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「グルコサミン」は効果なし?関節痛が気になるなら整形外科に行くのが◎

2018.11.10

「グルコサミン」は効果なし?関節痛が気になるなら整形外科に行くのが◎


健康食品のなかで「グルコサミン」という名前を見かけることがあります。通販番組などで「関節痛を減らす」と紹介されていますね。このグルコサミンとはそもそもどんな物質で、本当にそのような効果があるのでしょうか?

今回はグルコサミンの正しい効能についてご紹介します。

記事監修



金永優(きん・よんう)先生


韓国 ソウル大学医学部卒業。京都大学大学院医学研究科整形外科学講座にて医学博士取得。京都大学医学部附属病院で研修後、倉敷中央病院、浜松労災病院、京都市立病院、滋賀県立成人病センターに勤務。2017年4月よりフランス・パリのピィティエ・サルペトリエール病院に整形外科医として留学中。医師+(いしぷらす)所属。


▼詳細プロフィール

https://mycarat.jp/experts/198

■そもそも「グルコサミン」って?

「グルコサミン」は「アミノ糖」※のひとつで、動物の場合には皮膚や関節の軟骨組織をつくる基となる物質です。エビやカニなど甲殻類の外骨格は「キチン質」からできていますが、このキチン質の主成分にもなります。また、キノコなど真菌類の細胞壁の基になるのも「グルコサミン」です。このように、グルコサミンは骨格組織、体組織をつくっている物質なのです。

■「グルコサミン」が効くといわれますが……


軟骨組織の基になる物質なので、「関節痛があったらグルコサミンを取りましょう」といった主張がされますし、グルコサミンの「サプリメント」や「健康食品」をとると「軟骨が再生される」などといわれます。


では、実際にグルコサミンのサプリメントをとることで、「関節痛が治った・緩和された」などの効果は得られるのでしょうか?


残念ながら、「グルコサミンを摂取したら関節痛が緩和される」などの確定的なエビデンスはありません。そもそも、軟骨組織がグルコサミンを基に作られるとしても、グルコサミンを食べた(口から摂取した)からといって軟骨組織は再生されません。摂取されたグルコサミンが体内でどのように使われるかは、人の思いどおりにはならないからです。


『医薬基盤・健康・栄養研究所』のデータベースでは「俗に、『関節の動きをなめらかにする』『関節の痛みを改善する』『肌に潤いを与える』などといわれているが、ヒトでの有効性については、グルコサミン硫酸塩の摂取が骨関節炎に有効である可能性があり、重篤で慢性的な骨関節炎の痛み緩和には効果がないことが示唆されているものの、その他の有効性については信頼できるデータが見当たらない」としています。


注意していただきたいのは「骨関節炎に有効である可能性がある」であって確定ではなく、「関節の動きをなめらかにする」「関節の痛みを改善する」「肌に潤いを与える」など俗にいわれていることには根拠がない、という点です。


また、特に研究対象として挙げられる「変形性膝関節症」のグルコサミンの効果についても、「効果なし」あるいは「あったとしても限定的」とされることが多く、総じて確たる効果が示されていません。


さらにグルコサミンを含む健康食品の販売で「これからの健康的な生活のために」といった惹句が付されることがありますが、予防医学の見地から有効とする科学的根拠もありません。ですから健康予防に役立つという話についても「未知数」「分からない」というのが本当のところなのです。

⇒『国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所』「『健康食品』の素材情報データベース」

https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail24.html

■まとめ

アラフォーの方々にも人気のグルコサミン配合サプリメント・健康食品ですが、残念なことに「関節痛に効く」「肌に潤いを与える」「軟骨が再生される」といった話には科学的根拠がありません。「骨関節炎に有効な可能性がある」という推測がされている程度です。もし関節痛があるのなら、サプリメントに頼るのではなく、整形外科など専門医を受診するようにしてください。

グルコース(糖)に「アミノ基」が結び付いたもの。グルコースの炭素に付いている水素基がアミノ基になっている。

(高橋モータース@dcp)