

あなたの不眠には、はっきりとした原因がありそうでしょうか?

・不眠の改善のためには「寝ようとするな」?


原発性不眠症の原因となるのは、「寝なければいけない」という強迫観念です。つまり、寝床についたときに「自分は不眠なのだから一刻も早く治さなくては」という緊張感がかえって不眠を促してしまうという構造です。この繰り返しがやがて条件反射となり、寝床に入るだけで眠れなくなるという厄介な症状になってしまうのだそうです。ちなみに、原発性不眠症の患者さんは感情を抑圧する傾向が強く、抑うつやヒステリー、精神衰弱を呈する人も多いそうです。こうしたパーソナリティにより、強迫観念を持ってしまうのかもしれません。


そうした緊張感に由来する原発性不眠症の治療法として有効なのは、刺激調整療法と呼ばれるものです。これは、寝床に入ると眠ることができるという条件反射を確立するためのもので、患者さんには「眠くなってから布団に入ること」「寝床に入って10分しても眠れなければ、寝室を離れて、眠くなるまで何か退屈な作業をすること」などの指導がされます。これらに従い、原発性不眠症の患者さんは徐々に不眠から回復することができるのだそうです。


「寝なければいけない」という強迫観念をやわらげるという発想は、原発性不眠症とまではいかなくとも何となく寝つきが悪いという方にも有益ではないでしょうか。寝るときには力を抜いて、考えすぎないことを意識しましょう。

・その他不眠の原因:「睡眠時無呼吸症候群」と「むずむず脚症候群」

さて、睡眠障害とは何も原発性不眠症に限ったことではありません。ここでは補足として、特に「眠れない」という障害をもたらす二つの睡眠障害「睡眠時無呼吸症候群」と「むずむず脚症候群」について解説します。


睡眠時無呼吸症候群とは睡眠時、「10秒以上の無呼吸状態」が1時間に5回以上起こることを指します。睡眠が障害されるため不眠となるほか、いくら寝ても昼間に眠くなるという症状が出ることもあります。中年期以降の男性に多い疾患とされていますが、肥満による気道の閉塞が原因で起こることがあるため、女性でも注意は必要です。


むずむず脚症候群とはその名の通り、睡眠時に脚がむずむずする・チクチクするなどの感覚に襲われ、眠れなくなるというものです。明確な原因は不明ですが、効果のある薬物が明らかにされているため薬物療法で対応可能です。


活力ある日常を送るためには、睡眠が重要です。最近よく眠れないとお悩みの方は、まずはその原因を考えることからはじめましょう。



(執筆・監修 ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社)